前日にヨンジュちゃんとヨン・イー君は私の演奏を偶然、見ていたらしい。翌日のイベントの打ちあわせあり、YOGIGAに来ていたのである。
其処で漸く「KO.DO.NAって言う変なミュージシャン」と言うか正体が分かった・・・みたいな。
「KO.DO.NA!GOOD SOUND!」
とヨンジュちゃんに言われて、ヨン君も私の機材を「なんじゃこりゃ?」と眺めていたが、どう言う感じに受け止められているんだろう。
考えてみれば『携帯楽器』であるトランペットを吹くのに機材が20キロって言うのは尋常ではない。
で、イベントの内容に関しては殆ど分かってない。何しろハングル語だし、どう言うイベントなんだかサッパリ分からない。とりあえず分かっているのは
『20時位に来て』
だけである。Yukieさん達は既に別の仕事があるので、昨日で離散。
昼過ぎ位に起きて煙草を吸い、前日のフランス人女性がコーヒーを淹れてくれた。
で、彼女はデカいリュックサックを背負って釜山に行くと言う。次回、ウルルハウスに戻ってくるのは8週間後・・・なんだとか。見送る。
で、彼女が淹れてくれたコーヒーが矢鱈と美味かったんだよな。凄く美味しいコーヒーだった。
「うーん。こりゃ、彼女は今日、出て行ったから良いが長く付き合うと惚れちゃうな」
と思った。TVドラマ『Xファイル』でも、男性捜査官モルダーと、懐疑的な女性捜査官スカリーの恋の始まりが矢張り『コーヒー』だったように。
んなぁ事を考え、屋上で練習し、ボンヤリしていたら18時過ぎ。駅前で何かを食べて(多分、パンとか)駅に向う途中で肌寒い事に気がついた。
仕方が無いので一旦、ウルルハウスに戻りジャケットを着て再度、望遠駅へ。
『望遠駅』
って酷い駅名だよな、と思う。「望みは遠い」ってか。マガァワンと発音するらしいのだが、元々は貧民地区だったらしい。それで、そう言う駅名になったんだろうか。
で、再度、YOGIGAへ。
行くと何故か皆、コスプレをしている。
(日本と同じで民族衣装は既にコスプレの領域である)
他にもゲストハウスの子達もチマチョゴリ着たりしている。既に民族衣装ってのは『コスプレ』に近いのかも。
で、イベントの趣向は全く分からないんだが『マッコリを呑み捲くる』と言うか。
と言うか実は、先ほど知ったのだが一応、大義名分はあり
『文化的活動の一環として韓国の民族的な遊戯や、音楽、現在を云々かんぬし、そして自家製マッコリを呑み雑談し云々かんぬん・・・・」
とか。
因みに当日は雨。寒い。
入り口についたら受付を昨日、会った子がチマチョゴリを来てやっている。こう言う時に男性が発言して良い言葉は2つだけ。
「WOW!Beautiful!」
「OH!SEXY!」
で、既にマッコリで出来上がっているハンジュ氏。
薦められるままにマッコリを呑む。
この『マッコリ』と言うお酒は非常にヤバい酒である。軽い味わいで、どことなくエレガント。ワインよりも呑みやすく、ワインと同じくらいエレガントである。
大昔の朝鮮王朝の貴婦人、と言った感じか。
そんなワケで呑みすぎる。何杯でもイケル。「あ、酔ったかも?」となっても止まらない。
あと韓国風お好み焼き。絶品だった。
で、ライブが始まる。
ヨンジン先生と、ヨンジュちゃん、ドラムは交代しながら。
https://www.youtube.com/watch?v=n5HD9g52Lc0
(三人のセッション)
このヨンジュちゃんだがサムルノリを学んでいる。で、ボイスをやるのだが不思議と追分民謡みたいな、日本っぽい。
とても不思議なサウンドだった。
で、私。
帰国する際の飛行機の中で気がついたのだが、その日は「ショートバージョンでね」だったんだが、スッカリ忘れていて、45分も演奏してしまった。最後は最大音量にまでして流石に風邪っぴきに私も自分が出している音圧に眩暈がしたが。
皆様、申し訳ありませんでした。
