大昔だが、『ソフトさん』と言うバンドをやっていた。
当初はティンホイッスルとアパラチアん・ダルシマーのデュオだった。
『インチキ・ケルト音楽』と言う塩梅。
それで知人の誕生日イベントで演奏。
その後、メンバーが増えて4人編成に。
私はトランペットがメインだから弦楽器は下手だし、メンバーは楽器がメインじゃない人も多かったの
で、下手も良い処だった。
頭を抱えたのは田中智子さんが「楽器が全く出来ない」「やろうとも思わない」と言う処で、仕方がないから鈴を持たせて振らせたり、なんちゃってパンクみたいな曲ではシャウトしたり。
ただ、『緩い』と言うのを遥かに超えて『緩い』バンドだったので、無茶苦茶なカバーもやっていた。
①イン・ア・サイレント・ウェイ(マイルス・デイビス)
②さよならニッポン/さよならアメリカ(はっぴいえんど)
③ピンヘッド(ラモーンズ)
④Smoke on the Water(ディープ・パープル)
ただ、集客能力が枯渇と言うか皆無なバンドで、0人が常だったので余りライブには呼ばれなかった。
一回だけ高円寺『円盤』で企画ライブをやったのだが、まぁ集客は自殺モノだった。
どうやら、田中智子が死んでいたらしい。
『死んでいた』と過去形なのは6月に死んでいたから。
今更になって知ったと言うのは、それを告知した人も最近、知ったと言う事だろう。
高円寺のアパートで孤独死だったようでもある。
『持病で死亡』
とあったのだが、双極性障害が持病だった。
レーベルから音源をリリースする為、と言うかレコーディングの為に処方量を減らしたり、ライブの回数を増やしたりしていた。
死因は書かれてないけども、なんとなく憶測出来る感じもする。
何だかなぁ・・・と思う。
何だかなぁ、と言うか実感が沸かない、と言うか。
先月、電話をしたら不通だったのだが、あのときには既に死んでいたって事か。
何だかなぁ・・・。
こう言う事を言葉にする事は難しい。
自分が、どう思えば良いのか分からない。
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