トランペットを吹いています。『ミシシッピニオイガメ』と言う亀を飼っています。曲も作ります。『KO.DO.NA』と言うユニットをやっています。ジャンルは人に言わせると『音響』なんだそうで。 http://kodona.web.fc2.com/ CDR『KO.DO.NA:小人の科学』 高円寺『円盤』 中野『タコシェ』 江古田『フライング・ティーポット』 で細々と販売しています。または非オンライン・レーベル『Musical for Kitchen Records』からDL出来ます(DL無料)。 http://mfk.blog.drecom.jp/archive/9 最近、もう一枚出しました。ルクセンブルグの「soundzfromnowhere」と言うネットレーベルから音源が出ました。 http://www.soundzfromnowhere.com/ デンマークからCDがリリースされました。 http://kodona.web.fc2.com/btn/compactdisc.html
2013年6月25日火曜日
DELL社の下で98,676,736 バイト/猫毛フェルト指人形
今日の音響作品
http://www.mixcloud.com/kodona/dell%E7%A4%BE%E3%81%AE%E4%B8%8B%E3%81%A798676736-%E3%83%90%E3%82%A4%E3%83%88/
暇だったので猫の毛で『猫毛フェルト指人形』を作った。
http://www.mixcloud.com/kodona/dell%E7%A4%BE%E3%81%AE%E4%B8%8B%E3%81%A798676736-%E3%83%90%E3%82%A4%E3%83%88/
暇だったので猫の毛で『猫毛フェルト指人形』を作った。
型紙
型紙
ブラッシング後の猫毛
製作中
或る程度、出来あがり
猫毛三兄弟
猫毛1号
猫と言うより妖怪のようになってしまった猫毛2号
猫毛3号
猫毛の提供猫
猫
写真を撮られる事に不信感あり。
参考にしたサイトは之。
2013年6月24日月曜日
2013年6月22日土曜日
2013年6月20日木曜日
ロックンロール男根主義
今日は小倉北区の繁華街に出ようと思った。
エフェクターの電源部分が怪しい。それをKORGのカスタマーセンターに問合せると「ACアダプターの故障の可能性が高い。ACアダプターを交換すれば直る可能性大」と言う。
実際、別のACアダプターでは動くのだからそうかもしれない。
大体、この家は呪われているとしか思えない。
帰郷の際に
『電池で動くアンプ』
『ループマシン』
『マルチエフェクター』
『ミキサー』
を持ち帰ったのだがアンプは行き成り音が出なくなる。エフェクターも同様。しかもデジタルカメラも壊れていた。液晶部分がパックリと割れている。
以前、書いた『実家に帰ると幽霊から話しかけられる』は既に実施済み。
YOUTUBEで動画を観ていたら女性が何やら話している。ヘッドフォンの音ではなくて、何と言うかヘッドフォンを『していない状態』のように聴こえる。
で、ヘッドフォンを外すと聴こえない。
妙な声だった。
壊れたデジカメを見て「連中だったりして・・・」と思った。
しかし、エフェクターがないと私は音楽活動が不可能になる。特にループマシンは当時の私としては大金で購入した(発売されたばかりだった。今では捨て値で売られているが)、之がないと出来ない曲も多い。
で、自転車で25分かけて小さな駅に行き繁華街へ。片道で1時間掛るのが田舎時間。
博多区に『キャナルシティ』と言う綜合ショッピングセンター(劇団四季の劇場もある)があるのだが、その北九州市版って事で
『リヴァーウォーク』
と言うのがある。店に行くのは初めてだ。この意味不明な建物の中に『島村楽器』がある。KORG側は「島村楽器であれば当社の純正アダプターが置いています」と言っていたので、其処を目指す。
其処へ個人経営と思われる楽器屋がある。
『島村楽器』は巨大資本だが、個人経営の店と言うのも味があるのかもしれないなぁ、と思い行ってみる。以前も見かけたのだが練習スタジオなどもやっているらしい。
店に入り、事情を説明する。
①エフェクターの電源が入らない
②他のACアダプターだと電源が入る
③出来れば純正が欲しい
④純正以外であればハムノイズが出ないか確認したい
「じゃあ、見せて」
と言うので純正と言うか実家にあった謎のACアダプターで動く事を説明。
「ふぁー。これで良いじゃないっすか。これで動いとるよ」
「いや、だから之は純正でも何でもないんですよ。それにプラグの大きさが余りまくっている」
「やけ、これで動きよるって」
「あの、だからライブで使う際に、こんだけプラグの大きさが余っていたら何かの拍子で電源が切れたら困るんですよ。」
「でも、これで動きよるよ」
「だからですね?!」
と言う押し問答。此処で内心、「しまった」と思った。
このテの個人経営の店にとっての『エフェクター』って『コンパクト・エフェクター』を指し、尚且つ
『ファズ』
『ディストーション』
『オーバードライブ』
『ブースター』
しか知らない。
『デジタル』と『アナログ』の違いも分からないし、クラシック~雅楽以外の音楽と言うのは
『エレキ・ギターとエレキ・ベース』
で行うものである、と言う固定観念があり、その無茶苦茶な観念を押し付けてくる。
思えば西荻窪にもギターのセレクト・ショップみたいな店がありヤフオクで1000円程度で売られている上に、ガリが出まくるボロいエフェクターを「じゃあ、1万円」と言って来た事があった。
