2015年8月12日水曜日

ノイズとボーイズ・ラブ

東池袋の『まんだらけ』。




様々なジャンルの『パロディ:BL』が多い。メインは少年ジャンプ系だが、個人的に驚いたのは


『フリッパーズ・ギター』

『ヘタリア』

『劇団新感線』


がBLとして成立しており、尚且つコーナーまである事だった。ちなみに『ヘタリア』は



国を擬人化



なのである。だから「やめろよ・・・ふらぁ・・・んすぅ・・・!」「かわいい・・・イギリス・・・」と言う凄まじい台詞が出てくる。

国を擬人化って凄いな、と思った。


ってか、フリッパーズとかオザケンをBLってどーなんだ?と思うが、それよりも



『劇団新感線』


である。一介の小劇場あがりの劇団がBLになるのであれば

『状況劇場』

『演劇実験室:天井桟敷』

『曲馬館』

『東京グランギニョル』

『月食歌劇団』

『早稲田小劇場』

『青年団』

『劇団ゴキブリ・コンビナート』

『劇団乾電池』

『劇団つんぼ桟敷』


もBL化されているのではないか?と思ったが、当然なかった。

仕事が暇だったので『状況劇場~劇団唐組BL』を考えてみた。


唐組の看板役者は稲荷卓央と言う役者である。稲荷さんが唐さんに

「か・・・唐さん!」

「稲荷!なにを・・・」

「ぼくは・・・ぼくは・・・」

「稲荷!やめろ・・・っ!ぅ!」

と考えてみたのだが、どうしても唐十郎の年齢が高すぎるので『単なるホモ小説』にしかならない気がする。

で、天井桟敷に関しては作品自体がBL系も多いので、あえてBL化する事もないだろうし。


で、フリッパーズのBLがあるのである。

「だったら・・・」

と思い

裸のラリーズ

灰野敬二

非常階段

『インキャパシタンツ』

『19』

『ボアダムズ』

『ハナタラシ』

『メルツバウ』


のBLはないか?と店内を昼休憩時間が許す限り探してみたが、やはり無かった。


「ノイズは腐女子に受けないのか?」


と思ったが、有識者曰く

「Bis階段で普段、ノイズを聴かない人もノイズ・ミュージックに興味を持ち始めた、らしい」


と言う。



その有識者の意見が間違いないのであれば腐女子が「灰野さん、萌えるわぁ~と言っていても良いはずだが、10代~20代前半の子が灰野氏やラリーズ、インキャパや非常階段を聴くとは余り想像がつかない。

10代の頃の私は(今もそうだが)非モテ・非リア充・童貞でノイズを聴いていたが、やはり変な男の子だったんだろうか。


しかし、『なければ作る』が腐女子カルチャーである。


とりあえず手に入れた12冊のBL漫画~小説をモチーフに書いてみよう。

ただ、BLの有識者曰く

「非常階段のメンバーはルックス的にBLに適していない」


と言う。確かに頷ける意見である。
(非常階段:JOJO広重)







だったら、誰になるのか?すわ

『灰野敬二』



『裸のラリーズ』

だろう。両者を『ノイズ・ミュージック』と定義してしまうのは若干、抵抗があるが


「分かり易さ」

「見た目のインパクト」

「痩せている」

「皆が大好き」

「信者が多い」

「太ってない」


と言う点でBL化は可能かと思われる。ちなみに生年月日を調べると水谷孝(裸のラリーズ)の生年月日は1949年。順当に考えると水谷孝が『責め』で、灰野敬二が若干、年下なので『受け』だろう。


知らない人の為にYOUTUBEを貼り付けると裸のラリーズ(水谷孝)はこんな感じ。




で、灰野敬二はこんな感じ。











水谷孝(裸のラリーズ)




水谷孝(裸のラリーズ)








灰野敬二





灰野敬二






ルックス的には悪い部類ではない、と『思う』。

設定としては『ラリーズ(責め)』『灰野敬二(受け)』である。



3時間かけて書いてみた。ってか、殆ど別の作品のパクリだが。
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ロックの味がする。


