「届くのは」
「11日になりますね」
「はぁ?以前は翌日には届いただろ!?」
「いやー、どうしても11日になっちゃうんですよ。または速達か
「速達?ってか、おい!」
「どうしても普通郵便なので」
「ぐぬぬ!オメーにとっちゃ普通郵便かもしれないが俺にとっては
「いやー、無理っすね」
「無理じゃない!何の為にテメー等は自転車と車を持ってんだ!俺
「其れは其方の都合ですから」
「お客様は神様だろ!」
「いえ、神は死にました」
「え?!何時の間に?」
「昨年の3月でしたかね。階段から降りようとしたら落っこちてし まい、其れで」
「遺言は?」
「確か『もっと光を!』」でしたね。何しろ46億歳と高齢でした から」
「まぁ46億歳だとねぇ」
「良い人だったんですけどねぇ」
「怒ると何するか判らん人でしたけども」
「まぁ、そうでしたな。只、お酒は好きだったみたいですね」
「ああ、ワインね。呑むと陽気な人でしたね。普段はムッツリでし たけど」
「あの人と呑むのは皆、好きだったみたいですね」
「楽しい酒でしたからね」
「惜しい人でしたね」
「そうですね・・・」
「まぁ、そんなワケで神も死んだ事ですし、マルクスも死にました 。ですので普通郵便は普通郵便として11日に到着です」
「とほほ・・・神さえ生きていれば」
「そうですね。神さえ生きていれば此方も当日には届ける事が出来 たんですが。神亡き世界では、どうする事も・・・」
「世紀末覇者にでもなるしかないですかね」
「しかし北斗ナントカ拳は一子相伝ですからねぇ。お宅、ご実家の 家業は?」
「介護と金貸しです」
「拳法家じゃないんですね。じゃ、無理だ」
「介護じゃ世紀末覇者にはなれませんしねぇ」「むしろ世紀末覇者 にやっつけられた人を介護す
る仕事ですからね」
「神もいないし、世紀末覇者にもなれない。お先真っ暗ですな」
「まぁまぁ。そう落胆しなさんな。果報は寝て待て。11日には届 きますから其れまで寝てなさい。最近は夜は冷えますし」
「そうですね。じゃあ、宜しくお願いします」
「おやすみなさい。 良い夢を」
と郵便局を後にしたのだが、どう考えても騙されている気がするの は俺だけか?
と郵便局を後にしたのだが、どう考えても騙されている気がするの
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