2014年4月9日水曜日

タズマハール旅行

今日はSDLXにフライヤーを持参と小西テツロウ氏の演奏を聴きに行った。




本当に其れだけの理由だったのだが、行ってみると妙なセッティングがある。
石とか竹とかタブラや楽器類。














で、横ではパイプを燻らす人々。

喫煙人口が減っている中で『シガレット』以外の喫煙者は0.01パーセントしか居らず、その0.01%の中には『葉巻』『手巻きタバコ』『嗅ぎタバコ』『パイプ』『煙管』も含まれているのである。

だからパイプ煙草は非常に珍しい。

私でも余り目にすることが無い。「珍しいなぁ」とステージを見ると老人が死ぬほどCOOLなパイプを燻らせている。ダンディーな感じ。

ラタキアの良い香りがする。


演奏が始まるのかな、と思ったら、そのパイプを燻らせている老人は実は伝説の音響派ユニット

『タジマハール旅行団』

の長谷川氏だった!。『タジマハール旅行団』って小杉氏のイメージが強いが実はメインは3人のユニットで、色んな人が参加していたらしい。
今井和雄とかも参加してたり。

その3人の一人が『長谷川』氏である。




浅草の旧家育ち・・・ってか、何十代と続いた江戸っ子らしい。旧家と言う響きにありがちな優雅な感じじゃないんだろうけど。

その長谷川氏が綺麗な『江戸弁』を喋る。落語のような竹を割ったような話しぶりに、ウットリ。

「綺麗で野暮でHIPな口調だなぁ」

と惚れ惚れする。手にはパイプとワイン。



話が面白かった。



氏曰く「新しい」と言うのは

「有り得ない事を目の前で行う事である」と言う。

だから機材とか、スタイルではなく、と。当日は

『石を持ち上げる』
『影を引っ張る』
『竹を3回だけ打つ』

と言うパートがあり、そのパートを何と『浅草の大工の棟梁』がやった。浅草の大工の棟梁って言ったら殆ど門外不出である。昔、現場仕事をしていたが『浅草の鳶』『浅草の大工』なんて業界でも殆ど神格化されているようなもんだったし。

「この六本木の場所にですね。浅草の大工の棟梁が来て石を持ち上げる、って言う。こんなのは有り得ないわけですよ。」

と。確かに有り得ない。単なる大工じゃなくて『棟梁』なんである。

「最初は了承を貰えなかったんでね。まぁ、私がしこたまお酒を呑ませましてですねw」

と言う。で、話によるとインド公演も行っているのだが、その際にも大工の棟梁をインドに連れて行ったらしい。


で、演奏中に大工の棟梁が来て袴でいるワケだ。で、紐で袖を縛って座るのだが、この姿が凛々しくて美しい。
其れだけで絵になる。



で、影を引っ張る、だが何故か新潟在住なので雪を持ってきた。で、その雪に植物を立てて影を作る。
それを紐で縛って引っ張る・・・と言うモノ。

最初は女性がやっていたが3回目で私がやる(勿論、影は動かないが)。

<photo src="v2:2063742483:l">




何となく思い出したのは『大久保鷹』だった。



私が唐組に在籍していた頃に大久保鷹がゲスト出演した(『秘密の花園』)。どんな人なんだろう?と思っていたら、あれほど素敵な人はいなくて、同性だろうと異性だろうと惹かれない人はいなかったと思う。

いつもピリピリしている稽古場に大久保鷹さんが来るだけで嬉しかったし、場も少し和んだ。

「たかさーん!」

と何時も私は手を振りながら駆け寄っていたのを覚えている。

「っよ!」

と鷹さん。



その大久保鷹が酒の席で言っていた事で一番、印象に残っているのは『劇的とは何か』だった。

「舞台があり、戯曲があり、台詞を言う。それだけが演劇か?それよりも土砂降りの雨の中で骨組みだけの傘を差している奴が突っ立っている。其れだけで十分、演劇的だろ。演劇とはそう言うモノなんだ」

この言葉が凄く印象的だった。実際に大久保鷹はそう言うスタイルの演技だったし、そして演劇以前に現代芸術と言うモノの本質だと思う。


つまり、平坦な時間の中に行き成り、ノイズを叩き込む、と言うか。


存在自体がノイジーだった大久保鷹を唐十郎は。嫌っていた、と言うよりもライバル視していた。少なくとも唐十郎よりもダンディーで紳士だったし、異性にも普通にモテるだろうし。只、酒癖は悪かったが(同期の奴がそれで泣いていた)。



演奏はタジマハール旅行団なワケで。もう、脳味噌と言うか身体中から力が抜ける。最高のリラックス状態。
最初は立って聴いていたが、途中から座った程。

寝ながら聴きたい程だった。


しかし、不思議な事に客層は高齢。


で、パイプの人々は実は長谷川氏は日本で2番目に古いパイプ倶楽部に所属しており、その同士なんだとか。道理で。

新潟の山奥に住んでいる為かお喋りが大好き。やっぱなぁ~、ホンッとダンディーな人だったなぁ。
服装も顔付きも何もかも。

テツロウ氏の演奏は以前より素敵だった。中音域での表現のバリエーションは更に高まっていて、私が12色なら、氏はMacのディスプレイ解析度なみ。

「良い勉強をさせて頂きました」

と礼。


で、だ。


タイトルにもあるんだけども、其の日のTokio Hasegawa and his Fancy Fellowsのギターが一寸、異色だった。

矢鱈とソリッド。だけども広がりがある音を出す。単なるギタリストとか馬鹿テクの人とか、そんな感じでは『明らか』に違う。

あとで聴いたら元『BARBEE BOYS』の『いまみちともたか』だった!


