2018年1月27日土曜日

90年代はクソだった

90年代とは何だったか?って言えば

①小室哲也
②オザケン


でした、と言っても過言ではない。
勿論、90年代でもノイズ、フリージャズ、インプロヴィゼーション、小劇場に舞踏とあったんだけども、小室哲也とオザケンだったよな、と思う。
その小室哲也が引退するらしい。



思えば一発、テッペンを取ってからは失速し続けた人だったよなぁと思う。
小室哲也は広義の意味で『電子音楽』の人で、この人が居なかったらパフュームも、きゃりーぱみゅぱみゅも居ない。
しかし、小室哲也ってCDバブルの頃にブレイクした人だから(TMネットワークはさておき)其れこそ『消費物としての音楽』だったし、其れは音楽としてよりもBGMだったと思う。
『家具の音楽90年代版』
と言うか。90年代のBGMであり、最後の大衆音楽家だった。

つまり、90年代はクソだった。


多分、80年代に多感だった人、
70年代に多感だった人、
60年代に多感だった人、
50年代に多感だった人。
夫々が「~代はクソだった」と言うと思う。

私にとって90年代が其れだった。

この頃に音楽を、それもメインストリームではない音楽をやる、と言う事は『小室哲也的なるモノ』への罵倒であり、アンチであり、挑戦だった。
其れはオザケンもそうだったんだけども、小室哲也的なるモノは途方もない気がしたし、何もかもが嫌だった。
倒さなければならない存在、と言うか。


この頃、シンセサイザーを買った。EOS B700と言うYAMAHAのシンセが人気で、小室哲也が監修した音が入っていたが確かに音の出来が(PCMとは思えないほど)良くて嫌だった。
アナログ・シンセを使っていたワケではなく、大半がデジタル・シンセ(PCM音源)だった。
90年代にTB303は20万円だった。此れはデジタル・シンセの上位機種が変えた。
そんな時代だったから、小室哲也にシンパシーを感じても良かったんだけども多分、嫌だったんだと思う。


小室哲也が引退する・・・ってかするのか?って気もするのだが一応、するらしい。
私の予想では数年後に脱原発デモとか、安保法案とか、アンチ自民党(アンチ与党)の集会に現れそうな気がするのだが(または円盤ジャンボリー)。


小室哲也は歌謡曲を『J-POP』に変化させた最大の人だったと思う。
一人でやったんだから凄い。何しろ、ああ言う音は其れまで皆無だったんだから。
だが、受けた下地はあった。
ヤンキー文化ってのがあって、ヤンキーの部屋に行くと必ず『スーパー・ユーロビート・シリーズ』が一枚はあった。
此れはエイベックスが頑張った為だが、ユーロビートと言う馬鹿げた音がヤンキーの心情にヒットしたんだと思う。
そのユーロビートに日本語の歌詞。
もう、ヤンキーは其れだけで哭くのである。

①ユーロビート
②ヤンキー文化


である。だから、電子音楽と言うよりも『ヤンキー文化』の頂点を極めた、と言うか。
あ、書きながら出てくるな。
日本人の98.999999%はヤンキーである。
言ってしまえば日本にとって『大衆文化』と言うのは『ヤンキー文化』であり、其処にはロンドンだとかオリーブだとか、オルタネイティヴとかロックとかはない。
ヤンキーに受ける音楽。其れが大衆音楽であり、小室哲也であり、大衆文化だ。


だけども、音源を出しすぎた。兎に角、毎週のようにリリースしていた。
で、毎週のように消費された。
其れは『大衆文化』だった内外タイムス(リアルスポーツ)が大衆文化過ぎて飽きられたのと同じように。


その後に『つんく』が登場するんだけども、この人は小室哲也の

『ユーロビート』
『ヤンキー文化』

を更にブーストした人で、小室哲也って何故か歌詞は『4畳半フォーク』みたいな鳴きの歌詞が多かった。
其処へ

『浪花の人情話』と言うか、『上方演芸会』と言うか。

『ユーロビート』
『ヤンキー文化』
『浪花の人情話』

と言う三本立て。

小室哲也は何処まで行っても、イイトコロのボンボンだから『浪花の人情話』は出来ないし、っつーか、誰が浪花の人情話を求めたんだ?と思うのだが、『つんく』が伸びるのと比例して『小室哲也』は失速していった。
失速した、と言っても少なくとも『灰野ケイジ』『メルツバウ』『裸のラリーズ』よりは売れていたんだけども。


『消費される音楽』
『消耗される音楽』

を山のように作り続け、自身の存在すら消費されるモノになり、自身の周辺を消費しようと思ったら捕まったり、彼是あったり。


こうやって『ヒトツの時代』ってのが終わるんだろうけども、1997年が全盛期であり、失速する時期だとすれば20年か。
時代が終わるのは20年も掛かるのか、と思う。
90年代はクソだった。
だけど、大衆文化の最後の時代だったなぁと思う。

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