2014年1月12日日曜日

西の大陸に向かって

どう言うワケだか、今回も飛行機の中で書いている。





魂の故郷である高知県長岡郡を後にして東京へ戻る。



高知県の山岳地帯での生活は幸せ祖の物で、本当にリラックスした時間が過ごせた。東京都と言う『有』の街から『無』と言うか情報量が限りなく0に近い街での生活は本当にリラックスできる。

で、山を降りて日本最大の高齢地区で限界集落から行き成り六本木でライブを見る。で、その翌日には大急ぎで


『市民よりも死体の方が多い』

『命の値段は300円』

『ポリオ・ワクチンが全然、足りない』

『臓器販売に関しては中国と並ぶ世界2TOP』

『歩けば撃たれ』

『部屋でジッとしても撃たれ』

『走れば手榴弾に当たって爆発』

『日本一、危険な街』



である北九州市に行く事に。この街の危険さは元原住民である私ですら愕然とする程で、311の際、警察官が被災地を中心に派遣されたが、その中に何故か『北九州市』が入っていた。しかも


「福島県か北九州市か、どちらか選べ」


と言う


「ウンコ味のカレーか、カレー味のウンコか」


に近いニュアンスである。つまり


『原発と同じ位、危険な街』


と言う凄まじさ。丁度、震災前後に北九州市はヤクザ抗争が激化しておりロケットランチャーや手榴弾が投げ込まれたりしていた。

「直ちに影響はないor直ぐに影響がある」
の違いなんだろうか。




派遣された警察官曰く

「被災地(福島県)も北九州市も非常に危険な状態である事に変わりはありませんから」

と言っていたらしい。そんな街が故郷である私の気持ちが判るか?多分、理解出来る可能性があるのは

『福島県双葉町の住民』

位なもんだ。

しかし、何でこんな生命の危機すらある街に来たか?って言えば

『妹の結婚式』

である。KO.DO.NA家としての私は長男だが滅多に帰郷しないので非常に影が薄い。父親の葬式の際なんて参列者が

「妹さん、頑張ってね!お姉ちゃん、頑張ってね!・・・息子・・さん?」
「一応・・・そうらしいです」
「はぁ・・・。頑張ってね・・・」

後で母に参列者が

「みよ子さん(母)、長男さんがいたんですね・・・!」

と言われた程。だから妹の結婚式も別に出なくても全く良いのだが、問題は


『ヴァージン・ロード』


である。話によると新婦を引率しなくてはならないらしい。本来は父親がやる役割らしいのだが親父は『父親らしい事』を一切、行わずに死んだので、私が変わりにやらなくちゃならんらしい。

だが、解せないのは『ヴァージン・ロード』である。

妹はDQNだし、三十路過ぎなので当然、『処女』ではない。三十路過ぎの処女なんて『核廃棄物』と同じくらい扱いに困るが。


しかし、『ヴァージン・ロード』→直訳すれば


『処女街道』
『生娘道』


である。生娘でも処女でもなく寧ろ男癖は父親の血が濃いのか非常に悪い妹である。『ヴァージン・ロード』と言うより


『ビッチ・ロード』


となるはずなのだが。


それを友人に話すと「女性にとって結婚は『全てをチャラ』にする事だから」と言う。


なんて不条理と言うか理不尽なんだろうか・・・と思ってしまうのは男性だからだろうか。私も転職回数とか、数々の禄でもない女性達との関係だとか、アングラ演劇~暗黒舞踏畑~フリージャズ畑出身とか、金融ブラックとか、低学歴とか、低収入とか、そう言う嫌な過去を全て消したいもんだが男性側はそうも行かないらしい。


しかし、結婚式と披露宴(疲労炎)。





気が重たい。




幼い頃、祖母に連れられて良く親戚や親族の結婚式に参加させられたのだが嫌な思い出しか残っていない。


①得たいの知れない料理

②冷えた鯛

③得体の知れない儀式

④「●●さん、綺麗!」とか言うらしいが厚化粧のし過ぎで既に別人にしか見えない。

⑤似合わない花嫁衣裳

⑥どうでも良いスピーチ

⑦「私達も以前から●●さんは素敵だし、カッコいい!って事で狙っていたんですけども、今日、花嫁さんを見たら『あたし達の負け』だなぁ~と思って少し悔しいです!でも、幸せになってくださいね!」とテントウムシのサンバを歌う奴等。

⑧「私達も以前から●●さんは素敵だし、カッコいい!って事で狙っていたんですけども、今日、花婿さんを見たら『俺達の負け』だなぁ~と思って少し悔しいです!でも、幸せになってくださいね!」とテントウムシのサンバを歌う奴等。

⑨変な音楽

⑩不味いジュース(子供だったのでジュースだったが不味かった)

⑪帰宅して『引出物』を開けると『新郎新婦の写真がプリントされた湯飲みセットと大皿など。

⑫そもそも花嫁衣裳は日本人女性には似合わない。

⑬「キスしろー」と言う野次。で、ディープキスではなく軽いキス、と言う、どうでも良さ。

⑭知らない人ばかりで幼い私は結構、不安



と嫌な思い出ばかりだった。兎に角、『引出物』は酷かった。新郎新婦の写真がプリントされた湯飲みなんて誰が使うんだよ!