「あの、ガリも出てるし、埃も酷い。普通は5000円以下でしょ?」
「だって、動いてるし問題ないでしょ?音も出てるし」
ウンザリな店だった。こう言う人にとって『音質』とか2の次、3の次なんだろう。
漸く店からローランドのACアダプターを出してもらう。ちゃんと動く。2個試したが問題はない。あとは『ハムノイズ』である。
ローランドのACアダプターで他のエフェクターは動くが、例えばローランドのエフェクターにZOOMのACアダプターを突っ込むとハムノイズが酷い。
其れが懸念される。
それにループマシンと言っても『VOX製』で『デジタル』である。
デジタル・エフェクターは意外と繊細である。
「じゃあ、ハムノイズが出ないかどうか試させて貰えませんか?ちょっとケーブルとか持参してないので貸してもらえますか?」
「ちゃんと電気も入りよるし、動いとるやないね」
「いや、ですから純正アダプターを使ってないわけですよね?これはKORGが出しているエフェクターなんですよ。ローランド製じゃないんですよ」
「やけども、ちゃんと動いたやないね」
「動いたのは良いんですよ。あとはハムノイズですよ」
「そんなん出んって」
「それは分からないでしょ?試してないんですから」
「大丈夫って。問題があったら、もう一回、来ぃ」
「あのですね。私は普段は東京で活動しているんですよ。再度、来いと言われても機材の殆どは都内にあるんです。だから実家に帰っても、このエフェクターがキチンと動くかどうかは東京に帰らないと分からないんですよ。だから、此処で試したい、と言っているんですよ。」
「やったら、ケーブルとか楽器とか色々と用意せないけんけんねぇ。それやったら(以下、意味不明な説教のようなものが始まる)」
「はぁ・・・。じゃあ、試せないワケですね?じゃあ、試せないんだったら良いですよ」
と店を後にした。ホンッとムカついたなぁ。
「ふざけるな!糞ったれ!」
と言いたかったが、こう言うオッサンに『ROCK』以外の英単語が通じるとは到底、思えない。こう言う店舗が経営を維持できる北九州市と言う街の人達は、どうやって音楽をやっているんだろうか?。
不思議でならない。
やはり店主が薦めるママにレッド・ツェッペリンのコピーを目指して最初は『ルナ・シー』とか『黒夢』とか『シャランQ』やっているんだろうか。当然、ギターで。
と言うか、店主にとって『エフェクター』と言うのは可也、地位が低いモノなんだろう。
20年位前だが、その頃のロック系~楽器店~スタジオの言い分としては
『エフェクターは下手な奴が使うもの』
と言う固定観念があった。だからリバーブにしろディレイにしろ『ご法度』に近かった。16年前にレコーディング技術を学んでいた時期があるのだが、そのスタジオ・オーナーも
「録音の際、ギターをアンプから音を出す奴は下手な奴。ライン録音こそが至上」
と毎日の如く言っていた。だが、アンプを除外した録音って、それじゃマーシャルにしろオレンジにしろ、ジャズコーラスにしろツイン・リバーブしろ『そのアンプでしか出ない音』って言う選択肢をいきなり
『全否定』
である。何と言うか『寿司』で言えば
『ネタで勝負しているうちは下手な奴。酢飯だけ握ってこそ本物』
とか言っているようなもんじゃないか。または『カレー』で言えば
『カレーのルーを掛けて食う奴は駄目な奴。本物は『米だけ』で食う』
とかじゃないか。または『レコード』で言えば
『レコード・プレイヤーで音を聴いている奴は駄目な奴。本物はレコードの『溝』だけを眺めるのが本物の通!』
とかじゃないか。または『セックス』で言えば
『挿入したり、されたりして快楽を味わっている奴は駄目な奴!本物は『処女・童貞』!」
とかじゃないか。または『料理全般』で言えば
『食品を切ったり、加工したり、火を通す奴は駄目な奴!本物は『そのまま食う』!」
とか。
思えば、こう言う『ROCK男性上位主義』と言うか、そう言う言論が罷り通っていたし、今でも言う奴はいる。
こう言う連中に囲まれながら音楽を始めてしまった私はどれだけ苦労したか。
皆、死ねばエエねん!!!
大体、アコースティック楽器にしろ、エレクトリック弦楽器(主にギターとベース)にしろ、エフェクター無しでの操作は殆ど『遣り尽されて』いる気がする。ギターならばイエペスだとか戦前ブルースが極めてしまっているし、エレキギターにしても『極論』みたいな人が、大昔に履いて腐る程いる。
何だかなぁ。
「トランペットは根性と気合と『モテたい』と言う願望で吹くものである」
「モテたい、と言う願望の為ならば何をやっても良い楽器がトランペットである!」
とか言っちゃう私なんだが(言ってないけど)、ポピュラー音楽にしろ、オルタネイティブ音楽にしろ、
『男根主義』
みたいなのは未だに根強い。だからこそ『ガールズ・バンド』と言う単語があるんだろうが、逆に『ボーイズ・バンド』はない。
じゃあ、ROCK黎明期の頃に『男性』しかいなかったのか?と言えば、そんなワケぁなくて
『Wanda Jackson』
ってのが50年代初頭にはいたりする。黒幕としてプレスリーがいるのだが、同時期には既にいるのである。
中々の迫力。
その後もジャニス・ジョップリンとかいたし、ジャズにはもっと前からいた。
因みにジャニスが所属していた『ビック・ブラザーホールディングカンパニー』は当時、西海岸では最も実験色が強く、尚且つ大音量のバンドだった。
この
『ROCK男根主義』
はどう言う経緯から生まれたんだろうか?『BOOY』なんだろうか?それとも『村八分』とか『外道』からなんだろうか?
