【四代目工藤會 継承式】
何でこんな映像がYOUTUBEにUPされているんだ。
九州地方では(私が知らないだけで)TSUTAYA等で、此のビデオがレンタル出来るんだろうか。
または『みかじめ料』と称して手売りとか。
で、意外と九州人はヤクザが嫌いじゃないから、喜んでいる・・・とか。
「工藤さん!工藤さん!」
「なんね!」
「継承式のビデオば売ってくれんね」
「そんなビデオば売れるワケないやろ!」
「そんな言わんとってっちゃ~。持っとるんやろ?」
「そら、持っとるけど、お前が見てもしゃーないやろ」
「んなぁ事、言わんとってっちゃー。皆、楽しみにしとるんやから」
「もー、お前みたいな奴が多くてうち(組)も在庫不足なんよ。俺の分まで無かけんのぉ」
「来月、継承式のビデオば見て皆で呑むんよ。頼むけんさぁー」
「しゃーないのぉ。もう、此れで俺の分はあと1本やけんのぉ。困るのぉ・・・」
「あんたん処で裏ビデオばいっぱい、買うたやないね」
「ほらぁ、お前が好きなもんやんか」
「あと、みかじめ料も正月ば、多ぉーく払ったでぇ?息子が見たい、見たいっちウルサイんよ~」
「息子は幾つになったんか?」
「来年、高校生よ。もー、親分さんに憧れて、もーピストルば練習しよるけんのぉ。嫁も、寝言でも親分さんの名前言うけん、困っとるとですよ」
「ったく。しゃーないのぉ」
とか。
ビデオを観ると厳格な美意識と言うか美学が徹底されている。とてもスナックに手榴弾を投げ込むとか、警察を殺すとか、カタギを殺すとか、漁業組合のボスと、息子と、孫まで殺すような、アルジャジーラがドキュメンタリー作ってしまうような日本最大の
『テロ組織』
とは思えないが、思えばイラクのテロ組織も美学がある。
このビデオを観ながら連中が抗争をしたり(工藤会が抗争をするのは『手段としての闘争ではなく闘争行動それ自体に価値を見出す』らしい。全く男らしい)、殺したりする最大の理由は実は
「美しくない」
と言う、ボリス・ヴィアン~サンジェルマン・デ・プレ的な理由だったりするんだろうか。
「兄貴!アイツ、俺の顔をギター・エフェクターの『FUZZ FACEそっくり』っち言うんですよ!殺してもエエですか!」
「そら、お前が実際にファズフェイスそっくりなんやけん、しゃーないやろ。俺も前から思っとったで」
なんだが、
「兄貴!アイツ、モネとマネの違いも分からんし、家にクリスチャン・ラッセンば飾っとるとですよ!」
「ほうか。ほんやったら此れ(手榴弾)使うて、クリスチャン・ラッセン燃やせや。殺やったれ!」
とか
「漁業組合の連中、『劇団☆新感線』ば見て喜んどるらしいんですわ」
「なんでか!演劇言うたらチェーホフやろ!何でベケットも分からん連中を・・・!殺ったれ!」
とかだったりして・・・と思った。
北九州県立美術館のキュレーターは、毎回、次の展示を工藤会にアドバイスを求めるとか。
「親分さん!親分さん!次の展示、どうしよーか困っとるとですよ」
「ワシが言うた印象派展はどうやったんや?」
「そーら、もう、大好評でしたわ」
「そーやろうなぁ!印象派はワシも好きやけんのぉ」
「で、次なんやけど印象派やなくて、もうチョット、インパクトが欲しいんよ」
「前が印象派やろ?・・・『ダダ』とか『未来派』はどうや」
「何ですか?それ」
「ダダとか未来派は面白いでぇ?やってみぃ。責任はワシがもったる!」
とかで、県立美術館の運営は行われているとか。
想像が膨らむ。
で、組員の日常会話が
「ええか?サトシ(子分)。義理と人情の世界で大切な事は二つだけや。何があっても、ええ女との恋愛。それとニューオリンズの音楽。つまりはデューク・エリントンの音楽や。他のモンは消えてエエ。なんでかっち醜いけんのぉ」
とボリス・ヴィアン的なモノだったり。
因みに日本のフリー・ジャズ~バップ史で北九州市は意外と大きい。
昔、北九州市に『クロンボ』と言うジャズ喫茶と言うかバーがあり、キャバレーが多かった時代のジャズマン達が仕事が終わってから、夜な夜な集まり、新しいモノが大好きな民族なのでムード・ジャズではなく『バップ』『ハードバップ』『フリー・ジャズ』等のセッションを繰り広げていた。
ヤクザはジャズが大好きなので、バップもスウィングも大歓迎だったんだとか。
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