あと、印象的だったのは私よりも10歳近く年上の従姉がいた。年齢も近いといえば近いし、遠いといえば遠く、良い塩梅の距離感だったので私と妹、姉は懐いていた。
その女性が16歳の頃、私は小学校5年生だったと思うが、一緒に風呂に入った時に

「げげ!オカンと同じ身体の構造やんけ!」

と愕然とした覚えがある。母親のようなマヌケな身体の女性は母親だけだと思っていたのだが、「女性と言う生き物は皆、多かれ少なかれ似たような身体の構造」と言う事を知った10~11歳の夜。

「入れてみたら意外と違う」と言うのを知るのは其れから10年も待たなくてはならないのである。


とは言え、大好きな従姉だった。遊んでもらっていたし。
その従姉が結婚する、っつーので結婚式にまたしても参列。

①不味いジュース

②不味い飯

③クソなスピーチ

④クソっぽい連中

⑤知らない人ばかり

⑥嫌がらせ、としか思えない『引出物』


で、可也、ショックだったのは『憧れのお姉さん』だったので「新郎ってどんな人なのかしら?」と若干の期待があった。で、当日に見てみると、まだ二十代だと言うのに


●見事な若ハゲ
●死ぬほどダサいメガネ
●子供心としても「芋臭ぇ」と思わせる雰囲気
●元いじめられっ子、と言うニュアンス
●ブサイク


結構、ショックだった。「憧れのお姉さんが、あんなブサイクと結婚するなんて」と思ったもんだ。終わるまで「あの人は、従姉の友人か恩人か何かだろう。まさか、あんな糞芋みたいな人と結婚する人は世界広しと言えどもいやしない」と思っていた程である。

因みに、その『糞夫婦』は、真面目に結婚生活を送っていた。

だが、ある日、従姉が『新聞の勧誘員』と恋に落ち、駆け落ち→連れ戻される→駆け落ち→連れ戻される→駆け落ち→連れ戻される・・・を繰り返していた。駆け落ちてんだから連れ戻しても意味ねぇだろ、と思うのだが親族は

「あの人(夫)は貴女がいないと駄目なのよ・・・」

と言う意味不明なロジックで説得しているらしい。しかし嫁の一人や二人で「駄目なのよ」と言われてしまう男性は『エホバの証人』的に一夫多妻制でも駄目だと思う。

そう言う人は『虱』『南京虫』『回虫』でも飼ってりゃ良いのである。


既に高校生だった私は

「そりゃ若ハゲで、糞みてぇなルックスの奴よりも博打的に生きている奴の方が魅力的に見えるのは仕方がねぇやね。新聞の勧誘員ってのが悲しい処だがアウトローな感じが良かったんだろね。どうせ、あの男のことだ。セックスも下手なんだるし」

と言ったら母親に怒られた。


しかし、行きたくない。本音を言うと非常に嫌である。妹の結婚に関しては祝福しているし、『結婚式』で『ヴァージン・ロード』を引率しなきゃならない、ってのも問題はない。問題は

『実家』

である。実家~故郷に帰る、と言うのは私にとって『ソマリア』『アフガン』に『竹やり一本』だけ持たされて出兵させられるような気分になる。『竹やり』と言うか『棒っきれ』と言う気もする。

兎に角、嫌なのである。



昨年は正直に言えばKO.DO.NAとしての活動で燃え尽きる事が出来た年だった。其れは其れで最高なんだけども。
でも、同時に病もあり「一旦、リセットなんだろう」と思い郷里へ帰郷。

処が意外と郷里は『疲れる』のである。もう、いるだけで疲れる。グッタリだった。燃え尽きて、次に燃え尽きる、と言うか。


どうして親と言う生き物は子孫を疲れさせる事以外、しないのだろうか。不思議でならない。

こう書いている間にも飛行機は九州に向かって飛び続ける。昨年から一体、何回、飛行機に乗っているんだ。以前は一々、感動していたのに今では「嗚呼、面倒」としか思っていない。


空港に到着したらシャトルバスで小倉駅まで行き、その後はタクシーで帰る予定である。だが、不安なのは


『生きて育家に辿り付けるか?』


だ。何しろgoogleニュースで『北九州市』と叩くと

『銃撃』
『警察官が同行』
『厳重警戒』
『車両炎上』

と物騒な単語が並ぶのである。そもそもヤクザって『警官殺し』『手榴弾』は絶対にやらない、と言うかご法度なのである。警官殺しに関しては『刑期が長くなる』と言う理由なのだが、手榴弾に関しては『カタギにも被害が及ぶ』と言う理由である。

