2013年6月20日木曜日

ロックンロール男根主義

今日は小倉北区の繁華街に出ようと思った。




エフェクターの電源部分が怪しい。それをKORGのカスタマーセンターに問合せると「ACアダプターの故障の可能性が高い。ACアダプターを交換すれば直る可能性大」と言う。
実際、別のACアダプターでは動くのだからそうかもしれない。

大体、この家は呪われているとしか思えない。

帰郷の際に

『電池で動くアンプ』

『ループマシン』

『マルチエフェクター』

『ミキサー』

を持ち帰ったのだがアンプは行き成り音が出なくなる。エフェクターも同様。しかもデジタルカメラも壊れていた。液晶部分がパックリと割れている。

以前、書いた『実家に帰ると幽霊から話しかけられる』は既に実施済み。

YOUTUBEで動画を観ていたら女性が何やら話している。ヘッドフォンの音ではなくて、何と言うかヘッドフォンを『していない状態』のように聴こえる。
で、ヘッドフォンを外すと聴こえない。
妙な声だった。

壊れたデジカメを見て「連中だったりして・・・」と思った。



しかし、エフェクターがないと私は音楽活動が不可能になる。特にループマシンは当時の私としては大金で購入した(発売されたばかりだった。今では捨て値で売られているが)、之がないと出来ない曲も多い。



で、自転車で25分かけて小さな駅に行き繁華街へ。片道で1時間掛るのが田舎時間。



博多区に『キャナルシティ』と言う綜合ショッピングセンター(劇団四季の劇場もある)があるのだが、その北九州市版って事で


『リヴァーウォーク』

と言うのがある。店に行くのは初めてだ。この意味不明な建物の中に『島村楽器』がある。KORG側は「島村楽器であれば当社の純正アダプターが置いています」と言っていたので、其処を目指す。

其処へ個人経営と思われる楽器屋がある。

『島村楽器』は巨大資本だが、個人経営の店と言うのも味があるのかもしれないなぁ、と思い行ってみる。以前も見かけたのだが練習スタジオなどもやっているらしい。

(グルーブミュージック)



店に入り、事情を説明する。

①エフェクターの電源が入らない

②他のACアダプターだと電源が入る

③出来れば純正が欲しい

④純正以外であればハムノイズが出ないか確認したい

「じゃあ、見せて」

と言うので純正と言うか実家にあった謎のACアダプターで動く事を説明。

「ふぁー。これで良いじゃないっすか。これで動いとるよ」

「いや、だから之は純正でも何でもないんですよ。それにプラグの大きさが余りまくっている」

「やけ、これで動きよるって」

「あの、だからライブで使う際に、こんだけプラグの大きさが余っていたら何かの拍子で電源が切れたら困るんですよ。」

「でも、これで動きよるよ」

「だからですね?!」


と言う押し問答。此処で内心、「しまった」と思った。


このテの個人経営の店にとっての『エフェクター』って『コンパクト・エフェクター』を指し、尚且つ
『ファズ』
『ディストーション』
『オーバードライブ』
『ブースター』
しか知らない。

『デジタル』と『アナログ』の違いも分からないし、クラシック~雅楽以外の音楽と言うのは

『エレキ・ギターとエレキ・ベース』

で行うものである、と言う固定観念があり、その無茶苦茶な観念を押し付けてくる。

思えば西荻窪にもギターのセレクト・ショップみたいな店がありヤフオクで1000円程度で売られている上に、ガリが出まくるボロいエフェクターを「じゃあ、1万円」と言って来た事があった。

「あの、ガリも出てるし、埃も酷い。普通は5000円以下でしょ?」

「だって、動いてるし問題ないでしょ?音も出てるし」

ウンザリな店だった。こう言う人にとって『音質』とか2の次、3の次なんだろう。



漸く店からローランドのACアダプターを出してもらう。ちゃんと動く。2個試したが問題はない。あとは『ハムノイズ』である。

ローランドのACアダプターで他のエフェクターは動くが、例えばローランドのエフェクターにZOOMのACアダプターを突っ込むとハムノイズが酷い。

其れが懸念される。

それにループマシンと言っても『VOX製』で『デジタル』である。
デジタル・エフェクターは意外と繊細である。


「じゃあ、ハムノイズが出ないかどうか試させて貰えませんか?ちょっとケーブルとか持参してないので貸してもらえますか?」

「ちゃんと電気も入りよるし、動いとるやないね」

「いや、ですから純正アダプターを使ってないわけですよね?これはKORGが出しているエフェクターなんですよ。ローランド製じゃないんですよ」

「やけども、ちゃんと動いたやないね」

「動いたのは良いんですよ。あとはハムノイズですよ」

「そんなん出んって」

「それは分からないでしょ?試してないんですから」

「大丈夫って。問題があったら、もう一回、来ぃ」

「あのですね。私は普段は東京で活動しているんですよ。再度、来いと言われても機材の殆どは都内にあるんです。だから実家に帰っても、このエフェクターがキチンと動くかどうかは東京に帰らないと分からないんですよ。だから、此処で試したい、と言っているんですよ。」

「やったら、ケーブルとか楽器とか色々と用意せないけんけんねぇ。それやったら(以下、意味不明な説教のようなものが始まる)」

「はぁ・・・。じゃあ、試せないワケですね?じゃあ、試せないんだったら良いですよ」


と店を後にした。ホンッとムカついたなぁ。


「ふざけるな!糞ったれ!」


と言いたかったが、こう言うオッサンに『ROCK』以外の英単語が通じるとは到底、思えない。こう言う店舗が経営を維持できる北九州市と言う街の人達は、どうやって音楽をやっているんだろうか?。
不思議でならない。

