2012年6月5日火曜日

月食蓄音機

昨日は部分月食だった。




で、一昨日に突然、「月食を見ながら蓄音機を聴くってのをやろう」と思った。悪くないかなぁと思ったからである。
実を言えば蓄音機DJを時折やっているが、内心、非常に



疲れる



だったりする。真面目に選曲すりゃ疲れるのは当然なんだが、ジャズやポップスなどをメインにセレクトトするのだが殆どの人は『蓄音機』自体に興味は持つが、掛かっている音源に関しては無関心と言うか


「これ、動力は何で動いてるんっすか?」

「へー!」

「面白いっすね」


である。実は其れなりに貴重な盤なんだが『ハード』に興味はもたれても『ソフト』に関しては殆ど聴かれない。

で、ポータブル蓄音機でジャズやブルース、ポップス等の『軽音楽』は似合うのだがチャカチャカしていて『玩具音楽』と言う感じがしてくるのである。
実は掛けている方も飽き飽きしてくるのである。楽しいと言えば楽しいが、雰囲気、と言う感じ。

そもそも蓄音機を買ったのは「SPでクラシックを聴きたい」と言うモノでジャズやブルース、軽音楽は『オマケ』程度だったし。



で、『月食』だし念願の『クラシックを聴きながら』と言うのをやってみようかな・・・と思ったのである。

突然、思い立ったので緊張したが、5人以下だったら止めようと思った。仕事で疲れているし。

ありがたい事に5人以上が「行きたい」と行ってくれたので実行。




場所は東高円寺駅の『蚕糸の森公園』の運動場




『おもとなほ』さん

『田中智子』さん

『福田りえ』さん

『月本正』さん

『井上タイシン』さん&『友人』


が来てくれた。途中で『鈴木美紀子』さんと『広井 克典』さんも来てくれた。



空を見上げると曇っている為、月が見えない。

困ったが『おもとなほ』さんが天空アプリを持ってきたので其れで月の位置を特定し、眺める。


私は

『メンデルスゾーン:バイオリン協奏曲(バイオリン/シゲティ)
『カザルス・トリオ(ベートーベンの初期の3重奏)』
『牧神の午後』
『アヴェ・マリア(ジャック・ティポー)』


を掛ける。最後は

『ストラビンスキー:火の鳥』

である。何故かそうなった。


思えば『カザルス・トリオ』の5枚組SPは其れなりの金額で買ったは良いが全面を聴いた事がない。確か購入した時に針の本数が足りなかった事も関係しているが。

個人的に『カザルス・トリオ』を自分でも聴いてみたかった、ってのもあるけど。聴いてみたが、こんなにカラフルと言うか、言うならば

『非常にアクの強い3人』


がアクの強いまま演奏していた、ってのが凄い。当時、間違いなく世界最大のバンド(結成は1903年)だっただろう。だから当時のニュアンスを日本人に判り易く言えば


『サディスティック・ユーミン・バンド』
http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=fMO03Y4RvvE


とかだろうか。または

『エマーソン・レイク&パーマー』


『YMO』


とかになるだろうか。


矢張り素敵だった。



肝心の月食は曇りで微かにしか見えなかったけども、皆で空を見上げながら音楽を聴いている、と言うのは、やって良かったなぁと思った。

月本さんが1977年のワインを用意してくれた。広井さんは『泡盛』。『田中智子』と『おもとなほ』さんは先に酔っ払ってしまい只管


『人肉食』
『ペニスを料理して食べるイベント』


について話していた。ったく!人がロマンチックな時間を作ったっつーに!


広井さんや月本さんと空を眺めながら音楽の話だとか、色々な話し(星とか月とか)とか。

タイシンさんとも彼是と話したり。




普段・・・と言うか人は何時の間にか気が付けば下ばかり向いて生活するようになる。

子供の頃は空ばかり見ていたはずなのに

下を向いて歩くようになったら大人の証拠だ。

天に向かって木やジャングルジムに昇っていたはずが

地下に降りるようになった。

空を見て感動したはずが

俯いて読む漫画に感動するようになり

空を眺めるときは寝ているときだけ。

でも、寝ているから見てない。

空を見て感動出来る、と言うだけで、其れは十分じゃないか、と思う。




そう言う時間が1時間弱とは言え提供出来たのは良かったなぁと思う。月は微かな光だったけども、微かな光を皆で見ている、と言うのも。

『確かなモノ』
『明確なモノ』

じゃなくて、オボロなものを・・・。



『夜のピクニック』だった。田中智子が何やら食べ物を(たこ焼き?)を持参していたし、お酒もあるし、音楽も。

そう言えば子供の頃、夏休みでなくても皆で夜に集まると妙に興奮したものだ。
覚醒って言うか。何だか楽しかった。お互いの顔が良く見えない夜の方が不思議と楽しかった。
ただ、それなんだけど楽しかった。



ホンッと『夜のピクニック』だった。

静かなピクニック。

大人のピクニック。

月夜のピクニック

ピクニック

ピクニック





月食が終わり、満月が顔を出し音楽も終わったので終了。明日も仕事なので皆、帰宅。


しかし、夜風とクラシックは本当に良く合うなぁと思った。空も。月も。




先ほど風呂屋に行く際に満月が顔を出していた。


「良い時間を有難う」

と呟くと照れ臭そうに雲に隠れてしまった。

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