2013年5月24日金曜日

韓国初日


渡韓中はゲストハウスに泊まっていた。






『地球の歩き方』とかって今では旅行ガイドブック化していて韓国と言えば『ロッテホテル』なのである。韓国経済は思えば不思議なモノで

サムスン
LG
ロッテ

と言った巨大財閥が仕切っている。観光に関してはロッテグループが支配している、と言っても過言じゃない。思えば仁川空港の免税店も『ロッテ』と書かれている。

Yukieさんに韓国の若年層雇用事情を聞くと驚いた。韓国は周知の通り、徴兵制度がある。

30歳までの間に2年だったか3年だったか軍に行く。ところが韓国人は勉強とか非常に頑張っちゃう民族なんだとか。

「大学に行くんだよ。進学率高いから。で、頑張っちゃうからさ。留学とかもするし大学院とかも行っちゃうワケ。で、軍隊だろ?そうするとさ、社会人というか新卒が30代とか20代後半になるんだよ・・・。これは不味いだろ?」

らしい。確かに新卒が30代、ってのはハードだ。


しかし軍隊上がりだからなのか、初日のライブに撮影に来ていた『KBC』と言う韓国の放送局のカメラマンは非常に良い身体をしている。男性の私で「おお!良い身体!」とウットリしたほど。


そう言えばボディビルのフライヤーも多かった。ボディビルも盛んなんだろうか。やはりYukie氏説の

「頑張っちゃう体質」

で「もっと腹筋を!」とか「もっと硬く、黒く、そして適度な焼き目の身体を!」とか。













成田空港と言う『この世の最果て』から飛行機の中で暫く眠り、空腹だったのだが機内食を食べてYukieさんが迎えに来てくれる。
アメリカンエアラインの搭乗員はマッチョな男性が多かったんだが(機内搭乗員ってハードな肉体労働だし)アシアナ空港は昔のJALみたいに綺麗な女性が多い。

言語は全く分からない。

行った事はあるが1996年。17年前。

17年前の事なんて忘れている。しかも修学旅行だ。確か友人と韓国の女子高生に

「あにょはせよ~、さんらへよー」

とナンパし捲くった事しか覚えてない。ソウル市内は陰鬱な雰囲気で、観光する場所とは到底、思えなかった。


だから渡韓前の韓国のイメージは寧ろこんな感じだった。











ところが行ってみると、空港は綺麗だし、街並みは綺麗だし、愕然とした。書かれている言語を除けば日本と変わらないのではないか?と思うほど。
むしろ韓国の方が急激に発展したので街並みは日本より綺麗な気がする。


女性も綺麗で、男性も綺麗。


そう言えば昔、坂本龍一だったか、村上龍だったか


「やはり民族的に発展しすぎた国は衰えるのかねぇ。例えば朝鮮の女性とか綺麗じゃない?そう言う発展を極めちゃった、って言う気はするね」


時代は80年代。まだ、そんな暢気な事が言えた時代なのである。



予定としては明日の『サラダブーム』と言う場所を案内してもらい、ゲストハウスである『ウルルハウス』に行って、そのまま寝よう、と思っていた。

何しろ、ここ数日間で睡眠時間は合計でも6時間だったからフラフラだし、風邪気味だし。

ウルルハウスに案内して貰っているとYukieさんが「おー!」と騒いでいる。日本の友人とバッタリと会ったらしい。

森さん、と言う。

奥さんが韓国の女性で、妻を追って韓国に来た初日、らしい。お互い韓国の事は全く知らない状態なので、仲良くなれた。

「じゃあ、食って呑もう!」

となり、3人で何処かの魚介類専門店に行く。


・・・・って言うか、その前にサラダブームに行き荷物を置く。重量35キロだったので死ぬかと思うほど重たかった。その後、ウルルハウスに行く。

行くと気だるそうな青年が「ふが?」と言う感じで案内してくれる。

Yukieさんが「どっちのベットにする?」と言うので適当に決める。青年はボンヤリと見ている。彼はYukieさんを知っているが、Yukieさんは彼の事を良く知らないらしい。

「Are hi perhaps Japanese?(君は日本人ですか?)」

と聞かれるので

「YES」

と答えると激怒し始めた。

「おい!Yukieさん!儒教精神的に怒ってはならんのだが、俺は怒るぜ!コイツは日本人じゃないか!日帝のスパイだ!。おのれぇー!よくも我が祖国を蹂躙してくれたなぁ!俺の祖父の兄は日本軍に殺された!竹島は韓国の領土だ!従軍慰安婦問題について謝罪しろ!俺は日本人と一緒に暮らすなんて冗談じゃない!」

