2016年5月28日土曜日

おきあがり赤ちゃん


フライヤーを配る為に高円寺へ。
予定では高円寺RAREに『村八分』のCDが1000円で売っていたので、其れを買おうと思っていた。
-
円盤にフライヤーの折込をお願いするのだが、CDショップだし無料でってのも何だか気がひける。
何か安いものでも・・・と思ったら、こんなCDがあった。

『おきあがあり赤ちゃん』
              



有無を言わず買ってしまった。
金欠なので上限は500円だったのだがお会計は

「1750円です」

とアベノミクスを痛感。


俺の一日の生活費以上じゃないか。

フライヤーを配りに行ったのか、CDを買いに行ったのか分からん。
思えば新作と言うか

『ライブ会場での物販』
『貰ったCD』
『中古盤」

のCDを買ったのは・・・確か1年前だったと思う。メレディス・モンクのCDだったか、デイヴィット・チューダーのCDだったか、ミニマル系のCDだったか、其れを新宿のタワーレコードで買ったのが最後だった。


音楽をやっているのに、音楽CDを買わないとは!と思うのだが、20代から30代半ばまでは鬼のように買っていた。

『高円寺RARE』

のジャズ・コーナーとか一時期、品薄になったほど。

高円寺『ヨーロピアン・パパ』もバカスカと買っていた。
一番、買っていた時期は誰もがそうだったように高校生~学生時代。

DJをやっていたこともあるのだが日課のように一日1枚~2枚は買っていた。

誰もがそうだと思うのだが年齢と共に音楽メディア、本、洋服を買わなくなる。
映画は別かもしれないが新作を観なくなる。

『音楽CD』
『音楽メディア』

と言うモノに対して、性欲にも似た衝動があった時期あるものである。
其れと自分で曲を作り始めた動機が

「聴きたい音楽がなくなっちゃった」
「じゃあ、自分で作ろう」

だったからかも。

私が作る曲は私が聴きたい音楽。





昼間の高円寺円盤でふと、此れを手にとった。裏面を観ると

『プロフィール
1957年千葉市生まれ。赤ちゃんでもわかるPOPな現代音楽?!。赤ちゃんをあやすガラガラと起き上がりこぼしの音だけで作りました。
音の加工はSoundEngine宅録。
音楽経験がないので楽器は使っていません。好きな音楽は云々』
とある。