地べたに擦り付けた唇を、閉じる余裕がなかった。灰野は青臭いピックの欠片と、湿気の多い床を歯の縁で削って食った。


テクニックに屈して這いずるフリージャズの為の食い物だ。


デビューしたころから幾度となく理不尽な評価に叩きのめされて、その味を覚えた。
惨め過ぎる境遇に逆らって、自分もエレキ・ギターを買った。
6本の弦をコントロール出来れば、未来を変えられる、思ったこともあった。
輝ける『ロック・スター』等という、身の程を知らぬ高みを望んだ。

地獄のフリージャズから逃げ出し、自由になりたかった。


―けれども全部は幻だ。


何もかも空虚な、がらんどうだ。


―どうせ、俺は何処にいても雑音しか出せないギタリストじゃないか。


救いがたく間違ったミュージシャンだから、吉祥寺マイナーの内側に封じ込められなければならない。

決して変われない野良犬だから、いつまでも鞭打たれなければならない。

幸福にはならない。

幸福なぞは何処にもない。


―それなのに、幸福に似た幻を見た。


灼熱の真夏に、手では触れられぬ妖艶を見たのと、同じだった。

「水谷・・・」

灰野は呻く。

這いつくばるから躰の節々が軋んで痛む。

うつぶせ、無理な体勢で押さえつけられている。



「・・・嫌っ・・・だ・・・」


何度も嫌だと繰り返した。
誰が来ても不思議ではないライブハウスの楽屋だった。こんな危うい場所で抱かれているワケにはいかなかった。
本気で拒んだ。



「嫌だ・・・っ。っ・・・嫌・・・っ」



水谷の腕の下でもがき、暴れ、抵抗した。

無論、敵わなかった。

水谷の熱い躰にのしかかられ、後ろから犯された。

手荒な暴行だった。

自分にはお似合いの顛末だ。
愛も行為も一切、関わりなく、ただ世界の必然として古参のミュージシャンは、卑しいアヴァンギャルド音楽家を喰えば良い。
あらゆる誇りを剥奪し、踏みにじり、殺せ。