以前、ジェフェーソン・エアプレインのボーカルが言っていたが「バンドで売れ始めた頃に『女がロックなんてやってじゃないよ』とよく言われた」と言っていた。
60年代末の西海岸ですら、そうだったのか・・・と思うが。
あらゆる『音楽』と言うのは簡単に言えば『音を操作する』と言う事でしかない。デビット・チューダーやデレク・ベイリーは『制御』と言う感じでスタンスは全く違うが、基本的には
『操作』
の部類に入る。作曲は『設計図』である。だから、その『音』が自然音でもギターでも何でも良いのである。実際、『鈴木昭男』や『多田正美』は自然音の操作を行っている。
ドイツの『クリスティーナ・クービナッス』も女性。
「男性がステージでロックを演奏し、女の子がキャーキャーと言う」
と言う『未来予想図』があるんだろうか。そうなると『グループ・サウンズ』が浮かぶ。思えば70年代の国内のフォークやロックフェスの映像を見ても男性バンドしかいない。
無駄に男臭い。アホ臭い。
音楽は『操作』であり『制御』である。
だったら、宮大工の仕事を見て女の子がキャーキャー言ってもおかしくないし、私は下手なロック・バンドを観るよりは宮大工の仕事を観ている方が『萌え』る。
ムカムカしながら『リヴァーウォーク』の『島村楽器』へ行った。リバーウォークは総合ショッピング店らしい。だが、閑散としている。
島村楽器は100円均一の店の横にあった。
で、作動する事と楽器で試奏し、問題がない事を確認して「ふぅ」と思って帰路へ。
途中でパイプの葉を買い、久し振りにJRで買える。
食事を作って、食べたら姉が帰ってきた。寝る前の『歌の練習』のようなモノをやっている。姉の歌は(私には)気味が悪い。
私は自転車で公園に行き基礎練習。
音楽が帰ってくる時の為に何時でも迎えられるように。
エフェクターの電源部分が怪しい。それをKORGのカスタマーセンターに問合せると「ACアダプターの故障の可能性が高い。ACアダプターを交換すれば直る可能性大」と言う。
実際、別のACアダプターでは動くのだからそうかもしれない。
大体、この家は呪われているとしか思えない。
帰郷の際に
『電池で動くアンプ』
『ループマシン』
『マルチエフェクター』
『ミキサー』
を持ち帰ったのだがアンプは行き成り音が出なくなる。エフェクターも同様。しかもデジタルカメラも壊れていた。液晶部分がパックリと割れている。
以前、書いた『実家に帰ると幽霊から話しかけられる』は既に実施済み。
YOUTUBEで動画を観ていたら女性が何やら話している。ヘッドフォンの音ではなくて、何と言うかヘッドフォンを『していない状態』のように聴こえる。
で、ヘッドフォンを外すと聴こえない。
妙な声だった。
壊れたデジカメを見て「連中だったりして・・・」と思った。
しかし、エフェクターがないと私は音楽活動が不可能になる。特にループマシンは当時の私としては大金で購入した(発売されたばかりだった。今では捨て値で売られているが)、之がないと出来ない曲も多い。
で、自転車で25分かけて小さな駅に行き繁華街へ。片道で1時間掛るのが田舎時間。
博多区に『キャナルシティ』と言う綜合ショッピングセンター(劇団四季の劇場もある)があるのだが、その北九州市版って事で
『リヴァーウォーク』
と言うのがある。店に行くのは初めてだ。この意味不明な建物の中に『島村楽器』がある。KORG側は「島村楽器であれば当社の純正アダプターが置いています」と言っていたので、其処を目指す。
其処へ個人経営と思われる楽器屋がある。
『島村楽器』は巨大資本だが、個人経営の店と言うのも味があるのかもしれないなぁ、と思い行ってみる。以前も見かけたのだが練習スタジオなどもやっているらしい。
(グルーブミュージック)
店に入り、事情を説明する。
①エフェクターの電源が入らない
②他のACアダプターだと電源が入る
③出来れば純正が欲しい
④純正以外であればハムノイズが出ないか確認したい
「じゃあ、見せて」
と言うので純正と言うか実家にあった謎のACアダプターで動く事を説明。
「ふぁー。これで良いじゃないっすか。これで動いとるよ」
「いや、だから之は純正でも何でもないんですよ。それにプラグの大きさが余りまくっている」
「やけ、これで動きよるって」
「あの、だからライブで使う際に、こんだけプラグの大きさが余っていたら何かの拍子で電源が切れたら困るんですよ。」
「でも、これで動きよるよ」
「だからですね?!」
と言う押し問答。此処で内心、「しまった」と思った。
このテの個人経営の店にとっての『エフェクター』って『コンパクト・エフェクター』を指し、尚且つ
『ファズ』
『ディストーション』
『オーバードライブ』
『ブースター』
しか知らない。
『デジタル』と『アナログ』の違いも分からないし、クラシック~雅楽以外の音楽と言うのは
『エレキ・ギターとエレキ・ベース』
で行うものである、と言う固定観念があり、その無茶苦茶な観念を押し付けてくる。
思えば西荻窪にもギターのセレクト・ショップみたいな店がありヤフオクで1000円程度で売られている上に、ガリが出まくるボロいエフェクターを「じゃあ、1万円」と言って来た事があった。
「あの、ガリも出てるし、埃も酷い。普通は5000円以下でしょ?」
「だって、動いてるし問題ないでしょ?音も出てるし」
ウンザリな店だった。こう言う人にとって『音質』とか2の次、3の次なんだろう。
