2017年5月4日木曜日

オールボー、Aalborg、Ålborg

昨日はようやくLiveだった。

場所はオールボーと言う田舎町。TOMMY曰く

「日本の福岡県みたいなところだ」

と言う。




経度は日本で言えば北方領土くらい。

コペンハーゲンから飛行機で1時間程度なんだが、新幹線みたいな列車電車も5時間の場所である。

朝7時半のTOMMYのスタジオに集合

コペンハーゲン駅

コペンハーゲン空港

オールボー空港

会場へ

と言うスケジュールだったので朝6時起き。

体調も戻ったのだが、下痢は続くので(水が合わなかった。デンマークはヨーロッパで最も硬い水らしく、それで下痢だった)下痢止めを呑んで、軽くヨガをやってTOMMYのstudioへ。


前日に入念にリハーサルを重ねたのだが、その際に荷物の梱包もやっている。
私、TOMMY、アンダーソン、サワダさん、で旅行用カバンが6個。

一人で二つを運ぶ計算である。



もう、いきなり非力な私には拷問のような始まり方である。

何しろ私のエフェクター類だけで18kgある。

死にそうな思いをしながらコペンハーゲン空港へ。



コペンハーゲン空港は矢張り分かり難い。前回、迷子になったを思い出した。


あ、そう言えばTOMMYのstudioに到着したら朝から日本酒を呑まされた。殺す気かよ、、、。

空港で一服、ってワケでまたビール。

それで搭乗したのでオールボー空港に到着したらTOMMY曰く私の顔は

「リンゴとかトマト」

のような絵色合いになってしまった。

オールボー空港に到着して、また四人でゴロゴロと膨大な荷物を運ぶ。




オールボー市内を歩くのだがコペンハーゲンと違って、車が多い。

自動車の普及率は、その土地の田舎率に比例する、、、、と言う気がする。

都市部は公共機関が多いので車は不要だが(駐車場も高いし)、オールボーは駅が

「オールボー駅」

だけ!なんである。しかも、田舎なので車になるんだろうなぁ。
都市部は公共機関が発達しているが(コペンハーゲンは地下鉄や電車が多いし、バスも多い)地方はそうじゃないし。



ってか、そんな場所でノイズとか大丈夫なのかよ?と思うのだが。
ただ、街は田舎だが、有名な建築家を多く輩出しているんだとか。確かに建築物と言うか新しいビルはCOOLな感じ。
一番、有名な建築家はシドニー・オペラハウスを作った人。
其の人の出身地なんだとか。


ものすごく古いヨーロピアンな建物と、エッジが効いた建築物が同居している。



だが、何処か知っている風景だなぁと思うのだが、それは北九州とか福岡市なんだよな。

地方は何処も似ているのかも知れない。

















会場に到着して時間通りに動く。デンマーク人は時間にピッタリである。
恐らくバイキングの伝統なのかも。ノンビリとしていたのでは沈没してしまう。


アンダーソンとTOMMYのセッティングは時間通りに、、、はならなかった。
理由はPAマンが物凄い大遅刻をしてきた上に、マイクスタンド一本を取りに行くだけで1時間もかける。

