2016年12月13日火曜日

サザエさん

『サザエさん』は、当時の女流漫画家のTOPだった長谷川町子の風刺漫画だったが(原作は戦後問題だとか領土問題、政治的である)、それでも可也の苦労だったらしく、一作書くごとに姉に読ませて、姉が3分間笑ったらOK、としていたんだとか(長谷川町子の姉は落語マニア)。




で、風刺的で面白い、って言う微妙なラインに疲れて「ストレス発散」に近い状態で連載され始めたのが


『いじわるばあさん』







で、この作品には政治問題だとか風刺的なニュアンスは消え、只管(今であれば確実に連載中止なほどブラックな)笑いを追求。



私が子供の頃(鹿鳴館が建設され、黒船が来て、母は中山製鋼所:棒線工場で働き、父は東京タワーの建設作業員として働き、姉は芸者、妹は上野駅周辺でモク拾い。叔父はヒロポン中毒が高じて特攻隊で出撃する為、レイテ島沖にて訓練していたが、同期の水木しげるの裏切りにより米兵のサブマシンガンで脳髄を破損。南方で軍医から荒っぽい治療を受けている最中に原爆で両親は死んだ)は青島幸男が主演の『いじわるばあさん』を、其れこそ腹を抱えて笑い転げていたが、原作を読んだら更に面白かった。

『ハードコア長谷川町子』

と言うか。


ってか、『サザエさん』も政治的な漫画だったワケで、あれが朝刊で連載されていたってのが凄い。
今だったら連載開始で秒速で連載中止だろうな。
『暮らしの手帳』すら政治的だった時代だ。



そんな『磯野さざえ』だが、実はマスオさんとはお見合い結婚である。
何しろ戦前なので『自由恋愛』なんて、とんでも無い話だった時代である。
まぁ、戦後の昭和40年代まで結婚はお見合いが6〜7割だった位で。
だから誰も「リア充爆発しろ」等とは言わない。
『一億総リア充時代』
だったワケである。
「30歳まで童貞だと魔法使いになれる」
とか誰も言わない。皆、20代で魔法使いになるためのチケットを失っているのである。


思えば今年のクリスマスは山下達郎が言う
「ひとりきりのクリスマス・イブ!/ぅぅぅぅうぉー!!!!」
である。
大昔は大抵、良い時代である。



で、サザエとマスオがお見合いをした場所が北九州市民がこよなく愛し、そして誉れである

『小倉井筒屋』

なんである。
北九州市民にとって『ルイ・ヴィトン』『コーチ』『ブランド品』と言うものはパリではなく『井筒屋の商品』である。

何しろ北九州市内で最も高級ブランドを扱っている百貨店である。
だから、上京した際に『高島屋』と言われてもピンと来なかったうえに

「なんで銀座には井筒屋がないんやろか?」

と疑問に思っていた程である(北九州市内だけの百貨店)。
嗚呼、思えば姉の誕生日プレゼントで、既に中学生だった姉が

「KENZOが欲しい」

と言ったので、世の理りを知らぬ、まだ精通前の小学生の私は確か2000〜3000円だろう、と思って井筒屋に姉のために財布を買いに行ったら桁が違っていて、ガックリしたことがある(母親が足りない分を出してくれたが)。

(まだ健在です)



で、姉と妹はエレクトーンを習っていたので(瀧本恭史と言う世界的なエレクトーン奏者に習っていた)、そのライブを観に連れて行かれたりとか、子供心に華やかリア充は爆発しろ。な場所だった。
姉が習っていた瀧本恭史氏の主催のエレクトーン発表会で、エレクトーンの大音量っぷりに驚いたのを思い出す。
スピーカーが近かった事もあるが、ビックリするほどの大音量で、姉と妹がカッコ良かった。


話を『磯野さざえ』に戻すと、戦前に結婚して借家住まいになるのだが(まだアパートやマンションは同潤会アパートだけで、超HIPなもの。都市部だと借家がデフォ)、何故か大家と言うか近隣と喧嘩して、実家に戻っている。
その後に『タラちゃん』が産まれる。



つまり、サザエさんとマスオさんは『子作りを実家で行っていた』と言うわけだ。
親や兄弟(カツオ君、ワカメちゃん)にバレないように頑張っていたわけだ。



「・・・っ!!!ま・・・、あぁ・・・まぁすおさん・・・声が出ちゃうよぉ・・・っ!」
「駄目だよ・・・ご両親やカツオ君達に見つかったら困ることになるのは君だよ?」
「・・・っだって・・・そんなに動かさ・・・っれたら・・・っ!」
「いやらしいなぁ。君は。井筒屋で会った時は・・・、君がこんなに淫乱だとは思わなかったよ」
「・・・変な事っ・・・言わ・・・っ!ま・・・まぁすおさんが・・・そ・・・そんな・・・事するっ!から・・・」
「うーむ。甘露、甘露。男の生き様、此処に極めり・・・」

とマスオは軍隊で鍛えられた熱い竹槍を、サザエの悲しく濡れた花弁に

「ええい、やぁ!」

と突き立てた。

「っはむぅ!」

と目釘を打たれたウナギのようにサザエの身体は硬直した。



とか言うとったんじゃ!
アニメだとか原作では素知らぬ顔しながらも、マスオさんも南方戦線帰りの戦闘意欲を、創作意欲に変換して、「あんな事いいな、できたら良いな」とドラえもんみたいにやっとるんですよ!!!!
マスオさんは早稲田大学でマンドリン部所属で実はハーモニカの名手なのに、昼はハーモニカ、夜は女体を吹いて淫靡なメロディーをやっとるんですよ!!!

クソ!

何が『ひとりきりのクリスマス・イヴ!うぉぉぉぉぉっぉぃ!!!』だよ。
一人でファミマのチキンを食えてってか?。
ったく。


リア充は爆発しろ。




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