SoundEngineは私も散々、使い倒しているソフトだが無料のソフト。



音楽をやる人は普通、こう言うソフトは使わない。
使わない、と言うか公言しない。

凄いマスタリング・ソフトなのだが「有料と無料では、有料の方が格が違う」と言うのがDAW界隈の発言。

ってか、SoundEngineって録音は出来るけど、DAWのような便利な使い方は出来ない。
何しろVSTもプラグインも使えないし、O/Iも使えない。

原始的なデザインと言う事もあり、原始的な録音しか出来ない。




自転車で立ち漕ぎで急いで家に戻る。
部屋へ入って袋からCDを出すのだがラミネートが綺麗に破れない。

何故か焦る。

何度、爪を立ててもラミネートの糊が外れないのである。


「どんな音か早く聴きたい!」

と仕方がないのでライターで炙って開けた。







女性経験が『日露戦争でに日本軍前線兵士』の生き残りよりも少なかった頃。


女性と致す際に洋服を脱がせる。


ところが男性の洋服と違って、女性の洋服は上から下まで脱がせるのに手間が掛かるものが多い。

特にブラジャー。

構造は分かるのだが「早く取らなければ」と言う焦りだけが通過する。


音楽と肉欲は似ている。

「急いで脱がせたい!」

と言う衝動は久し振りだな、と思う。


無理矢理、空けてCDプレイヤーに叩き込む。
嗚呼・・・音楽だ・・・と思う。


映画『黒猫・白猫』に老いて病院暮らしをしている祖父の為に孫が楽団を率いて目の前で演奏させる。すると老人が

「ああ!音楽だ!!!」

と急に元気になって退院する、と言うシーンが好きだ。
音楽は、どんな薬よりも効く。






『村八分』のCDは買わなかった。
だけども全盛期の山口富士夫が束になっても敵わない音がスピーカーから流れてくる。



今、『音楽』を聴いている。



音楽って何だろう?
其れに対しての純粋な姿勢なのかもしれない。




2016年5月25日水曜日

子供のリズム/親のリズム



最近。

アパートの向いに古い家がある。老婆が住んでいるのだが、近隣の野良猫達に餌を提供する人でもある。

老婆だが娘がいるのか毎週、土曜日になると孫を連れてくる。
孫は祖母の家が嫌なのか、もう「此れでもか!」と言う程、一日中、泣き叫んでいる。
思えば、近隣は古い住宅街なので家も古かったりして子供心としては怖いのかもしれないし、祖母が怖いのかもしれないし、そう言う子なのかもしれない。
で、赤子の泣きって独特だ。
「ぎゃわぁーん!ぎゃわぁーん!ぎゃわぁーん!」
と一定のリズムではなく

「ぎゃわぁーん!ぐぇっぐえっっ!ぎゃわぁーん!ぎゃわぁーん!ドゥウェッッツッツ・・・ッツ・・・
ドゥウェッッ・・・ドゥウっ!ぎゃわぁーん!」

と聴くものをイライラさせるように出来ている。イライラと言うか嫌でも耳を持っていかれる、と言うか。




其処で母親(母親じゃなくても良いんだけど)が先祖代々から受け継がれた秘技であり奥義を出す。
すわ

『子守唄』
である。
考えてみれば『子守唄』でなくても良い気がするのだが、構造としては

『非リズム』
に対して
『リズム』

で抑えこむ、と言う気もする。
だったらHIPHOPでも良い気もする。

マイクチェック!マイクチェック!
此処はグランド・マザーのハウス!
お前のファックな声が、
俺のイヤーを刺激する。
SP1200のリズムに乗って
お前を抱っこする。
お前の重量1000mg
ウンコをすると多少、減る。
おしめ代は月5000円。
お前の養育費は意外と高ぇ。
出て来るときはマジ痛ぇ。
出てきてからは財布が痛ぇ。
馬鹿なグイドが中で出す。
するとテメーがSP1200のトラックでメイキング
此れで遺伝子完了。
俺のDNAがお前の半分。


とか。
これ、意外と子守唄代わりに行けると思うのだが「子守唄がHIPHOPでした」と言う人に会ったことがない。
初めてHIPHOPを聴いたのは高校1年生だったか中学3年生だったか。
初めて聴いた時の衝撃は凄かった。

既にギャングスター・ラップが王道になっていたし、過激な音楽なのだ、と言う認識はあったが、過激な音楽であるはずなのに、そのファットなリズムが子守唄的にとても柔らかく聴こえた。
思えば不思議なもんだ。
しかし、向いの家に毎週来る母子の子供は祖母と言う存在がいながらも何で12時間なら12時間、泣いているんだ。

此れを聴かせたら泣き止む気がするのだが。







鳥の会議#7
~riunione dell'uccello#7~
2016/06/02(THU)
場所:西麻布BULLET`S
開場 19:00/開演 19:30
料金 エントランスフリー(要ワンドリンクオーダー)
http://torinokaigi.web.fc2.com/
------------------------------
出演
【米本 実】
1969年東京生まれ。
1996年日本大学芸術学部大学院芸術学研究科音楽芸術専攻修士課程修了。
音楽とテクノロジーの関わりをテーマに、自作の電気楽器を用いた電子音楽の作曲、パフォーマンスを行なっている
2008年オーム社より「楽しい電子楽器 自作のススメ」を出版。
自他ともに認める、東東京が生んだハンダ付けのうまい音楽家。
http://homepage3.nifty.com/yonemino/