殺してくれ。


ろくな前戯もなく解されぬ肛門に重たく突き入れられた熱量を、灰野の肉体は受容できず、のたうち、悲鳴をあげ、涙を流す。


この男とは何度も性交してきたのに真実の辱めを、まだ与えられていなかった。




まだ与えられていなかったから・・・欲しかった。
水谷の全てを欲しかった。
正気の沙汰ではないのだろう。
どうしようもなく、狂いすぎているのだろう。



ライブハウスの、安っぽい照明が両目を曇らせる。


開けっ放しの楽屋に、醜悪な喘ぎ声がどれほど洩れ響いてしまっているのか、自分では知ることも出来ない。


脳天まで突き通すショックと、己の内部に横溢する異物の猛々しさに、意識を激しく揺さ振られた。

ガクガクと灰野は痙攣し、まるで煉獄へ落下しかかった者のように地面に縋りついた。



「水谷・・・水谷・・・」



理由もなく名前を呼んだ。
うわごとだ。
落ちていく恐怖から救われたかったのか。

俺と一緒に落ちてくれ、と懇願したかったのか。

駄目だ・・・・。

今更、許されない言葉だ。




「うわ・・・・・あっ・・・・・・ア・・・・・・ぁ・・・・・・。ぁ・・・・・・!」



水谷の欲望の形が突き入れられ、痛切に内壁を抉るたびに、泣き叫ばずにいられない。

なのに同時に、いっそう水谷を求める極端な衝動が育つ。



「い・・・・・・や、ぁっ・・・・・・んぅ・・・・・・・ン・・アァ・・・・・・!」



痛みを超越した隠微な感覚が、本能の奥底から引き出され、灰野は慄然とする。

苦悶に見せかけた悦びの扉を開いたのは、誰だ。

水谷を追い込んで、この強姦を招いたのは、誰だ。


―そうじゃない。


麻痺した心の片隅で否定する。



―そんなつもりじゃなかったんだ。



この男が俺を不幸にするなんて、知らなかったんだ・・・・・・・。
手遅れの告解だ。



「ぁ・・・・・・・あぁ・・・・・・ああぁ・・・・・・・あ、あ・・・・・・・!」



単なる悲鳴でも得意のスクリーミングで済まない、淫猥で強欲な声が、押し殺しても喉から溢れてくる。



「あっ、ぅ・・・・・・く・・・・・・っ」



涙と唾液にまみれた顔を地面に押し付けても、躰の反応は隠しようがない。

自動的に腰が蠢き、えげつなく快楽を貪ろうとする。

内壁の粘膜が、咥え込んだ熱量に絡まるように吸い付く。



「求めているのか」



灰野の背に覆い被さり、耳元で水谷が囁いた。

汗に濡れた水谷の胸板を感じて、ぞくりとした。

この男の手で存分に愛撫されたい。

くちづけが欲しい。




「違・・・っ、ぅ・・・・・・」




きれぎれの呼吸の合間、首を横に振った。


「殺せよ・・・」


涙声で言った。

水谷は答えなかった。

不意に後頭部を鷲掴みにされ、髪を後ろに強く引かれて、灰野は喉を仰け反らせた。痛みと苦しさで、我慢できずに、また喘いだ。



「灰野君。オマエがそれを言うたびに、水谷がどんなにたまらない気持ちになるか分かっているのか」


水谷の甘い声が灰野の鼓膜をも犯す。

灰野の耳朶を、水谷が一度噛んだ。背筋を走る魔的な電流に、灰野は身をこわばらせた。

水谷の舌先が灰野の耳朶の表面をねぶり、やがて唾液と共に、ぬるりと耳孔に潜り込んだ。ひっ、と灰野は悲鳴を発した。



「あっぁ・・・・・・・ぁぁ・・・・・・・ん、ン・・・・・・ん・・・・・・・、ぁ・・・・・・・!」



巧みな唇と舌で性感の存処を煽られた。

自らの皮膚の濡らされる音が、いやらしく大きく聴覚に響き、熱病のように全身がヒクヒクと反応した。



「はぁっ・・・・・・・・ぁぁ・・・・・・っ」



抗う余力が四肢から消え去った。もう、水谷の思い通りになるだけだった。


「ぅ・・・・・んぅ・・・・ぅ、ぅ・・・・・・」


嗚咽が止まらない。

耐え難い敗北であり、羞恥だ。

この男の前で泣き続けるなんて。啼き続けるなんて。

死ぬほどの屈辱であり、同時に逆転した、暗い歓喜だ。



「何故、泣いている」



水谷が尋ねた。


「後悔しているか」


後悔・・・・・・何を?

過去のどの時点から間違え続けているのか、灰野には分からなくなってきていた。

逆らわずに裸のラリーズのファンとして愛される道を選べば、お互いに傷つかずに済んだのか?
そして、この男の悪評を増やし、ヒッピー達の中に繋ぎとめておけば俺は幸福になれたのか?



「・・・だから・・・言ったじゃないか・・・」



喘ぎすぎて潰れた咽喉で、灰野は呟く。


「水谷・・・君に僕はがっかりしていたんだ・・・」


「・・・・」


水谷が黙った。

灰野の暴言を罰するかのいように、水谷の手が灰野の下腹部へ回りこんだ。

これまでずっと放置されていたにも関わらず、その部分はとうに勃ちあがり濡れそぼってさえいた。
灰野のあらゆる欺瞞と虚勢を看破する手つきで、水谷の熱い指がソレを掴んだ。

昂揚を露わにしている灰野の陰茎を、ただ確かめるためだけの触り方をした。

淫乱な牝犬。そう罵られるに近かった。

灰野は身悶えした。破裂してしまうと思った。

壊れる・・・気が狂う・・・!