だが、北九州ヤクザは『豆まき』の際の豆の如く手榴弾を投げ合う。警官も平気で殺す。

殺人鬼とヤクザとカタギの区別が殆んどない。


結婚式のスケジュールややり方を知らないので母親に聞くと

「ヴァージンロードを歩くんよ!お父さんがヤル奴よ!」
「親父はやってないじゃん」
「そりゃそうよ!お父さんはやらずに死んだけん」

と意味不明な事を言う。

確かウィキペディアで調べてみると新婦を引き渡す際は

『その際、北九州特有の動き(ダンス)が入る事が多い。非常に複雑な振り付けであり、地元住民でなければ踊る事は不可能とされている。通常、その踊りを行う際は式の半年前から激しいレッスンが行われるのが慣例である』

『このダンスを間違えてしまうと水子が生まれる、との言い伝えから非常に厳格な振り付けとなっている』

『主に楽師40人と象88頭、バックダンサー40名で行われるのが常である。家柄や双方の希望により規模が大きくなる事もある』

確か、象に関しては妹が『101匹ワンちゃん』が好きだったので101匹の予定である。実家では流石に面倒みきれず5頭は私の東京の自宅。10頭は祖母の家、4頭を妹と夫で飼育している。なので飛行機は『預け入れ荷物』は20キロなのだが象5頭なので20kgを遥かにオーバーしており、超過料金を700万円も取られた。


嗚呼、之が音楽とか、そう言うので飛行機に乗るのであればワクワクと不安でモヤモヤなんだが、今は絶望だけ。


本来は結婚式当日に帰る予定だったが流石に当日は不味い、と言うので13日の午後一発目に東京に戻る予定。で、急いで機材のセッティングをして8年ぶりにペンギンハウスで演奏予定。

知人の追悼ライブである。

個人的に『追悼ライブ』って好きじゃないんだけども『赤の他人』ではないし。何と言うか上手く言葉に出来ないのだがインプロヴィゼーション、オルタネイティブ、アウトサイドなパフォーマンス(音楽にしろ、何にせよ)を続ける事は非常に困難が伴う。結婚、恋、仕事、経済、その他をクリアしながら『音楽』と言うのは大変だし、其れが『一般的ではない』モノであれば更にハードルは高くなる。

『一般的ではないアート』に対してのハードルは日々、高くなっている気がする。

日本は職人は歓迎するが、アーティストは歓迎されるどころか軽蔑される。之は江戸時代から同じだ。その仲間が消えてしまう、と言うのは矢張り、悲しい。

と書いた処で客室乗務員が「電源を切ってくれ」と言うので終わり。さてさて、どう言う結婚式なんだろう・・・。憂鬱だ。


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と書いて新北九州空港に到着。

母親が「11時に迎えに行く」とメールしてきたが親と一緒にいる時間は1秒でも短い方が良い。なので「バスで帰るよ」と伝えて只今、バスの中。

空港を降りると空港前は警察がいない為かDQNが改造バイクで走り回っている。『北九州空港』は苅田市と言う『北九州市』『ではない市』に作られているのだが、元々は本当に市内にあった。驚くほど小さな空港で一日4便(大阪と東京)。JALしか運行しておらず、歩いて飛行機に乗る。だが、そのチープさが何となく好きだったのだが無駄に地方都市っぽい空港になってしまい悲しい。

あ、今、ガソリンスタンドの前を通ったら80年代的暴走族な車とバイクである。

トホホ、と言う気がする。

苅田市は元々、トヨタ工場などがある『工場街』である。高校時代に友人宅に行くと街中に工場のパイプが張り巡らされており唖然とした。
まるでSF漫画のような光景だった。

だが、工場のお陰で市の財政は潤っており母親曰く「ゴミの日に分別しなくても良い位、儲かっている」らしい。

だが、ゴミの分別をしようと、するまいと街中が工場のパイプであり、将来もパイプの中(この辺の子達の就職先は工場以外ない)である。そりゃグレるよな、と思う。DQNにでもならなきゃやってられない、と言うか。

そんな私はDQNにすらなれなかったのでクラブに通いDJなんぞをする事になってしまうのだが、思い出したくもない時期である。

地理的に苅田市と北九州市の間に『新北九州空港』がある。その為に道路まである(橋)。


しかし昨年は1月にNY、5月にソウル、と旅で始まったのだが、今年は高知県山岳地帯→東京→郷里→東京と忙しい。


食事はないので小倉駅前で何か食べよう。ってか駅前に深夜でも開いている店があるんだろうか。屋台があれば行くのだが不安である。



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