『BARBEE BOYS』と言えば嘗ては『ボウイ』と双璧を為したバンドである。中学1年生か小学校高学年だったか忘れたが唯一、「カッコイー!」と思ったのが『BARBEE BOYS』だった。

姉がファンだったから私も聴いたんだと思う。多分、TVじゃなくてカセットテープだったはず。姉は学友から借りたのだろう。

コッソリと録画。


知らなかったからテツロウ氏メインで撮っているが。


終って、テツロウ氏と話していたら客席はドンドン帰る。で、余りフライヤーは配れなかった。
上智大学のインド人の先生が

「私もやりたいなぁ」
と言う
「インド音楽ですか?」
と聞くと
演歌です」
「・・・演歌?」
「そう。歌うときはカラオケとかでやるんだけど、時折、尺八の人ともやるのね」
「演歌」

インド人と演歌って『チャダ』だけだと思っていたので意外だった。ってか、そのインド人教授が『意外』なだけなのかもしれない。



宣伝
-----------------------------------------------------------------------
鳥の会議#2~riunione dell'uccello~

@六本木SuperDeluxe
2014年5月7日
19時:Open 19時半:Start
Charge free(1drink order)
http://trkg.web.fc2.com/
1

直江実樹/ shiba
  • ------------------------------------------------
    直江実樹

    短波ラジオの演奏/追求にひたすら取り組み続ける孤高の男。SONYCF5950を楽器のように抱え、巧みなスイッチング/チャンネルセレクトにより奏でられる演奏は、偶然飛び込んでくる奇跡的やラジオの会話やサウンドと融解し、音階楽器よりも遥かに芳醇なイメージを聴き手に投げ掛ける。テルミンのようであり、純粋ノイズであり、そして何より音楽なのである。
    http://blog.goo.ne.jp/mikinaoe42_12

    ------------------------------------------------
    shiba

    shiba
    マイルス・デイビスの死後、独学でトランペットをはじめる。CALMのユニットORGANLANGUAGEにトランぺッターとして参加。DJ KENSEI、松浦 俊夫、Mixmaster Morris、Joi、 Paul Murphy、井上薫他DJとのコラボレーションの他、吉澤はじめ(p)、植松孝夫 (T.sax) 等ジャズミュージシャンとも共演。2001年、英国のBambola Recordingsからのリリースの他、国内外のコンピレーションにUFO、CALM等ともに収録され、ジャズ、テクノをクロスオーバーするサウンドは国内外で高い評価を得る。
    https://www.facebook.com/shiba.FreedomSunset

    --------------------------------------------
    東京カオスエンゼルス・スーパーデラックススペシャルオーケストラ


    メンバー全てKORG KAOSS PAD奏者のオーケストラ。轟音渦巻く混沌空間、狂騒乱舞地下秘密ミサへようこそ。今宵はダンスエンゼルスコンテンポラリー部隊や暗黒舞踏部隊も加わり特別大編成でスーパーデラックスに集うカオス教信者の皆様を神の元へいざないます。

    メンバー:
    大天使ミカエル/菖蒲谷徹
    大天使ガブリエル/くぅた
    大天使ラファエル/石川寧
    大天使ウリエル/Davie Blue
    and more...

    --------------------------------------------
    KO.DO.NA

    クラブDJ・即興演奏・現代音楽を経て、劇団唐組に入団。退団後は劇中音楽の作曲や、Improvisation主体のバンドにて活動。2002年 静寂音響ユニット「KO.DO.NA」を開始。2006年 Musical For Kitchen Records より『小人の化学』をリリース。
    2010年 ルクセンブルグの soundzfromnowhere より「riunione dell'uccello」をリリース。
    室野井洋子ダンスシリーズ:よあそび
    ウブウブ舞踊団:赤い靴
    ダンスがみたい!10:インターナショナルシリーズ
    SuperDeluxe:小鳥達の為に
    SuperDeluxe:テストトーン
    (SuperDeluxeでのライブ内容が一部
    ラトビア共和国の音楽誌Flashにて紹介されました。
    現在は主に、西麻布「BULLET'S」六本木「SuperDeluxe」に出演。
    2013年、NY、韓国、デンマークにてツアーを行う。
    また、舞台音楽・即興演奏・楽曲演奏と幅広く活動中。
    http://kodona.web.fc2.com/indx.html

    ------------------------------------------------
    β-DJ, VJ: 変なドレス

    ゲームボーイ等の電子機器を動物的カンで操り演奏をしたり、β-DJ と称しDJ の可能性をあらぬ方向へ追求したり、
    電子玩具をサーキットベンディングしたり(やりすぎ壊し落ちこんだり)たまに電子工作したり、ローファイな絵を無心に描いたり、
    捨てられぬゴミ等用いてオカンアート的何かにしたり、森の中にカセットテープやぬいぐるみをあるったけぶちまけて喜んだり、
    志低くマイペースにスカムな活動を続けている。
    http://sound.jp/hennadress/

    ------------------------------------------------
    VJ: RGB

    PC、ハード機材、電子工作、手描きアニメ、知育玩具等を使ってVJをやります。

    http://rgbvideo.tumblr.com/
    sepia.dti.ne.jp/plastic-tv/
〒106-0031 東京都港区西麻布3-1-25 2F

0 件のコメント:

コメントを投稿