①
以前から書いている『大杉集落最大の悪女』である『キヨ(78歳だが90歳に見える)』さんだが今日、近隣の住民から訂正が入った。
「キヨを口説くときは若い男性(60代)達が生卵と御飯を持ってくる」
と書いたのだが違うらしい。
まずは自分の畑で取れた収穫物(ナスとかピーマンとか)や日本酒を持っていくらしい。
で、『キヨ』は100円で買ってきた中国製のギョーザで持て成すんだとか。
だ!が!
そんな『きよ』が本気で「この男を落とそう!」と思った時に『だけ』、
生卵と御飯
が出るらしい。その
『悪魔の卵』
と
『悪魔のお米』
を食べたが最後。朝帰りとなり、そしてキヨの畑で無償の愛なのか、ウンザリなのか、労働をさせられるらしい。
だからキヨにとって『生卵』『御飯』は
女スイッチ・オン!
なのである。
因みに100円のギョーザに関しては中国製のギョーザは「危ない」と言うのはキヨも知っているらしいのだが「萌えない男にはギョーザで良いのよ」と思ってんだとか。
何しろキヨさんは嘗てはスナック経営者。男と言う生物に関してはファーブルよりも詳しい。
で、キヨと一発やっちゃった男たち(60代)はキヨの畑で働かされるのである。その表情は憮然と言うか能面のような表情と言うか、まるでブゥードゥ教のゾンビのようだ、との談。
そんなキヨは良く猫の飼主邸に一時期は来ていたらしい。来ていた理由は
「あの家にはマッカラン(ウィスキー)がある」
と言う理由。恐らくキヨさんがマッカランを見かけたのも飲んだのも数十年ぶりだろう。其れで安酒を持って来て、マッカランを開けて帰っていたらしい。雰囲気を察したキヨさんは最近は来ない
で、そんな限界集落の男達の『高嶺の花』が『山岡石材の令嬢』なんだが、74歳である。その令嬢の姑ってのが、まだ生きてて100歳らしい。どうして、こんな僻地で長生きが出来るのか判らないが(介護も限界があるだろうに)100歳とは思えないほど元気なんだとか。
で、令嬢と言っても金持ちの娘とかじゃなくて
「いや、単に借金がないってだけなんだけどね。この辺で借金がない、ってだけで令嬢だから」
と言うレベル。だが、令嬢なのである。74歳だが皆の憧れの的。
それと双璧を成すのが『キヨ』と言う悪女。
限界集落ではあるが、立派に無駄に何かが成り立っている・・・気がする。
②
家主が「今日は饂飩を食べに行こう!」と言う。「その後、吉野川に行こうよ」と。
そう言えばウドン屋に行くと良いよ、と飼主の夫も言っていた。どんなウドン屋なんだろうか。
「石材屋が趣味で始めたウドン屋なんだけどさ、美味しいんだわ!これが」
「はぁ」
「石材屋の趣味だからさ、営業時間外にウドンを捏ねるのね。で、石材の仕事が始まると『大好きなウドンの時間が終った・・・』って憂鬱な顔すんのよ」
「へー」
「でも、美味しいのよ」
「そうですか」
で、スニーカーを履いて行こうとするとサンダルにしろ、と言う。
「だって吉野川に行くんだから」
「?」
で、車でウドン屋へ。因みに近隣では最も『HIP』で『COOL』な店となっている・・・らしい。で、店に行くと
「え?」
と思った。この概観である。
・・・バラックじゃないか!石材屋が趣味で始めた店なので店の敷地内には石材屋の『作品』が置いてある。
因みに、この地域で『アーティスト』『クリエイター』と呼ばれるのは『石材屋』『石工』だけである。
フリーメイソンか、って。
(大豊町の現代アート)
(大豊町の現代アート)
(別の石材屋の現代アート)
だが店舗に入ると、キチンとした店内なのである。因みに大豊町にしては少し割高な値段なので客は少なかった。
「外で食べますか?中で食べますか?」
「外で食べますー」
と言う。外が『オープンカフェ』になっているんだそうで。だが『オープンカフェ』と言うか、横には古いバイクが埃を被っており、多趣味な店主が一時期は凝ったであろう高価なオーディオやスピーカーが転がっている。
因みにオーディオ・マニアの音楽の趣味は悪い、と相場が決まっておりCDを見たが童謡だったり、美空ひばりだったり、糞どーでも良いモノばかりだった。
「ここって物置じゃないですかね?」
「オープンカフェだよ!」
何処となく80年代のお洒落なカフェバーを彷彿させるが、そうらしい。因みに私は柚子ウドンを食べた。確かに美味い。