漸く店からローランドのACアダプターを出してもらう。ちゃんと動く。2個試したが問題はない。あとは『ハムノイズ』である。
ローランドのACアダプターで他のエフェクターは動くが、例えばローランドのエフェクターにZOOMのACアダプターを突っ込むとハムノイズが酷い。
其れが懸念される。
それにループマシンと言っても『VOX製』で『デジタル』である。
デジタル・エフェクターは意外と繊細である。
「じゃあ、ハムノイズが出ないかどうか試させて貰えませんか?ちょっとケーブルとか持参してないので貸してもらえますか?」
「ちゃんと電気も入りよるし、動いとるやないね」
「いや、ですから純正アダプターを使ってないわけですよね?これはKORGが出しているエフェクターなんですよ。ローランド製じゃないんですよ」
「やけども、ちゃんと動いたやないね」
「動いたのは良いんですよ。あとはハムノイズですよ」
「そんなん出んって」
「それは分からないでしょ?試してないんですから」
「大丈夫って。問題があったら、もう一回、来ぃ」
「あのですね。私は普段は東京で活動しているんですよ。再度、来いと言われても機材の殆どは都内にあるんです。だから実家に帰っても、このエフェクターがキチンと動くかどうかは東京に帰らないと分からないんですよ。だから、此処で試したい、と言っているんですよ。」
「やったら、ケーブルとか楽器とか色々と用意せないけんけんねぇ。それやったら(以下、意味不明な説教のようなものが始まる)」
「はぁ・・・。じゃあ、試せないワケですね?じゃあ、試せないんだったら良いですよ」
と店を後にした。ホンッとムカついたなぁ。
「ふざけるな!糞ったれ!」
と言いたかったが、こう言うオッサンに『ROCK』以外の英単語が通じるとは到底、思えない。こう言う店舗が経営を維持できる北九州市と言う街の人達は、どうやって音楽をやっているんだろうか?。
不思議でならない。
やはり店主が薦めるママにレッド・ツェッペリンのコピーを目指して最初は『ルナ・シー』とか『黒夢』とか『シャランQ』やっているんだろうか。当然、ギターで。
と言うか、店主にとって『エフェクター』と言うのは可也、地位が低いモノなんだろう。
20年位前だが、その頃のロック系~楽器店~スタジオの言い分としては
『エフェクターは下手な奴が使うもの』
と言う固定観念があった。だからリバーブにしろディレイにしろ『ご法度』に近かった。16年前にレコーディング技術を学んでいた時期があるのだが、そのスタジオ・オーナーも
「録音の際、ギターをアンプから音を出す奴は下手な奴。ライン録音こそが至上」
と毎日の如く言っていた。だが、アンプを除外した録音って、それじゃマーシャルにしろオレンジにしろ、ジャズコーラスにしろツイン・リバーブしろ『そのアンプでしか出ない音』って言う選択肢をいきなり
『全否定』
である。何と言うか『寿司』で言えば
『ネタで勝負しているうちは下手な奴。酢飯だけ握ってこそ本物』
とか言っているようなもんじゃないか。または『カレー』で言えば
『カレーのルーを掛けて食う奴は駄目な奴。本物は『米だけ』で食う』
とかじゃないか。または『レコード』で言えば
『レコード・プレイヤーで音を聴いている奴は駄目な奴。本物はレコードの『溝』だけを眺めるのが本物の通!』
とかじゃないか。または『セックス』で言えば
『挿入したり、されたりして快楽を味わっている奴は駄目な奴!本物は『処女・童貞』!」
とかじゃないか。または『料理全般』で言えば
『食品を切ったり、加工したり、火を通す奴は駄目な奴!本物は『そのまま食う』!」
とか。
思えば、こう言う『ROCK男性上位主義』と言うか、そう言う言論が罷り通っていたし、今でも言う奴はいる。
こう言う連中に囲まれながら音楽を始めてしまった私はどれだけ苦労したか。
皆、死ねばエエねん!!!
大体、アコースティック楽器にしろ、エレクトリック弦楽器(主にギターとベース)にしろ、エフェクター無しでの操作は殆ど『遣り尽されて』いる気がする。ギターならばイエペスだとか戦前ブルースが極めてしまっているし、エレキギターにしても『極論』みたいな人が、大昔に履いて腐る程いる。
何だかなぁ。
「トランペットは根性と気合と『モテたい』と言う願望で吹くものである」
「モテたい、と言う願望の為ならば何をやっても良い楽器がトランペットである!」
とか言っちゃう私なんだが(言ってないけど)、ポピュラー音楽にしろ、オルタネイティブ音楽にしろ、
『男根主義』
みたいなのは未だに根強い。だからこそ『ガールズ・バンド』と言う単語があるんだろうが、逆に『ボーイズ・バンド』はない。
じゃあ、ROCK黎明期の頃に『男性』しかいなかったのか?と言えば、そんなワケぁなくて
『Wanda Jackson』
ってのが50年代初頭にはいたりする。黒幕としてプレスリーがいるのだが、同時期には既にいるのである。
中々の迫力。
その後もジャニス・ジョップリンとかいたし、ジャズにはもっと前からいた。
因みにジャニスが所属していた『ビック・ブラザーホールディングカンパニー』は当時、西海岸では最も実験色が強く、尚且つ大音量のバンドだった。
この
『ROCK男根主義』
はどう言う経緯から生まれたんだろうか?『BOOY』なんだろうか?それとも『村八分』とか『外道』からなんだろうか?
