2013年8月13日火曜日

カミナリ蓄音機

昨日は激しいスコールと雷。
停電が長く続くので、部屋で蓄音機を聴いていた。



               
                (アリラン:服部レイモンド楽団)




                
        (ジャパニーズ・ルンバ服部レイモンド楽団)


 上記の2曲はガラクタ屋で購入。300円だった。値段が値段だから文句は言えないが針飛びがするが一応、聴ける。戦後、アメリカで『エキゾチック・ブーム』が起きる。だから、ロカビリーとエキゾチック、ルンバ、って感じか。
 多分、戦争が終わって『謎の東洋』と言うか、そう言う意味不明な神秘性とエキゾ感があったんだと思う。
因みに1950年代にはインドの『ラヴィ・シャンカール』の一族楽団が始めて西洋(アメリカ)での公演を成功させている。ウディ・シャンカール(兄)がシタール。ラヴィ・シャンカールはタンブーラを担当し、公演の成功のついでにSP盤も出ている。流石に現物は米国にも殆どないんじゃないか?と思うのだが復刻版がLPでは出ている。小泉文夫がプロデュースだったと思うが、今は手元に無い。確か5年か6年前に借金のカタとして友人にあげてしまった。
 因みに服部レイモンドは戦前~戦中から南国モノを得意としていたようだが、資料が少ない。何故か戦前~戦中の日本では『南国モノ』と言うか『エキゾチック系』が流行っている。戦後もルンバとか歌詞は架空の『南国』である。『南国土佐を後にして』とかあったりするのだが、内容的には『高知県南国市』を題材にしている感じでもない(ペギー葉山は高知県出身だが)。
戦前~戦中の人々にとっての『南国』『異国』と言うのは、どういう感じだったんだろう。興味が尽きない。

                       

               
 謎のコロンビア・ジヤズ・オーケストラ。A面は『走れ幌馬車』で、B面はタンゴである。ジャズのスタンダード曲で『走れ幌馬車』なんて曲はないし、実際、聴いた事が無い曲だった。B面は服部良一と言うより古賀政男的なワルツである。
 SP盤を漁っていると『ワルツ』『タンゴ』『ポルカ』『カンツォーネ』『ジャズ』『ブルース』がゴチャゴチャになっている。
当時としては「踊れる曲」か「踊れない曲」か、の2択だったんだろうか。だが、ジャズ楽団がタンゴをやる事は当時としては珍しい事ではなく、デューク・エリントン楽団もやっていたし、ディーク・エリントンは2~3枚持っているが、マーチだったりブルースだったり、後のハード・バップに繋がるようなサウンドだったり。
 個人的には、上記の盤は気に入っている。何だか良いではないか。エキゾな感じもして。



               




              

パブロ・カザルスのベートーベン。何故なのか判らないがクラシックを漁っていると『ベートーベン』に遭遇する確立が高い。私が唯一、持っている『カザルス・トリオ』もベートーベンだし。
SP全盛期の頃はモーツァルトや、様々な曲が好まれたらしいのだが何故かベートーベン遭遇率が高い。私だけなのか?

戦前。

EMIレコードやコロンビアは日本からのオファーや注文に驚いていたらしい。「東洋の小さな島国が、我々と同じレベルの音楽を聴いているってのか?!」と。当時、英国⇔日本は今よりも遥かに遠い。主に『船』と言った按配で。

 因みにカザルスは日本でも人気だったが、本人は生前、日本に来た事は無い。弟子は日本でレコーディングしているが。
カザルスの弟子って、何故かカザルスっぽい演奏を徹底して避ける。確かにこう言う奏法は本人以外は出来ない気もする。

しかし、カザルスについて調べてみるとスゲェな、と思うのは当時、世界で唯一、『チェロ一本だけで食えていたミュージシャン』ってカザルスだけだったらしい。ところがカザルスはスペイン内乱以降は引き篭もり。自宅でパイプを蒸かす日々だったんだとか。

私もパイプ愛好家だが、パイプを咥えたまま、よくあんな凄まじい演奏が出来たよなぁと思う。

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