と怒鳴るのでYukieさんが

「まぁ、それは国際法で片付いた問題じゃないか」

「法なんて糞食らえだ!」

と言うのでYukieさんが怒られるのを不憫に思い土下座をして(リアル土下座外交)みるが韓国には土下座の風習は無い。


青年がポケットからリコーダーを取り出して「ピーヒョロロ!」っと吹くと他の部屋からも青年女子達が飛び出してきてきた。

「謝罪しろ!謝罪しろ!」

「我等の王朝の王妃を殺害した日帝め!」

「俺の祖母の姉の、従姉妹の姪の妹の友人の親友の祖母の祖父の友人だった女性は従軍慰安婦として強制連行された!謝罪しろ!」

「竹島は我が国の領土だ!」


と指を指されながら血相を変えて怒鳴られる。そして最後は私を中心とし、手と手を繋ぎ輪になって

『独島は我が領土』

をエンドレスで歌う。


確かに私の祖父は職業軍人で、大陸とは無関係ではない。確か新婚旅行が南京だった。ってか、当時の日本地図は随分と違うからなぁ。多分、九州から釜山→列車で南京だったんだろう。
ついでに言えば南京で働いていた(軍人として。軍曹だった)。

朝鮮半島に関しては祖父は余り関知してないが。

しかし、大和魂を見せなくては此処は乗り切れない!と思ったので、折りしも丁度、たまたま持っていた名刀『村正』で得意の



『切腹』
『ハラキリ』



を行う。一文字ではなく十字に切り、腹に手を突っ込んで臓物を皆の前に叩きつけた!。




「これで気が済んだかぁ!」



と叫ぶと、皆、一気に黙る。で、青年は素早く私の臓物を拾い上げ、台所に行き調理。
皆で私の臓物を『ホルモン焼き』にして食べて、仲良くなった。『食』と『酒』こそが平和の証だ。




(私の臓物:調理済み)




(素早く焼くYukieさん)


丁度、針と糸を持っていたのでお腹の傷を縫い、そのまま夕食を食べに行く。何しろ風邪気味で、食べたものは機内食だけ。

しかも『切腹』までしたのでお腹は空っぽでお腹が空いた。


Yukieさんの奥さんと合流(ウニさん)し、森さん、私、Yukieさん、ウニさんで魚介類専門店へ。


意外な事に韓国では『焼肉』ってのは実はメイン料理ではない、らしい。矢張り若干、高級なんだそうで。日本と同じニュアンスなんだろうか。

どちらかと言えば3方向を海に囲まれているので魚介類がメイン。韓国の人は魚介類が大好きなんだそうで。

で、サクラマスが一匹捌かれてドカン!と出る。









旨い。兎に角、旨い。「嗚呼、生物を殺めた味って何て美味なんだろう」と思うほど旨い。甘くて美味しい。生命の味がする。

ウニさんと会ったのは思えば7年位前だった気がする。その頃は結構、刺々しい女性、と言う気がしたが今はそんな感じでもない。

しかし40歳だと言うのに美人は変わらず(結婚当初の写真は凄い美人だが)。しかも巨乳。

思わず目が釘付けになる。


「いやー、巨乳ですね!」


とは言えないが「相変わらず美人ですね。昔より素敵です」と言うと喜んでくれていた。Yukieさんとウニさんのセックスの回数が現在、どの位の頻度なのか不明だが「この巨乳で40歳だろ?羨ましい・・・」とホンッと思った。
もう、凄く羨ましい。良いオッパイだった。

<photo src="v2:1941274898:l">

<photo src="v2:1941274897:l">

で、Yukieさんバンドのメンバーも集まり宴のスタート。佐藤行衛&コプチャンチョンゴルのライブは一度、対バンしている。

私達のバンドはフェラ・クティ等のカバーバンドで、緊張して演奏していたのだが終わってから私がヤケクソで飲み捲くり、佐藤行衛&コプチャンチョンゴルの演奏中に可也、大暴れした覚えがある。
あちらも其れを覚えていた。