以前、ジェフェーソン・エアプレインのボーカルが言っていたが「バンドで売れ始めた頃に『女がロックなんてやってじゃないよ』とよく言われた」と言っていた。
60年代末の西海岸ですら、そうだったのか・・・と思うが。
あらゆる『音楽』と言うのは簡単に言えば『音を操作する』と言う事でしかない。デビット・チューダーやデレク・ベイリーは『制御』と言う感じでスタンスは全く違うが、基本的には
『操作』
の部類に入る。作曲は『設計図』である。だから、その『音』が自然音でもギターでも何でも良いのである。実際、『鈴木昭男』や『多田正美』は自然音の操作を行っている。
ドイツの『クリスティーナ・クービナッス』も女性。
「男性がステージでロックを演奏し、女の子がキャーキャーと言う」
と言う『未来予想図』があるんだろうか。そうなると『グループ・サウンズ』が浮かぶ。思えば70年代の国内のフォークやロックフェスの映像を見ても男性バンドしかいない。
無駄に男臭い。アホ臭い。
音楽は『操作』であり『制御』である。
だったら、宮大工の仕事を見て女の子がキャーキャー言ってもおかしくないし、私は下手なロック・バンドを観るよりは宮大工の仕事を観ている方が『萌え』る。
ムカムカしながら『リヴァーウォーク』の『島村楽器』へ行った。リバーウォークは総合ショッピング店らしい。だが、閑散としている。
島村楽器は100円均一の店の横にあった。
で、作動する事と楽器で試奏し、問題がない事を確認して「ふぅ」と思って帰路へ。
途中でパイプの葉を買い、久し振りにJRで買える。
食事を作って、食べたら姉が帰ってきた。寝る前の『歌の練習』のようなモノをやっている。姉の歌は(私には)気味が悪い。
私は自転車で公園に行き基礎練習。
音楽が帰ってくる時の為に何時でも迎えられるように。
2013年6月19日水曜日
It's Daejeon(1)
そして大詰めの『大田市(Daejeon)』である。
前日に呑み過ぎもあり、風邪の具合はMAXに酷い。しかも、前日は雨で、その日は寒い。
森さんと、スンミさん(森さんの奥さん)がウルルハウスに迎えに来てくれる。
スンミさんもフリースを着ている。
マグワン駅からソウル駅。ソウル駅からKTXに乗り大田市である。
だからソウル駅までタクシーで行こう、と言う。丁度、二人もソウル駅周辺で散歩なのか観光予定だったらしいので賛同。
そう言えば渡韓してソウル駅に行くのは初めて。修学旅行でも行ってない。
スンミさん曰く
「大田市なんて田舎よぉ」
と言う。所謂、『海外旅行』ではないから場所に関してはネットだとかガイドブックはアテにならない。現地人(スンミさんは24年間は韓国。14年間は日本。で、今は韓国)の言葉を信じるしかない。
「どんな処なんですかね?」
「あのね、牛が一杯歩いている。もう、フツーに牛が道路にいるのね」
「え?ええ?!」
「で、牛が引っ張るバスとかあってさぁ」
「マジですか?」
「うん。ホンと。で、牛を引っ張っている老人とかいてね。そのお爺さんとかに頼むと荷台とかに載せてくれるの。あと、頼めば一晩くらい泊めてくれたりして、人は優しいんだけど」
「牛・・・!」
其処で森さんが
「KO.DO.NAさん。兎に角、牛糞には気をつけた方が良いですよ。ガバ!って踏んじゃうと臭いますから」
と言う。
不安感が増す。脳裏にこう言う光景が浮かぶ。
トランペットよりもアコーディオンの音色が似合いそうな場所じゃないか。ガクブル。
「電気はあるんだろうか・・・」
と不安になる。
二人に見送られながらKTX(韓国の新幹線)に乗る。荷物の置き場所が分からないので横に置いていたら日本語を少し話せる中年紳士が
「あちらに荷物を置けますよ」
と教えてくれた。
KTXから見える風景は、新幹線の社窓から見える光景がそうであるように『ド田舎』である。明らかに日韓併合時代『以前』から何も変わってなさそうな光景。
本当に牛がいるのかも・・・と思う。
で、到着してみると(横の中年紳士が「次ですよ」と教えてくれる。嗚呼、人は皆、親切)
牛はいない
「騙された」と思ったが、面白い嘘だったから良いんだけども。只、ソウル駅とは矢張り違う雰囲気である。
(大田駅前)
駅は綺麗だが周囲は雑然としている、ってのが悲しき我が故郷『北九州市』っぽい。
ニコラスに電話する。
「KO.DO.NAだ。着いたよ。迎えに来て」
「ゴメン、ゴメン。10分ほど遅れる」
と待つ。
初対面だが会って見るとこう言う人だった。
撫で肩で、背が低い。多分、私と同じくらいじゃないかな(私は160cm)。で、会うなり「ソーリー」と言って道端でゲロを吐き捲くっている。
で、出演者でもないのに意味もなく機材らしきものを紙袋に持っている。オーディオインターフェイスとかエフェクターなんだが、私は使わないし何で持ってきていたんだろう。
元々は、このニコラスが「韓国でライブをしないか?」とメールが来たので今回の渡韓が実現したワケである。
だが、初っ端から嫌な予感がしたので、確認事項を確かめる。
「変圧器は用意してくれているかい?」
「OK!ノープロブレム!」
と彼が出して来たのは『変圧器(ダウントランス)』ではなく
『変換プラグ』
なのである。
「はぁ?これが変圧器だって言うの?」
「これでエフェクターは動くよ」