TOMMYも大幅に時間が遅れているからイライラしているし、ってか焦っている。

だが、PAマンはノンビリしている。




TOMMYとアンダーソンのセッティングは何とか終わったが、私のセッティングが終わらない。

マイクスタンドがないからである。

「トランペットのマイクスタンドが必要だ。マイクスタンドは何処に?」

と聞くと取りに行った。

音響機材などの場所は徒歩で5分の場所なのに1時間以上、帰ってこない。


仕方ないので外でタバコを吸うと、ドアがオートロックで入れなく無くなった。

途方に暮れてイベント・スペースの人に聞くと、、、ってか私も朝6時起きで、既に疲れてていたので英語が酷い。

「入室用のカードがないと入れないよ」

「でも、私は今日のイベントの出演者なんだよ」

「知らないね。兎に角、カードがないと駄目だ」

と暖簾に腕押し。

オールボー市民は非情だ・・・ってか全然、違う部署なんだから当然だが。



ってかオールボーは田舎と言うより純粋デンマークなんだよな。つまり

「スッゲェ保守的」

と言うか。別にコペンハーゲンが先駆的ってワケじゃない。まぁ、北欧なんざ、そんなモンですよ。

どうしよう、、、と思っていたらアンダーソンが探してくれて中に入れた。

でも、マイクスタンドは届かない。仕方がないのでピックアップだけの曲をやって見る。

「もっと音をデカくしてくれ!」
「もっとフェーダーを上げろ!」

と言うのだが、途中でTOMMYが

「此処はコペンハーゲンとは違う。オールボーの人々にコペンハーゲンのような音は理解出来ないよ」

と言うので若干、控えめな音量に。

で、バードコールを使う曲をやる為に劇場にある19世紀の古いピアノを使おうと思った。
チューニングがズレており、酷い音質なのだが和音で、ペダルを使うと良い塩梅。だが、TOMMYが其れは止せ、と言う。

「オールボー市民はコペンハーゲンとは違う。オールボーの人達は今回のイベントで混乱すると思う。其れに輪をかけて、君が劇場から姿を消したりしたら混乱するだろう。今回はシンプルに。凝った事はせずに、、、」

と言う。


まぁ、結果的にフル・ボリュームでやったけど。


マイクスタンドを取りに行ったエンジニアは30分以上、戻ってこない。私も少しイライラしてくる。

「Where is the micrstand?!」

と言うとアンダーソンが

「Where is Mike Stern?」

と聴き間違えて笑い転げた。

「嗚呼!俺はリディアン・クロマッチク・コンセプトを知らない!マイク・スターン!とか言ったらマイク・スターンが降りてくるんだよなwww」

とか話す。





飯を食っていたら漸くマイクスタンドが到着したのでリハーサル。


予定ではリハーサルの後にレストランで食事だったのだがPAマンがグズの為、消えた。
空腹に悩む。


で、最初はサワダさんのスネア・ソロ。やっぱり上手い。よく歌う音だった。リズミックだから客は盛り上がった。

が。

TOMMYが来て時間短縮の為、プラン変更。元々はTOMMYとアンダーソンでデュオを12分。私が後半に入って合計18分演奏して、その後が私のソロだったが、其れがTOMMY、アンダーソンのデュオが消えてトリオで4分になった。

全体的に時間が遅れており、其れはPAマンの怠慢によるものなんだが、客足も悪くて、大幅にプランが変わった。

最初は客3人だった。激しい雨も降っていたし。

だが、最終的には30人以上が来たのかな。

で、演奏。


一曲を終える毎に凄い感性。凄い熱気を感じる。そう言えば客の一人が

「 日本のノイズが好きなんだよ」

とか言っていたが。

TOMMYが「今回はMCも含めて全て日本語でやってくれ。オールボーの人達は日本を知らないから良い刺激になると思う」

と言うので

「皆さんは、こんばんわ!私はコドナです。東京から来ました!アイ キャン ドント スピーク いんぐりっしゅ!」

とか言う。偽日本人と言う感じがする。

最後は

「まいど!コドナでございまいしたー!」

と挨拶。トニ谷かよ。


だが、驚くほど観客の反応が良い。緊張と不安、PAの怠慢によりモニタリングに問題があり音量は可也、激しかったのだが凄く興奮してくれている。

驚いた。


終わってから絶賛。

だが、私の持論で「白人は何でも褒める」から信用出来ない。

だが、熱気は本当だったんだと思うし、私が演奏中に感じた興奮も本当だったんだと思う。






渡航前にミニ・キーボードの動作確認をしたら壊れていた。

「あ、俺はもう2年も、あの曲をやってないのか」

と 思い出した。

もっと言えば、1年くらいは死ぬ覚悟の演奏をしていなかった。

ライブはやっていたけど1年前にBULLETSで手ごたえを感じたけど、自信がなかった。
あと、機材が壊れて放置していたり。

だから、ソロに限って言えば1年は演奏していなかった、と言える。やってたけど、本音を言えばルーティンに近かった。

其れから脱出する為にsessionしたり、頑張ってソロをやってたけど駄目で。

でも、昨日はアクシデントや体調不良で厳しい状態だった。

結果的に、新宿駅改札で軍刀を振り回しているような緊張感と最高の音になった。


行きは飛行機だったのだが帰りは何故か電車。片道5時間である。

演奏とイベントが成功して(TOMMYの期待に応える事が出来たのが嬉しかった)帰路は延々と呑んだ。

2~3時間寝たけど、起きてま呑んで、TOMMYのstudioで更に呑んで嘔吐。

燃え尽きた。

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