家主はチーズをまぶした奇怪なウドンを食べていた。ウドンとチーズ、と言う組合せは流石に私でも「・・・」と言葉を失う程だったが、この集落で『カロリー』を摂取するのは大変なんである。
「嗚呼!カロリーの味がする!」
と家主は感動していた。
③
食べ終わって
「じゃあ、吉野川に行こう!」
と言う。店の裏に行くと犬がいる。犬と少し遊ぶ。犬小屋の横に横道が出来ており、急な下り坂がある。
その下り坂を下りると吉野川に行ける。
因みに、このウドン屋兼石材屋兼キャンプ場経営者の最大の功績は
「吉野川の畔に行ける道を作ったこと」
らしい。アスファルトで固めただけなんだが、勝手に道を作ってんだから偉い・・・のか?そう言えばキャンプ場も経営しているらしく、トイレに行くと張り紙が
バーベキューと言う単語は比較的、新しいのだろうか。この張り紙を作ったときの光景が眼に浮かぶ。
「バーベキューだっけ?」
「焼肉で良いんじゃない?」
「いや、それじゃ雰囲気が出ないだろ」
「雰囲気ねぇ」
「バーベキュウーの方が発音としては正しいのかな」
「バーベキューだと確かに軽率な気もするわね」
「ウーを入れた方が本格的な感じもするな」
「そうね」
「うん!やっぱりバーベキュウーだ!」
そんな事を考えながら坂を下ると吉野川。物凄い透明度。
鮎の産卵地でもあるらしい。確かにこんな川にブルーギルやブラックバスは生息出来ないよなぁ。
で、見ていると家主がドンドンと川に入っていく。
「え?川に入るんですか」
「当たり前じゃないか!この吉野川に入らないと吉野川は堪能出来ないじゃないか!」
「はぁ」
「KO.DO.NA君も入れ!」
「え?」
「だからサンダルにしろ、って言ったんだよ~。ジーパンの裾を捲って入りなよ」
家主は妙な勢いと言うか無駄な説得力は強くて、何故か私も川へ。そう言う趣味はホンッとにないのだけども。
入ると川の勢いが強い。「うわ!流されそう」と驚く。
(大自然の力に負けそうなKO.DO.NA)
「もっと深いところに来なきゃ駄目だ!」
と言うので連れて行かれる。
ジーパンが濡れる。何故か洋服が濡れると悲しくなる。
と言うか、川の流れは意外と激しくて踏ん張らないとズッコケそうである。結構、怖い。
(大自然の力にあがらうKO.DO.NA)
「この川に入ると身体の油が抜けるのだー!うぉー!」
家主は天変地異や台風などに遭遇すると激しくHIGHになる人で、川で一人で大騒ぎしている。私は静かにHIGH。
確かに綺麗な川だし、浸かると何だかHIGH。
川から出ると頭が痛い・・・と言うか数日前から痛かったのだが、妙に痛む。ズキズキとするのである。
「なーんか、頭が痛いんですよね」
「え?脳梗塞の前触れじゃない?!」
「そんな馬鹿な」
「だって三十台半ばが脳梗塞ってのは良くある話だから」
気力が落ちている時に、こう言う事を言われると真に受けてしまうのは何故なんだろうか。
「じゃあ、病院に行こう!」
と大豊町中央病院に行く。
この病院ってが、また奇妙なアートと言うか建築物と言うか、そう言うので覆われている。この集落で『アーティスト』『芸術』『都市計画』を担っているのは石材屋、と言うフリーメイソンの起源みたいな感じなので(フリーメイソンって元は石工の組合だしな)、そう言う『大豊メイソンの集大成!』と言う感じ。
ずぶ濡れになった「トホホ」な自分を「とほほ。35歳。ナポレオンなら既に国王。ラストエンペラーの溥儀だったら既に満州国王。私の両親だったら既に会社の一つや二つを起こしている頃っつーのに、この情けない有様・・・」と言うと家主が写真を撮ってくれた。
1時間待って診察を受けたら風邪。注射のお陰なのか一発で治ったが。
猫達は元気
マーチンも夜になると窓ガラスに現れる虫を狙っている。
で、猫は箱が好き。
(箱猫)
駐車場の前に巣を張った蜘蛛も獲物には不自由しないのか、丸々と太っている。日々の仕事とスキルの積み重ねである。
しかし土佐から帰宅して、毎日、13~16時間も連続で眠っている。何でなんだろう。
無茶苦茶な睡眠時間である。長すぎる、のである。どうしたんだろ
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