「いや、動かないよ!俺のエフェクターは100V使用で、韓国は220Vじゃないか!」
「大丈夫、大丈夫」
「無理!エフェクターが動かなければパフォーマンスは出来ない!」
「OK」
と言って駅前を歩く。どうやら電気屋を探しているらしいのだが、やはり大田市は『地方都市』と言うより『田舎』なワケで電気屋には電球とかしか売ってない。
「じゃあ、僕の家に行こう」
と彼の家に行く。途中で
「お腹、空いた?」
「少し」
「キンパ、食べない?」
と店に入ってキンパを二つ。キンパは韓国の巻き寿司なんだが美味い。携帯食みたいな感じ。
↑
こんな写真を暢気に撮っているように見えて実は内心、ドキドキである。
「こいつ、大丈夫か?」みたいな。
大体、変圧器に関しても何日も前にメールしているのである。しかも『何度も』!だ。
自宅に行くと矢張り部屋が臭い。正直、私の部屋も汚いのだが「俺の部屋より臭くて汚い部屋は初めてだ」と思った。
で、変圧器を出すのかと思ったら、また
『変換プラグ』
を出す。
「だから変換プラグじゃ駄目なんだって!」
「大丈夫だよ。これで動くよ」
「マジかよ?!だが、変圧器が必要だ。」
「OK」
と言うと今度は自宅の前の電気屋に行く。電気屋は外人が来た事で若干、不安そうな顔。で、変換プラグを何故か購入。
どうもニコラスは『変圧器』と言う物体が分からないらしい。
この時点で怒り心頭ですよ。ええ、マジで。「FUCK OFF!」と怒鳴ってKTXで帰っても良かったのだが上記の通り、彼の誘いがなければ、このツアーはなかったのだから我慢・・・と言うか実は風邪がキツくて「もう、どうでもエエわ」と言う気分。
で、会場に到着。
このライブ会場ってのが『韓国唯一にカントリーシンガー』が経営するカントリーの店である。店のBGMはポール・アンカとかカーターファミリーとかカーペンターズとかである。
店の親父もテンガロンハットにネルシャツ、そしてネルシャツの裾をジーパンに突っ込んでいる。何処からどう見ても『カントリー』なオッサンである。
気さくな人なんだが。
で、セッティングする事になり半信半疑で変換プラグをACアダプターに突っ込んで動かしてみると・・・動かない。
8台のエフェクターのうち、ローランド製(BOSS)以外は全く動かない。何とか動いたのは
ディレイ
ワウペダル(電池)
オクターバー(電池)
だけ。このセッティングでソロで、何をしろと言うのだ。で、マイクをスピーカーに繋ごうとすると対バンの子が「NO!NO!」と言ってくる。
「Why?」
「NO,PA」
「NON PA....?.Really?」
「YES」
「oh....NO...」
このPAに関しては渡韓する前に何度も何度も「私はPAがないとパフォーマンスは出来ない」とメールしていた事である。
変圧器はない
PAはない
此処まで来ると怒りよりも落胆と言うか、どーでも良くなる。
ラジカセで何とかバックトラックを流し、何とか形に出来ないかなぁと思って2台のアンプを使おうと思った。一台はTP、一台はラジカセ。
ところがアンプは複数台あるのだが実は対バンの子の持込機材。ニコラスが「アンプなら、之を使ってよ」と出してきたのが店のアンプなんだが
一台だけ!。
しかも見た事もないボロいアンプである。10W~15W程度の小さなアンプである。
この糞っ垂れがぁ!と思いながら「どーすりゃ良いんだ。これじゃアコースティックでやるのと同じじゃねーかよ!俺ぁ、こんなセッティングの為に24kもの機材を運んできたワケじゃねぇんだぞ・・・」と日本語でイライラしていると、カントリーのオッサンが
「カセットデッキ?じゃあ、カセットテープか。テープなら私が掛けるから」
と言う。
「じゃなくて、カセットデッキを俺が操作する事も含めてパフォーマンスなんですよ!」
と言うと「?」と言う顔。
今まで色々なライブをしてきたし、悪条件だったり、信じられないセッティングを強いられたりしてきたが、此処まではなかった。
これから自分がパフォーマンスをしなくてはならない、と言う事を考えると脂汗が止まらない。
既に店の周辺には、こんなフライヤーが張られているのである。
ニーホンのトーキョーシティーからアンビエント・パフォーマーが初来日!と言った具合である。白黒のフライヤーで昔のパンクのライブかよ、って感じだが。
で、ニコラスはどうしているか?って言えば道端でゲロを吐き、私にマッコリを勧めてくるってな具合。
「マッコリ?俺が今、どう言う状況かテメー、分かってんのかよ!今直ぐに帰っても良いんだぜ?そもそも、Yukieさんには頭があがらねーテメーの顔を立ててやろう、って事で大田市まで来たんだぜ?俺の義侠心だよ。音楽家ってのは、義侠心が第一だからな。で、オメーは何だ?マッコリ、呑んでる場合じゃねぇんだよ!」
と思うが、店のオッサンから「そろそろセッティングを終わってもらえないか?イベント始まるし」と言われるので
「はぁ・・・。OK。What can I do?・・・」
と後ろの席に座る。対バンの子達は弾き語りと言うか、バラード系が多い。
染みったれた歌を染みったれた感じで歌う。ニュアンスとしては分かり易いのは
『安全地帯』
の
『ワインレッドの心』
と言うか。陰鬱な心情と言うか、憂鬱な歌声とマイナーキーばかりのギター。