この刺身が終わってから、今度は鍋が出る。『アラ鍋』に近いが色が赤い。当然、辛い。辛いが美味い。

斜め後ろに女子大生らしきグループと男の子達が合コンらしき事をやっている。


最早、

『辛い』

『だが美味い』

『だが辛い』

『だが美味い』

とばかりに箸が動く。この地獄の運動会により森さんと私は朦朧としてくる。ビール位しか呑んでないのだが辛くて死ぬほど美味い、と言う『食べる永久機関』となった私は森さんに



「こうやって激辛料理を食べ、朦朧とした状態にして、女性を口説く・・・ってのがコリアン・スタイルと言うか韓国の若者恋愛事情なんですかね」

「かも知れないですね・・・。確かに朦朧とした状態で『サランヘヨ』と言われて」

「そうそう。朦朧としているから『ま、いっか?』とHして」

「朝になって『しまったー!』みたいな」


その辺は謎である。


で、鍋の最後は何故か『インスタント・ラーメン』が入るのである。日本だとウドンとか御飯(私の地元では鍋の最後は御飯だった)なんだが韓国では『インスタント・ラーメン』らしい。

聞くと韓国に『生のラーメン』と言う文化がないんだそうで。韓国で『ラーメン』と言うのはインスタント・ラーメンの事を指すらしい。

だからインスタント・ラーメンにトッピングしただけのラーメン屋なんかもあるんだとか。

「何だか3日位で開業出来そうなラーメン屋ですね」

「そのトッピング具合で他店との差異を出すんですかね」


しかし、驚いた。日本だと『インスタント・ラーメン』って食文化の中では可也、下位の部類に属するのだが此方では上位である。まぁ、そう言う食べ方だからスープの無い『ラーメンだけ』が売っているんだが。


あ、思い出したが途中でイカが一匹丸ごと出た。

まだ動いている。


「韓国人はイカが好きなんだよなぁ!」

とYukieさん。イカの刺身だが何と言うか『生きているイカを丸ごと切っただけ』と言う感じ。しかし美味い。
ウネウネと動くが美味いんだから仕方が無い。

私はイカは苦手なんだが、これは結構、食べれた。


凄い話があって、韓国では一時期、『スルメ』の輸出輸入が禁止されていたんだとか。その理由ってのが


『朝鮮戦争』


である。帰国して調べて驚いたのだが朝鮮戦争って、尋常じゃないって位に凄まじい戦争だったらしい。ホンッと驚いた。

「えー!って事はあの飛行場は戦場だったのかよ!」

とか。死体の数で地形が変わるほど、だったらしくベトナム戦争並みに酷かったらしい。で、連合軍(主に米軍)もヤケクソで開発されたばかりのナパーム弾と、『細菌兵器』まで使い捲くったが

「当時、撃っても撃っても向ってくる北朝鮮軍の軍人を米軍が不思議に思ったんだよ。『何で連中は撃っても撃っても向ってくるんだ?』と、な。で、北朝鮮の兵士を米軍がフィルムに納めてみたら連中は何かをポケットから出して食ってる。其れが『スルメ』だったんだな。で、米軍(連合軍)は『之が北朝鮮軍の秘密か!』と思って、長い間、国家レベルで禁止になってたんだよ。
戦時下の笑い話なんだが、本当なんだから凄い」

韓国ではスルメは『束』で売っている。兎に角、スルメも大好き。


「じゃあ、『ちょっと一服するか?』って時にはスルメを食べてたりして」

「ですよねw。仕事、疲れたなぁ~、と思うときはポケットからスルメとか」

と口の中で動き回るイカを食いながら森さんと話す。










ウニさんが

「うちで二次会をしましょう」

と言う。ってか既に、この時点で2次会に近いので『3次会』って感じだったが。

Yukieさん宅に行くとウニさんは酔っ払って眠る。


5人で車座になって音楽談義をダラダラとマッコリ片手に行う。このマッコリがまた旨いのである。

チリ産のワインのような上品な味がする。しかも呑みやすいのでガンガンと空けてしまう。難点は呑み易いので呑み過ぎることである。

思えばコンビニでウィスキーは殆ど売ってない。マッコリかビールか清酒。

で、ビールが250円位。マッコリが120円位。

呑まなかった日は帰国する日だけだったなぁ・・・。


で、ウルルハウスに帰宅。


夜の1時だった。帰宅するとヨン・イー君がゲストハウスのルールだとか使い方を教えてくれる。好青年。


 
(ヨン・イー君/25歳/ヒップホップのオーガナイザー)




で、ゲストハウスのメンバーはこんな感じ。









泥のように眠った初日だった。






0 件のコメント:

コメントを投稿