今日、入ったスタジオの近くに豚骨ラーメン屋があるのだが、常に私を誘ってくる。
「いや、太るから・・・!」
「大丈夫よ!一玉なら400キロカロリー程度だから」
「でも、替え玉を頼まないと意味ないじゃないですか!」
「それは、貴方次第よ・・・。貴方の意思の問題よ・・・アタシを食べ尽くすか、摘み食いするか・・・?でしょ?」
「で!でも!」
こう言った脳内問答が豚骨ラーメン屋の前で私は行う・・・否!行わされるのである。
クリーミーなスープ・・・
歯ごたえのある麺・・・
男らしいシンプルなトッピング・・・
ニンニク・・・
玄界灘の荒波を前に
『塩ラーメン』
『つけ麺』
『醤油ラーメン』
『味噌とんこつラーメン』
等はラーメンとは言わない。ラーメンとは豚の背脂を使ったものであり、つまり
『生き物を殺めた味』
であり、その味は裸のラリーズが歌うように
「まるで人を殺したように」
暗美で、官能的、背徳感と罪の味は蜜の味なのである。
轟音サイケデリックとは、つまり『豚骨ラーメン』の事であり、『豚骨ラーメン』とは轟音サイケデリックなのである。
実際に裸のラリーズの歌詞にもある。
【夜、暗殺者の夜】
『とても深い夜 まるで誰かを殺したみたい
何がお前の飢えを満たす
(中略)
沈黙の鳥は飛び去った 夜の言葉は溶け落ちる
誰もお前がとどまることを望んではいない
(中略)
お前の両手に血の川を渡り虚無の一滴を飲み干した時
お前に最初である名前が名付けられるだろう』
誰だよ、こんなアホな動画を作ったのは
>誰もお前がとどまることを望んでいない
とは、まさに最初にオーダーした味を2玉目は麺を硬めにし、3玉目はニンニクを大量に入れる豚骨ラーメンの食べ方そのモノである。
>お前の両手に血の川を渡り虚無の一滴を飲み干した時
お前に最初である名前が名付けられるだろう
まさに最後まで1滴残らずスープを飲み干した後と、食べる前は人は明らかに違っている。
それはシェイクスピアの戯曲や、ワーグナーのオーケストラ曲、ニーチェやマルクスを読んだ後と前のような、人間としての深みが、そこに現れる。
1:ニンニク臭
2:汗
3:ニラの味
4:豚を殺めた背徳感
5:人間としての深み
など。
これは『ラーメン二郎』と『ジロリアン』には皆無のモノである。『ジロリアン』は言ってしまえば『東京都』と言うカテゴライズとローカル・ルールと言ったニーチェが言う
畜群
と言うべき駄目なモノがある。
だが、そんな畜群も博多とんこつラーメンを食べた後はニーチェが言う『超人』は無理だとしても(何しろニーチェが貴族だとか、超人と言っていたのは彼が梅毒で、脳味噌が吹っ飛んでいた時期だから)、『貴族』にはなれる。
これは博多とんこつラーメンを食べれば判ることである!。
ニーチェと爆音サイケと博多とんこつラーメンはセットである。
今日は久し振りにスタジオだった。ウガヤさん(ジャーナリスト)と、ドラムの三人。
DUBのセッションだった。
数時間前までカノジョ宅に居たし、『生きている人間』とスタジオに入るのは久し振りだったので、緊張した。
しかも、新しい会社の給与形態により金欠。
自宅の電気は止められているし、携帯電話も止められているし、最悪の状況。
帰宅後、電気代を払い電気がつく。スタジオに行くまでにコロッケパンだけしか食べていなかたので空腹。
3時間、吹きっぱなしだったので空腹。
近所のラーメン屋で『豚骨ラーメン』を注文。替え玉が一個無料。
「嗚呼・・・幸せ・・・」
と思った。豚骨ラーメンを食べている時に「太るかも知れない」と言う恐怖心と、多幸感。
食べるサイケデリック。
お腹いっぱいな一夜だった。
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