今の『弾き語り』って『渋谷系以降』でセブンスキーを多用し、所謂『4畳半フォーク』は少数派なんだが(シーラカンス同様に4畳半フォークの人は少数いるが)、4畳半フォークとも違う。やはり
『ワインレッドの心』
である。「何で之が対バンなんだよ」と思っていると眠たくなってきた。ウトウトとしていると、バンド編成の子が出てきた。ベース、ギター・ボーカル、ドラムにキーボード。
「へー、バンドかぁ」
と思っていたら、矢張り『ワインレッドの心』なんである。延々と『ワインレッドの心』。
思えばカラオケボックスが流行った黎明期の頃。大抵、一人位は『ワインレッドの心』を熱唱する奴がいて、そいつのお陰で場がシラケたもんだが、何であんな陰鬱な歌が流行ったんだろうか。当時は有線にしろTVにしろラジオにしろ、ヘビーローテーションだった。陰鬱な歌なら
『友川かずき』/『死にぞこないの歌』
でも良いじゃないか。
しかし、『ワインレッドの心』
続く
前日に呑み過ぎもあり、風邪の具合はMAXに酷い。しかも、前日は雨で、その日は寒い。
森さんと、スンミさん(森さんの奥さん)がウルルハウスに迎えに来てくれる。
スンミさんもフリースを着ている。
マグワン駅からソウル駅。ソウル駅からKTXに乗り大田市である。
だからソウル駅までタクシーで行こう、と言う。丁度、二人もソウル駅周辺で散歩なのか観光予定だったらしいので賛同。
そう言えば渡韓してソウル駅に行くのは初めて。修学旅行でも行ってない。
スンミさん曰く
「大田市なんて田舎よぉ」
と言う。所謂、『海外旅行』ではないから場所に関してはネットだとかガイドブックはアテにならない。現地人(スンミさんは24年間は韓国。14年間は日本。で、今は韓国)の言葉を信じるしかない。
「どんな処なんですかね?」
「あのね、牛が一杯歩いている。もう、フツーに牛が道路にいるのね」
「え?ええ?!」
「で、牛が引っ張るバスとかあってさぁ」
「マジですか?」
「うん。ホンと。で、牛を引っ張っている老人とかいてね。そのお爺さんとかに頼むと荷台とかに載せてくれるの。あと、頼めば一晩くらい泊めてくれたりして、人は優しいんだけど」
「牛・・・!」
其処で森さんが
「KO.DO.NAさん。兎に角、牛糞には気をつけた方が良いですよ。ガバ!って踏んじゃうと臭いますから」
と言う。
不安感が増す。脳裏にこう言う光景が浮かぶ。
トランペットよりもアコーディオンの音色が似合いそうな場所じゃないか。ガクブル。
「電気はあるんだろうか・・・」
と不安になる。
二人に見送られながらKTX(韓国の新幹線)に乗る。荷物の置き場所が分からないので横に置いていたら日本語を少し話せる中年紳士が
「あちらに荷物を置けますよ」
と教えてくれた。
KTXから見える風景は、新幹線の社窓から見える光景がそうであるように『ド田舎』である。明らかに日韓併合時代『以前』から何も変わってなさそうな光景。
本当に牛がいるのかも・・・と思う。
で、到着してみると(横の中年紳士が「次ですよ」と教えてくれる。嗚呼、人は皆、親切)
牛はいない
「騙された」と思ったが、面白い嘘だったから良いんだけども。只、ソウル駅とは矢張り違う雰囲気である。
(大田駅前)
(大田駅前)
(大田駅前)
ニコラスに電話する。
「KO.DO.NAだ。着いたよ。迎えに来て」
「ゴメン、ゴメン。10分ほど遅れる」
と待つ。
初対面だが会って見るとこう言う人だった。
(ニコラス)
撫で肩で、背が低い。多分、私と同じくらいじゃないかな(私は160cm)。で、会うなり「ソーリー」と言って道端でゲロを吐き捲くっている。
で、出演者でもないのに意味もなく機材らしきものを紙袋に持っている。オーディオインターフェイスとかエフェクターなんだが、私は使わないし何で持ってきていたんだろう。
元々は、このニコラスが「韓国でライブをしないか?」とメールが来たので今回の渡韓が実現したワケである。
だが、初っ端から嫌な予感がしたので、確認事項を確かめる。
「変圧器は用意してくれているかい?」
「OK!ノープロブレム!」
と彼が出して来たのは『変圧器(ダウントランス)』ではなく
『変換プラグ』
なのである。
「はぁ?これが変圧器だって言うの?」
「これでエフェクターは動くよ」
「いや、動かないよ!俺のエフェクターは100V使用で、韓国は220Vじゃないか!」
「大丈夫、大丈夫」
「無理!エフェクターが動かなければパフォーマンスは出来ない!」
「OK」
と言って駅前を歩く。どうやら電気屋を探しているらしいのだが、やはり大田市は『地方都市』と言うより『田舎』なワケで電気屋には電球とかしか売ってない。
「じゃあ、僕の家に行こう」
と彼の家に行く。途中で
「お腹、空いた?」
「少し」
「キンパ、食べない?」
と店に入ってキンパを二つ。キンパは韓国の巻き寿司なんだが美味い。携帯食みたいな感じ。
(キンパを美味そうに食うニコラス)
↑
こんな写真を暢気に撮っているように見えて実は内心、ドキドキである。
「こいつ、大丈夫か?」みたいな。
大体、変圧器に関しても何日も前にメールしているのである。しかも『何度も』!だ。
自宅に行くと矢張り部屋が臭い。正直、私の部屋も汚いのだが「俺の部屋より臭くて汚い部屋は初めてだ」と思った。
