エズラ氏やデイブ氏が主催しているイベントで、池ノ上の『バーガリガリ』と言う、どちらかと言えば自主映画などの店である。
最初に出演したのは2年前。当時、松沢病院で『作業療法士助手』と言うポジションで働いていて殆どノイローゼに近い状態だった。
酷い職場だった。あれほど酷い職場は109回の転職でもベスト1位だ。
2年前に出演した時は私と、川口氏と、客で来た鈴木康文氏以外は皆、外国人。しかも満員御礼で窒息しそうな程の客席だった。
毎年、蛍を眺め、山と川と汚れた海に囲まれた『田舎モノの純粋培養』のような私は其れだけでビビった。
皆、香料の強い煙草を吸っていて、パイプ吸いの私ですら呼吸困難になるほどだった。しかも、その時も出番はトリ。
自分の出番が始まる頃にはグッタリしていた覚えがある。
でも、良い演奏が出来た覚えが。
2年後。
震災が起こり、原発が爆発しっ放し2012年11月。
客席は日本人がメインとなった。其れは何処のハコも同じだと思う。テストトーンも外国人が矢鱈と多かったが、いなくなったし。
4時25分からリハの予定だったが、思いっきり遅刻。しかも遅刻したのにエフェクターを一個忘れてしまった。
条件的には最悪だった。
①エフェクターが一個ない
②虫歯が痛くて憂鬱
③ラジカセがクラッシュ
④リハで判明したのだが、9本のシールドの一本が断線しているっぽい
⑤マイクを忘れた
⑥演奏時間は普段は50分~1時間なのだが30分
とは言え個人的には実験と云うか「最悪の状態でも演奏できるか?」と言うのに挑戦である。ラジカセはイヤフォン端子が駄目になっていたのでマイクで拾う事に。
エフェクターはデイブ氏が同じものを持っていたので借りた。
マイクも店から借りた。
曲は一曲減らして、曲間は数秒。
しかしリハは押し捲った。特にサミー氏(自作楽器)が自作楽器を持参してセッティングするのだが、緊張しているのかテンションがあがっているのか「FUCK!」「Shit!」と一人で怒鳴りながらセッティング。
と言うかセッティングをしているのか既に演奏しているのか判らない。サミー氏の事はテストトーンでフリーマーケットをしている姿しか知らないので(私も鐘を買ったことがある)「サミー氏って、激しいんだ・・・」と思った。
実際、ライブも『一人、ハードコア・パンク』と言うか鐘などをジャランジャランと鳴らしながら客席にダイブ!
起き上がって自作楽器を殴りつけながら演奏、と言うハードコアっぷりを発散。
途中で歌い始めたのだが、さっきまで何やら意味不明な事を叫びながら客席を暴れまわっていたのとは打って変わって歌が上手いのと、メロディーが凄く綺麗なのに皆、驚いていた。
最初はデイブ氏、キャル氏、エズラ氏、ジェームス氏のノイズ・バンド。2年前はホンッと大音量でノイズとか大音量系の音楽を聴きなれた私ですら耳を塞いでた程だったが今回は有機的な流れと言うか、ノイズと言うより現代音楽みたいだった。何時もは大暴れするデイブ氏だが今回は黙々とエレクトロニクスを操作していた。
奇声を発するのに喉が痛むのかビールを飲み捲くる。終いには客のビールを勝手に飲む。
其処でデイブ氏がビールを差し入れると、何と言うか
『哺乳瓶を一気飲みする赤子』
みたいな感じで一気飲み。その様子がキュートだった。途中でFrozenPanty氏が
「疲れたワケじゃねぇからな!」
と叫んだのだが、其処にジョン・ライドンの生霊を見た。多分、ラモーンズもジョン・ライドンもノイバウンテンも過激だったけども本質的に「憎めない」「可愛い」って処が大きかったと思うんだけども、FrozenPanty氏は同じ感じがする。