「みずぅ・・・・・・たぁ・・・ぁ・・・」


「灰野君・・・・水谷は川崎クラブチッタのステージにあがっても、オマエを待つことは出来るだろう」


水谷が言った。


「ひとかけらも、水谷を信じる気がないのか」


朦朧と揺れる意思の底で、灰野は水谷の声を聞いた。

・・・・何を言っているんだ!と思った。

雨と雨の間隔すら待てずに、僕は狂っているのに。

これ以上、まだ、もっと、この男と・・・。


水谷が去った後の、無限の孤独を想像した。大地が熔けて無くなるような眩暈を感じた。



「そん、な・・・・半端な触り方しないで・・・・・いかせて・・・・」



ちゃんとした音声にならぬ、吐息だけの声で灰野は哀願した。


「後ろも、君の好きに使って・・・・いいから・・・・。」


「水谷に返事をし給え。それからだ」


「返事・・・」


ぐちゃぐちゃに混獨した頭から、正しい回答など引き出せやしない。


灰野は考えるのをやめた。


「君がいなくなったら、僕は・・・」


再び、涙がこみ上げてきた。
生きていけない、と思った。

それほどまでに、この男に運命を縛られている。



「そしたら・・・・僕は吉祥寺マイナーの出演をやめて・・・フリージャズのバンドでギターでも弾いて・・・すぐに売れなくなって、君を僕から自由にしてあげるよ」


馬鹿な事を言った。

水谷を信じると、とは言えなかった。水谷を追って自分もサイケデリック~ノイズを目指すのだと、答えられなかった。

水谷の望む返事を与えられなかった。


「・・・・・っ、あ!」


灰野は身を竦めた。水谷の指が灰野の昂ぶった陰茎を強引に擦り上げ、射精させた。
自分の気持ちとは、無関係な、無理やりに強いられたソレに、快感はなかった。

ずるっと水谷の男根を躰の奥から引き抜かれた。

灰野は瞬きをした。

肉体に与えられた衝撃と虚脱感で、少し呆然とした。

自分の体内に水谷が射精しなかったことが、悲しかった。
道具以下の役立たずに、自分が成り下がった気がした。

「・・・Last One・・・?」

しゃがれ声で、それだけ尋ねた。

水谷が灰野の躰を手放した。

横倒しに、楽屋に転がされた。


「夜明けがきた」


水谷が言った。


「時代は変わっても、こちらは変わらない。とどまり、進み続ける。そして両者の間に壁があるとするならば、それも壊してやろうじゃないか。名声、名誉、それらどれもくだらないものだ。敗北の中にも勝利はある。こちらにとって勝利も敗北も関係ない。敗北したからと言って、それがなんだ。こちらはすじを通す為に戦い続けるであろう。もし勝利という言葉があるならば、それを意味するであろう」


「はっは・・・」


灰野は小さく笑った。

破鐘のように頭蓋骨が痛んだ。硬く瞼を閉じた。水谷の姿を見たくなかった。世界の全てを真っ黒に塗り潰したかった。


「うまくできない・・・・」


呪いの言葉を吐いた。


殺して貰えないなら、それを言うしかなかった。

灰野の指が、無言で、灰野の頬を撫でた。

そこにこびり付く、埃やチリを拭った。

触るな!と言いたかった。

こんな有様になってまで、優しくするなと言いたかった。

だが水谷の手をはねのける気力が、沸かなかった。

されるがままにしておいた。



「ステージで水谷と会い給え」


水谷が言った。


「音量の海から逃げてはいけない。君は僕とBlue Cheerのコピーバンドを組んだことがあるのだから」


どうしてBlue Cheerなんか。

我慢できなくなって、灰野は声を荒げた。


「消えてしまえ。君と話すことなんて、ない」


「・・・驚かないでくれ給え」


水谷の指が、灰野の頬から離れた。
身じろぎせずに、灰野は水谷の気配を背中で感じた。

水谷が黒い皮ジャンを拾い、遠ざかっていく。
その物音を、灰野は息を殺して聴き続けた。


「・・・・・・」


のろのろと躰を起こし、下着やサングラスの乱れを直した。
全身が疲労し、だるかった。


「・・・水谷」


呼びたくないのに、唇がその名前を反復する。


「水谷・・・水谷・・・」


時間を戻して、もう一度、間違っていない道を探せたとしても・・・。

結局、どうしたってこの胸全体を覆う痛みは変わらなかっただろう。


立ち上がって灰野はよろめいた。両膝をつき、四つんばいになって、嘔吐した。

胃が空になるまで、吐いた。涙も枯れるまで流した。

壊れた心も、壊した恋も、滅茶苦茶に、躰の外に吐き出してしまえたらいい。
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いくつかの作品をパクって書いてみたのだが、文章が無茶苦茶に下手で模写するのが大変である。
矢鱈と『余り使われない漢字』が多いうえに『体言止め』と言う文体が多く、非常に読み辛い。


うーむ。


リクエストがあれば続きを書くが、どーなんだろうか。

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