で、変圧器を出すのかと思ったら、また
『変換プラグ』
を出す。
「だから変換プラグじゃ駄目なんだって!」
「大丈夫だよ。これで動くよ」
「マジかよ?!だが、変圧器が必要だ。」
「OK」
と言うと今度は自宅の前の電気屋に行く。電気屋は外人が来た事で若干、不安そうな顔。で、変換プラグを何故か購入。
どうもニコラスは『変圧器』と言う物体が分からないらしい。
この時点で怒り心頭ですよ。ええ、マジで。「FUCK OFF!」と怒鳴ってKTXで帰っても良かったのだが上記の通り、彼の誘いがなければ、このツアーはなかったのだから我慢・・・と言うか実は風邪がキツくて「もう、どうでもエエわ」と言う気分。
で、会場に到着。
このライブ会場ってのが『韓国唯一にカントリーシンガー』が経営するカントリーの店である。店のBGMはポール・アンカとかカーターファミリーとかカーペンターズとかである。
店の親父もテンガロンハットにネルシャツ、そしてネルシャツの裾をジーパンに突っ込んでいる。何処からどう見ても『カントリー』なオッサンである。
気さくな人なんだが。
で、セッティングする事になり半信半疑で変換プラグをACアダプターに突っ込んで動かしてみると・・・動かない。
8台のエフェクターのうち、ローランド製(BOSS)以外は全く動かない。何とか動いたのは
ディレイ
ワウペダル(電池)
オクターバー(電池)
だけ。このセッティングでソロで、何をしろと言うのだ。で、マイクをスピーカーに繋ごうとすると対バンの子が「NO!NO!」と言ってくる。
「Why?」
「NO,PA」
「NON PA....?.Really?」
「YES」
「oh....NO...」
このPAに関しては渡韓する前に何度も何度も「私はPAがないとパフォーマンスは出来ない」とメールしていた事である。
変圧器はない
PAはない
此処まで来ると怒りよりも落胆と言うか、どーでも良くなる。
ラジカセで何とかバックトラックを流し、何とか形に出来ないかなぁと思って2台のアンプを使おうと思った。一台はTP、一台はラジカセ。
ところがアンプは複数台あるのだが実は対バンの子の持込機材。ニコラスが「アンプなら、之を使ってよ」と出してきたのが店のアンプなんだが
一台だけ!。
しかも見た事もないボロいアンプである。10W~15W程度の小さなアンプである。
この糞っ垂れがぁ!と思いながら「どーすりゃ良いんだ。これじゃアコースティックでやるのと同じじゃねーかよ!俺ぁ、こんなセッティングの為に24kもの機材を運んできたワケじゃねぇんだぞ・・・」と日本語でイライラしていると、カントリーのオッサンが
「カセットデッキ?じゃあ、カセットテープか。テープなら私が掛けるから」
と言う。
「じゃなくて、カセットデッキを俺が操作する事も含めてパフォーマンスなんですよ!」
と言うと「?」と言う顔。
今まで色々なライブをしてきたし、悪条件だったり、信じられないセッティングを強いられたりしてきたが、此処まではなかった。
これから自分がパフォーマンスをしなくてはならない、と言う事を考えると脂汗が止まらない。
既に店の周辺には、こんなフライヤーが張られているのである。
ニーホンのトーキョーシティーからアンビエント・パフォーマーが初来日!と言った具合である。白黒のフライヤーで昔のパンクのライブかよ、って感じだが。
で、ニコラスはどうしているか?って言えば道端でゲロを吐き、私にマッコリを勧めてくるってな具合。
「マッコリ?俺が今、どう言う状況かテメー、分かってんのかよ!今直ぐに帰っても良いんだぜ?そもそも、Yukieさんには頭があがらねーテメーの顔を立ててやろう、って事で大田市まで来たんだぜ?俺の義侠心だよ。音楽家ってのは、義侠心が第一だからな。で、オメーは何だ?マッコリ、呑んでる場合じゃねぇんだよ!」
と思うが、店のオッサンから「そろそろセッティングを終わってもらえないか?イベント始まるし」と言われるので
「はぁ・・・。OK。What can I do?・・・」
と後ろの席に座る。対バンの子達は弾き語りと言うか、バラード系が多い。
染みったれた歌を染みったれた感じで歌う。ニュアンスとしては分かり易いのは
『安全地帯』
の
『ワインレッドの心』
と言うか。陰鬱な心情と言うか、憂鬱な歌声とマイナーキーばかりのギター。
今の『弾き語り』って『渋谷系以降』でセブンスキーを多用し、所謂『4畳半フォーク』は少数派なんだが(シーラカンス同様に4畳半フォークの人は少数いるが)、4畳半フォークとも違う。やはり
『ワインレッドの心』
である。「何で之が対バンなんだよ」と思っていると眠たくなってきた。ウトウトとしていると、バンド編成の子が出てきた。ベース、ギター・ボーカル、ドラムにキーボード。
「へー、バンドかぁ」
と思っていたら、矢張り『ワインレッドの心』なんである。延々と『ワインレッドの心』。
思えばカラオケボックスが流行った黎明期の頃。大抵、一人位は『ワインレッドの心』を熱唱する奴がいて、そいつのお陰で場がシラケたもんだが、何であんな陰鬱な歌が流行ったんだろうか。当時は有線にしろTVにしろラジオにしろ、ヘビーローテーションだった。陰鬱な歌なら
『友川かずき』/『死にぞこないの歌』
でも良いじゃないか。
しかし、『ワインレッドの心』
続く