最後は客にマイクを渡してハウリングの中で終了。で、そのマイクを奪い合って叫んだのが私とデイブ氏である。
次は謎の『Disk-3』。
キリストの墓がある青森県からやってきた可憐な美少女と、無口な痩せた男性とのディオ・ノイズ。
(当日の写真がなかった為、別の時の演奏の写真)
しかし、Disk-3の後が私だったので緊張していてキチンと聴けなかった処も。何しろ上記のようにラジカセは壊れているし、30分だし、しかも
終電
の時間もある。私の場合、11時30分に電車に乗れば間に合うのだがギリギリ、と言う感じで、尚且つ翌日は仕事。
で、鶴山さんが来ていたので演奏前に少し話す。鶴さんと話すのは久し振り。
「飛び入りしても良い?」
と言う。
「勿論!」
と返答。何しろ鶴さんのイベントに何時も飛び入りさせて貰っていたのだからNOとは言えるワケもないし、其れに鶴さんも私も非常にアクの強い人物だが、お互い、気がついていると思うのだが本質的な部分で似ている処がある気がする。
そう言えば『KO.DO.NA』で舞踏の人とやるのは初めてだ。
セッティングを終えて、演奏開始。
その前にデイブ氏の司会。其れとフェイスブックで『Pay Nat』と言う人物の放射能測定に関しての演説(と言うか説明)。
Pay Nat氏とは中村リョウさんのイベントで一緒に呑んだ事があるのだが来てくれたので驚いた。
少し酔っ払って来たようでもあった。
只、彼がフェイスブック等で流す放射能関係の情報は可也、信憑性がある。単なる反原発とは雲泥の差である。
個人的に今回のライブは『テスト』だった。
来年1月にNYに行くけども、ライブ会場がどう言うモノなのか全く判らない。演奏時間もどの程度なのか判らないし、ッパッパ!とやって、其れがどの位、人に通じるのか?って言うか。だからラジカセが壊れてもOKと云うか。
エフェクターはデイブ氏に借りた(同じものを持っていた)が無しでやってみても良かったな。
で、3曲を演奏。
最後の3曲目で鶴さんが参加。俯いて演奏するので、どう言う踊りをしているのかは、よく確認出来なかった。
演奏中に思いついて、3曲目が終わってから鶴さんを抱きしめる、と言うアクションをしてみた。好評だった。
鶴さんは元々、大駱駝鑑。私は唐組。
多分、だけども『美学』とか『美意識』と言う部分で共通する処があるのかもね、と思った。其れは言葉には出来ない部分なんだけども、何となくそう思った。
お互い、口は非常に悪いのだが自身の『美学』『美意識』と世間は常に違うワケで、それに対して常に憤りを感じてしまう、と言うか。
だが、本質的には仁義と愛情に溢れる・・・溢れすぎる部分も大きいのだが・・・体質、と云うか。
要するに不器用過ぎるんだけども、仕方がない。
KO.DO.NAに関しては好評だった。自分でも驚くほど好評だった。
「何とかNYでもいけるかな」
と思った。
翌日は仕事には行けたが、今日はサボった。
会社をサボったので洗濯。何時もKO.DO.NAで演奏するときには白いオックスフォードシャツを着るのだが見てみると襟と袖が汚れている。
友人が「洗濯用石鹸で洗うと良い」と言うのでお湯と洗濯板でゴシゴシと洗うと確かに染みや汚れは落ちた。
この友人だが10個言ったら9.8個は「嘘付けー!」と言う出鱈目さなのだが、洗濯用石鹸に関しては確かだったので「たまにはマトモな事を言うな」と思った。
で、真っ二つに折られたパイプはゴミ箱に捨て、中古屋へパイプを買いに行った。シャコムのパイプ。ギャラで購入した。
帰宅は終電は間に合わなかったので久し振りにタクシーで帰った。
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