今日は池袋鈴ん小屋でLIVE。此処で演奏するのは確か3回目。
池袋は上京した頃は好きな街だった。今と違って中古レコード屋や古着屋、洒落た花屋があったりして、シックだった。
上京の切欠は演劇で『劇団唐組:秘密の花園』を見るためだった。
上演は雑司が谷で行われたので、私にとっての東京はいきなり『雑司が谷』だった。
で、唐組に入団したら当時は劇団の事務所が下井草だったので、下井草。
ニッチな場所ばかりだ。
劇団を辞めて営業職についた時も会社が池袋だった。
あ、思えばマニ・ノイマイヤーと対バンだったのも池袋のライブ・イン・ロサだった。
で、今日はKO.DO.NAの活動史上初の
『昼間のライブ』
である。
リハは10時半!開場が12時!
もう、此れは何を意味するか、と言えば
「普段、寝ている時間に演奏する」
と言う事であり、前世がメガネザルである私にすれば矢張り現世も夜行性なワケで、太陽の光が眩し過ぎて死ぬ寸前!。
何しろ飼っているカメも夜行性だから、全て夜行性。
しかも前日に下痢になってしまい友人と電話で話しながらも排便と言うか排泄と言うか
『身体から毒素を出している』
と言う状態。
何故か『つげ義春』の『大場電気鍍金工業所』を思い出す。
「トランペッターは肺をやられる」
「それはウンコをするというよりも、腐敗した内臓を排泄しているのだった」
「捨てたはずのわたしが、今夜わたしをたずねてくるのです」
下痢をすると唇が駄目になる。体内の水分が減る事と、水分バランスが崩れるからだと思うのだが。
あとは、寝不足。
フラフラとしながら、20kgの機材とtpを抱えて池袋へ。
池袋は埼玉県の領土である。高崎線や東武東上線に乗って腐女子や、埼玉DQNが来るのである。
埼玉県の名産品って『ニンジン(赤いダイヤモンド)、人形、DQN』だけだしなぁ。
だが、埼玉県には仕事がないため彼等・彼女達は片道分の切符しか持たずに来る。
帰りの駄賃を持っていたとしても、使ってしまうのである。
その為、池袋駅周辺では前歯のない男が
「兄ちゃん、兄ちゃん、ちょっと見てよ!」
と古びた雑誌を持って近寄ってくる。雑誌は大昔の自販機エロ本である。
「兄ちゃん、兄ちゃん、これ、好きやろ?こんなん、他やったら手に入らんべ。1枚でエエけ、買うてぇな。1枚でエエけ」
と、髪はボサボサで前歯が欠損した男がシツコク言ってくる。酒臭い口臭。
一枚ってのは1万円の事である。こんな大昔の自販機本に何で1万円も払わなくてはならないんだ。
だが、埼玉県では未だに『自販機本』が稼働しており、埼玉県民の大半は
『紀伊國屋』
『ジュンク堂』
を知らない。本は自販機で買うものだ、と思っている。
「いりません。不要です」
と言うと
「このインポ野郎!てめぇ、所沢に来たらぶっ殺すからな!」
等と罵倒されるのである。
また、女性の場合は自作のBL漫画や、BL小説を売ってくる。
BL漫画と言っても製本されたものではなく、100円均一のノートに鉛筆で描いたモノが大半で、小説はガリ版なのである。
其れを一冊3千円で買え、と言うのだから困る。
「不要です!」
と断ると、目の前でリストカットしてくるので、甚だ迷惑である。
歩くのも大変で、合法ドラックで埼玉DQNが歩道に突っ込んでくる・・・と言うか、歩道を普通に走ったりしているので気をつけなければならない。
嘗ては早稲田の学生が泳いでいた場所なのだが(実は池袋は埋立地。元々は池だった。その跡地として小さな池があり金魚が泳いでいる。東口に残っている)、何時からこんな治安の悪い街になったんだ。
池袋鈴ん小屋は言ってしまえば『風俗ポイント』に所在するライブハウスである。
ストリップ小屋とラーメン屋と風俗と、ラブホテル、其れと探偵事務所と何だか人間の業を凝縮したような場所である。
で、案の定、遅刻しているので急いで行くが機材が重たい。
大体、何で携帯楽器であるトランペットなのに、機材が20kgなんだよ。
到着すると
『老けた栗山未来』
みたいなPAの人がセッティングを手伝ってくれる。
店内には既に巨大なオブジェが設置されている。『チンドンオルガニータ』の機材・・・と言うかオブジェ兼機材兼楽器と言うか。
『チンドンオルガニータ』はテンションが高く、途中で買ってきたケーキを只管、disっていた。
リハは音が出るか、どうかの確認だけ。
で、開場。
子供は3人くらい居たのかな。大人と老人と子供。
もう、メチャンコ楽しい。
最初に『ヤマザキヤマト』氏が演奏。慣れているのか、性格なのか、矢張り民族楽器の強みと、巧みなMCで盛り上がった。
「じゃ、俺は帰るか」
と思ったら、次の出番が私らしい。可也、緊張した。
私の演奏は音が大きい(と言われる)。デンマークで演奏した時は最前列にいた4歳の女の子が「怖い」と言って逃げちゃったしなぁ。
だが、bullet`sでは2歳の男の子が踊り狂っていた。
さてさて、どーなるか・・・
一曲目は今年、作った曲。
2曲目は1年ぶりに『鳥の会議』を演奏。思えばBullet‘sで1年前に演奏して以来、やってないのである。
不安だったが、意外と子供が喜んでいる。2歳の子がマイクに向かって何か言う。念のためディレイをかけていたのだが、良いタイミングで歌ってくれる。
店のピアノはKAWAI製で私が一番、好きなピアノ・メーカーである。深く、静かに響いてくれる。
最後はノイズ的な曲。俯いて吹いているので反応は分からず。
前日の下痢が響いており、幾つかミスったが。
終わってからビール。あとは一寸、子供と遊ぶ。
チンドンオルガニータを聴きながら騒ぐ。
2歳児がステージで大暴れ。マイクを奪い合っていたり、演奏を邪魔している、と思ったら合いの手を入れて客席が沸いたり。もう、死ぬほど可愛い!。
あー、自分が主催じゃないライブって何て楽しいんだ。すっげぇ楽しい。
帰路途中で『博多天神』と言う豚骨ラーメン屋でラーメンを食べる。若干、不味い。味が薄すぎるだろ!と思いながらも黙々と食べる。
何故か街に子供が多い。
恐らく池袋でも何かイベントがあったのかも(外で何かイベント事的な音が聞こえていたので)。
和服の男性がいる、と思ったら『コスプレをしている男性』だったり。
駅についたら、先に書いた『エロ写真売り』の男が警官5人から拘束されていた。
男は地面にうつ伏せの状態で拘束されており、
「なんじゃー!なんじゃー!お前ら、ニンジン食わせんぞ!ニンジン食うなよ!埼玉、埼玉って馬鹿にするじゃなかー!」
と叫んでいたが、若い警官が男の後頭部目掛けて警防を振り下ろした。
「ッゴ!」
と鈍い音がした。
男は無言になった。
若い警官は其れでも何度も何度も警防を男に振り下ろしていた。
『路上BL漫画売り』は購買を断られたのか手首から血を流しながら、断ったと思われる男性に
「ジャスコもある!イオンもある!埼玉、埼玉って馬鹿にすっでねー!」
と血で汚れた自作BL漫画を握りしめながら怒鳴っていた。
楽しかったので、グッタリ。
子供は面白い。
0 件のコメント:
コメントを投稿