最初はラジオ・ノイズ。ってか既に空腹にアルコールなので酔っ払っている。演奏していたら別の人が鐘を鳴らしながら乱入。こう言う展開は始めt。
鳥の会議はいつもどおり。
ラストはエフェクトやPAをフルテンで演奏う。
個人的にはベストパフォーマンスだった気が・・・する。
次はサムルノリ・バンド。ハンジュ氏はゴングを担当。再度、ヨンジュちゃん、ヨンジン先生、ハンジュ氏(ドラム)、私(TP)でセッション。
あとは意外と覚えてない。
最後はハンジュ氏がギターを弾いていて、途中で辞めたので私がギターを持ってフルテンにしてハウリング・ノイズだけやっていた。弾けないからフリー即興なんだけど。
出来ない楽器を弄るのって楽しい。
で、夜になり撤収。荷物は明日のテジョンに向けてウルルハウスに持ち帰る事に。
で、YOGIGAの階段を登ると皆が階段室で待ちぼうけを食らっている。雨だし、タクシーはないし、荷物は重いからタクシーを呼んでるんだが中々、来ない、と言う。
夜も良い時間になったのでビルから追い出される。すると、ハンジュ氏と団塊世代くらいの爺さんが激怒し始めた。もう、怒りのあまり掴みかからん!と言う勢い。
其れを体格の良い男性が止めている。
ハンジュ氏も「なんだとぉー!」と折り畳み傘を地面に叩きつけて・・・
傍の人に「THIS IS コリアン・スタイル?」と聞くと「YES」と言う。
ハンジュ氏が流石に切れた処でタクシーが来たので乗って帰宅。帰宅するとタクシーのメータが8000ウォンと表示されている。
皆は激しく抗議するが運転手は
「だって、メーターには間違いなく表記されている。其れに二回も往復したんだから良いじゃないか」
確かにメーターを確認しなかったのは不味いんだろうけども、皆が若いから舐められた、ってのもあったのかも・・・とか。
言い争いは続くし、面倒だったので「ここは私が払うから良いよ」と言って8000wを払い帰宅。
若い子達5~6名は一室に閉じ篭り、反省会なのか静かに打ち上げなのか分からないが、そんなのをやっている。
他には1日だけ泊まる男性と、私だけ。
二人でお猪口でお酒を呑みながら音楽の話とかする。彼は音楽ビジネスに携わっていて、昔はギタリストとしてスタジオ・ミュージシャンとかやっていたが今はビジネスだけ。ちょっと、寂しいけどねね、との事。好きなバンドは『ガンズ&ローゼス』なんだとか。
静かにユックリと呑む。
其処へハンジュ氏が帰宅。「うがー!」と叫びながら、である。で、私をハグし、噛み付く。
で、若者部屋に行って「やっとるかー!」みたいな感じ。
で、5次会なのか6次会が始まる。乗っているマッコリをガンガンと呑む。
マッコリは日本の『カレー』なんだろうか。
「もう食えないけどカレーorオニギリなら食える」
みたいな。もう呑めないけどマッコリなら呑める、みたいな感じで呑んでしまう。
次から次へと人が来てワイワイとやる。夜食を作りに来てくれた人も荒っぽい人で、またハンジュ氏が「にゃろー!」となっていたが今度はヨンジュちゃんが「楽しかったイベントの後に喧嘩j止めてよねー!」と仲裁に入る。
私も酔っ払う。隣の人に「君。大丈夫?」と聞かれるが実は大丈夫なんである。
端っこにいるアメリカ人は「俺はセックスがしたい!」と叫んでるし、何だかイカ臭い10次会だった。
三々五々、皆、帰宅する。ハンジュ氏は飲み足りない・・・と言うか「まだ、騒ぎたいのだー!」と言う感じだが、既に立てない程、飲んでいるし眠たそう。
最後は私がハンジュ氏を抱えてベットに連れて行って寝かせた。
で、ハンジュ氏が老人と喧嘩している理由を後日、聞いて驚いた。
韓国って基本的に手酌はNGなのである。注がれる側は両手で器を持つ。で、酒を出される、ってのがデフォルト。デフォルトと言うか、最低限のマナーらしい。
だが、その日は手酌に近いものだった。
それに対して初老男性が「おい!酒の注ぎ方がなってねぇだろ!ぼけぇ!」となり暴動となったらしい。
激しい国だ。