『BOSS BX-4』
と言う骨董品。買ったのは高校時代。当時、インターネットと言うモノが日本に紹介されたばかりの頃で(其の頃、インターネットをやろうと思ったらAOL経由でしか出来ず、架空の住所をアメリカ本土に登録して・・・と可也、ハードルが高かった)メインは『パソコン通信』だった。
パソコン通信で友人はDJ機材などを中古で手に入れていたのだが、それで私も便乗して購入した。
定価は12000円だったらしいが、其の頃に既に3000円だった。
ルックスは良くないが音も悪くないし、便利で良いのだが反応はするが音が出ない。
修理する
と言う方法もあるが、直し方が判らない。高円寺のギターショップが相談に乗ってくれるかも知れないので行ってみようとは思うが。
BEHRINGER社が『MX400 MICROMIX』と言う小型ミキサーを出している。値段も1980円と素晴らしいのだが、元々、BEHRINGER社が名を馳せたのは『ミキサー』である。
小型で安い。
だが、音に独特な癖があり、私は其れが苦手だった。音がキンキンしてしまうのである。デジタルっぽい音がする、と言うか。
BEHRINGER社のマイクも持っているが、ダイナミックマイクとは思えないほど音は矢鱈と拾うのだが管楽器には余りあわない。矢張りキンキンし過ぎてい一寸辛い。もう少しファットな方が良いのでシェア-58にしたが。
で、上記のミキサーだが出力が『モノラル』なのである。之も困るのである。
凄く小さなハコなどで演奏する際にパンニング出来ないのは、辛い。何度かギターアンプをPA代わりに使った事があったのだが、そう言う時にステレオ処理が出来ないと蓄音機と同じなんである。
だが、御茶ノ水の店舗はギターと金管楽器は置いていてもミキサーに関しては皆無。またはオーディオ・インターフェイス。
徒労である。
其の後、新宿へ向かう。御茶ノ水の楽器屋を歩き回った事もあるし、外は暑く、店舗は寒い、と言う状態を続けたせいか酷く疲れていた。
だが新宿のタワレコに。
『Dickie Landry:Fifteen Saxophones』
が、どーしても欲しかったのだ。テナーサックスのソロにアナログ・ディレイとテープループだけ、と言うアホみたいな作品である。1977年発売って私が既に産まれている年齢なのである。
既にアポロ計画は終了しており、スーパーコンピューターは電卓に。年明けの『持ちつき』は『電動餅付き機』で行われて居たと言うのに、77年はシンセサイザーは数百万円で、中身はガラクタ以下。
ディレイはデジタル・ディレイはまだ発売されてなくてテープディレイ(YMOもワールドツアーではRE-20利用)。
音楽機材の発達の遅さと言うのは涙なくしては語れない。
で、この盤だが、要するに『サックス・ソロにディレイをかましただけ』である。
だが、其処に興味がある。TPでもディレイは多用するので他の人がどんな風に使っているのか知りたい。
『こだま和文』はテープディレイを愛用するが、愛用と言うより『かけっぱなし』に近い。マイルスは実はライブでディレイは使ってない。
音響系以降のユーロ・ジャズなどでディレイを使っている例はあるが「使ってみた」程度。
70年代初頭のフュージョンではエフェクト管楽器は多いが、まだ使い道が判らなかったのか飛び道具的である
(そう考えると『ディレイ』と言うエフェクターの性能や用途を極限まで突き詰めた『沖至』は凄いとしか言いようが無い。其れがギタリストではなくTP奏者だった、と言うのも凄い)。
中身はとてもよかった。
帰宅して急いで用意してスタジオへ。
以前から暖めている曲の録音をしたかったのだ。7時間も猛暑の都内を歩き回った為、既にグッタリも良いところ。そこへ山のように機材を抱えてスタジオへ行くと、今すぐに自殺したくなるが、頑張って録音。
1時間ほどやってみて、エフェクターのセッティングを考え直さないと駄目だ、と言う事に気が付く。
スタジオにピアノがあったので弾いてみると良い感じ。
マイクをセットして、暫く弾いて自宅へ戻り少し加工すると曲になった。予定した曲は欠点しか見つからなかったが、全く予定外の曲が出来たのは嬉しい。
曲が出来た時って、やっぱり不思議な感じ。魂の一部を吸い取られちゃった感じもするんだけども充実感がある。
欠落の喜び、
と言うか。不思議だ。
全てが終わって亀の餌を買うのを忘れている事に気が付いた。仕方が無いので鳥のレバーを上げる。ゴルバチョフは大喜びで血の滴るレバーを食べる。
明日はパイプの葉と餌だ。
0 件のコメント:
コメントを投稿