やはり店主が薦めるママにレッド・ツェッペリンのコピーを目指して最初は『ルナ・シー』とか『黒夢』とか『シャランQ』やっているんだろうか。当然、ギターで。



と言うか、店主にとって『エフェクター』と言うのは可也、地位が低いモノなんだろう。



20年位前だが、その頃のロック系~楽器店~スタジオの言い分としては

『エフェクターは下手な奴が使うもの』

と言う固定観念があった。だからリバーブにしろディレイにしろ『ご法度』に近かった。16年前にレコーディング技術を学んでいた時期があるのだが、そのスタジオ・オーナーも


「録音の際、ギターをアンプから音を出す奴は下手な奴。ライン録音こそが至上」


と毎日の如く言っていた。だが、アンプを除外した録音って、それじゃマーシャルにしろオレンジにしろ、ジャズコーラスにしろツイン・リバーブしろ『そのアンプでしか出ない音』って言う選択肢をいきなり


『全否定』


である。何と言うか『寿司』で言えば

『ネタで勝負しているうちは下手な奴。酢飯だけ握ってこそ本物』

とか言っているようなもんじゃないか。または『カレー』で言えば

『カレーのルーを掛けて食う奴は駄目な奴。本物は『米だけ』で食う』

とかじゃないか。または『レコード』で言えば

『レコード・プレイヤーで音を聴いている奴は駄目な奴。本物はレコードの『溝』だけを眺めるのが本物の通!』

とかじゃないか。または『セックス』で言えば

『挿入したり、されたりして快楽を味わっている奴は駄目な奴!本物は『処女・童貞』!」

とかじゃないか。または『料理全般』で言えば

『食品を切ったり、加工したり、火を通す奴は駄目な奴!本物は『そのまま食う』!」

とか。


思えば、こう言う『ROCK男性上位主義』と言うか、そう言う言論が罷り通っていたし、今でも言う奴はいる。

こう言う連中に囲まれながら音楽を始めてしまった私はどれだけ苦労したか。


皆、死ねばエエねん!!!



大体、アコースティック楽器にしろ、エレクトリック弦楽器(主にギターとベース)にしろ、エフェクター無しでの操作は殆ど『遣り尽されて』いる気がする。ギターならばイエペスだとか戦前ブルースが極めてしまっているし、エレキギターにしても『極論』みたいな人が、大昔に履いて腐る程いる。

何だかなぁ。


「トランペットは根性と気合と『モテたい』と言う願望で吹くものである」
「モテたい、と言う願望の為ならば何をやっても良い楽器がトランペットである!」

とか言っちゃう私なんだが(言ってないけど)、ポピュラー音楽にしろ、オルタネイティブ音楽にしろ、


『男根主義』


みたいなのは未だに根強い。だからこそ『ガールズ・バンド』と言う単語があるんだろうが、逆に『ボーイズ・バンド』はない。

じゃあ、ROCK黎明期の頃に『男性』しかいなかったのか?と言えば、そんなワケぁなくて

『Wanda Jackson』

ってのが50年代初頭にはいたりする。黒幕としてプレスリーがいるのだが、同時期には既にいるのである。



中々の迫力。

その後もジャニス・ジョップリンとかいたし、ジャズにはもっと前からいた。
因みにジャニスが所属していた『ビック・ブラザーホールディングカンパニー』は当時、西海岸では最も実験色が強く、尚且つ大音量のバンドだった。


この


『ROCK男根主義』


はどう言う経緯から生まれたんだろうか?『BOOY』なんだろうか?それとも『村八分』とか『外道』からなんだろうか?

以前、ジェフェーソン・エアプレインのボーカルが言っていたが「バンドで売れ始めた頃に『女がロックなんてやってじゃないよ』とよく言われた」と言っていた。

60年代末の西海岸ですら、そうだったのか・・・と思うが。



あらゆる『音楽』と言うのは簡単に言えば『音を操作する』と言う事でしかない。デビット・チューダーやデレク・ベイリーは『制御』と言う感じでスタンスは全く違うが、基本的には

『操作』

の部類に入る。作曲は『設計図』である。だから、その『音』が自然音でもギターでも何でも良いのである。実際、『鈴木昭男』や『多田正美』は自然音の操作を行っている。
ドイツの『クリスティーナ・クービナッス』も女性。



「男性がステージでロックを演奏し、女の子がキャーキャーと言う」


と言う『未来予想図』があるんだろうか。そうなると『グループ・サウンズ』が浮かぶ。思えば70年代の国内のフォークやロックフェスの映像を見ても男性バンドしかいない。
無駄に男臭い。アホ臭い。





音楽は『操作』であり『制御』である。

だったら、宮大工の仕事を見て女の子がキャーキャー言ってもおかしくないし、私は下手なロック・バンドを観るよりは宮大工の仕事を観ている方が『萌え』る。



ムカムカしながら『リヴァーウォーク』の『島村楽器』へ行った。リバーウォークは総合ショッピング店らしい。だが、閑散としている。

島村楽器は100円均一の店の横にあった。

で、作動する事と楽器で試奏し、問題がない事を確認して「ふぅ」と思って帰路へ。


途中でパイプの葉を買い、久し振りにJRで買える。


食事を作って、食べたら姉が帰ってきた。寝る前の『歌の練習』のようなモノをやっている。姉の歌は(私には)気味が悪い。

私は自転車で公園に行き基礎練習。


音楽が帰ってくる時の為に何時でも迎えられるように。

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