【池田 拓実】
コンピュータ音楽家。音楽用または汎用プログラム言語を用いた作品制作とライブ活動。「方法マシン」に参加(04-06年)。第4回AACサウンドパフォーマンス道場優秀賞。「Music as film」他、七里圭監督作品の音楽制作。多井智紀・木下正道と共に「電力音楽演奏会」を不定期に挙行。作曲家としても活動、主な作品はPOING(ノルウェー)、大井浩明、実験音楽とシアターのためのアンサンブル、タンブッコ・パーカッション・アンサンブル(メキシコ)、東京現音計画によって委嘱初演された。近作に弦楽四重奏曲「step into the same river」(2016年3月初演)。7月に女木島にてピアノのための小品、8月に日本エレクトリック大正琴連合(JETA)のための新作をそれぞれ初演予定。現在、Ruby+LilyPondのための作曲支援プログラムLotusRootを開発中。
http://de-dicto.net/wp
http://i9ed.blogspot.jp/

【James Hadfield】
イギリシ出身のライター、素人ミュージシャン。2002年に日本上陸して、2006年から東京に住んでいる。管楽器を中心にして、Jahiliyyah、Human Wife、SHIT!、エッチ焼身、The HNK Experienceなど、様々なバンドに巻き込まれてきた。今回は数年ぶりにソロ演奏として出演する。

【KO.DO.NA】
クラブDJ・即興演奏・現代音楽を経て、劇団唐組に入団。退団後は劇中音楽の作曲や、Improvisation主体のバンドにて活動。
2006年 Musical For Kitchen Records より『小人の化学』をリリース。 2010年 ルクセンブルグの soundzfromnowhere より「riunione dell'uccello」をリリース。 現在は主に、西麻布「BULLET'S」六本木「SuperDeluxe」に出演。 2013年、NY、韓国、デンマークにてツアーを行う。 また、舞台音楽・即興演奏・楽曲演奏と幅広く活動中。2014年、デンマークツアーを行う。
2015年、コペンハーゲンのレーベル『HIPSTER record』より「Riunione Dell’uccello」リリース
また、舞台音楽・即興演奏・楽曲演奏と幅広く活動中。
http://kodona.web.fc2.com/indx.html

【DJ Youzy】

北九州生まれの津田沼育ち。悪そうな奴らは全然友達じゃなかった青春時代を過ごす。日本のアングラから、なぜかワールドミュージックを経て、数年前より西アフリカファンクにどっぷりとつかる。
2015年、音楽探訪旅行でマリからナイジェリアまで陸路で行き、マリではSuper Djata Bandのギタリストにアフリカンスタイルのギターを師事。各地でマンディングポップからハイライフ、アフロビートなどのライヴに通い、レコードを探す。
70年代のアフロファンクを中心に、スピリチュアルジャズ、レアグルーヴまでブラックミュージック中心に回します。
totoro.toro.toro、アクセル長尾と焚き火楽団にギターで参加。高円寺なんとかBARの毎月第4土曜日当番。

2016年5月13日金曜日

鴻上尚史に聴いても仕方がない。


【第17話】 鴻上尚史に、再び登場! 「創作がガラッと変わった95年という年」

http://www.moae.jp/comic/mangakarestart/17/1





鴻上尚史に意見を聞いても仕方がない気がする。

95年に観客の意識が変わったワケではないと思う。地下鉄サリン事件以前も不条理な出来事は多数あったワケだし、其れに演劇がリンクしたか?って言えばしてない。

鴻上尚史は時代とリンクしていた、と思っているんだろうか。
鴻上尚史にせよ、野田秀樹にせよ、彼等がリンク出来たのはサブカルチャーと言う巨大資本であって、時代とリンクしたワケではない。

「不条理演劇が95年を境に通じなくなった」

のではなく
「鴻上尚史~劇団第三舞台と言う作風が95年の段階で終わった」

と言うだけである。

だって、歴史を通じてギリシャ悲劇もシェークスピアもチェーホフもベケットもイヨネスコも滅茶苦茶に不条理だし、同時に歴史は演劇よりも不条理に進んでいたワケでさ。

だったら

「キリストが死んでからギリシャ悲劇が通じなくなった」

「第一次世界大戦以降、シェークスピアが通じなくなった」

でも良いわけですよ。



ってか、鴻上尚史と言うか第三舞台全盛期の時代に既にアングラ演劇は通じなくなっていた(らしい)。

野田秀樹曰く、テント芝居や暗黒舞踏を観てもピンと来なくなっていた。だから『劇団夢の遊眠社』になるのだが、野田秀樹の作風は、其れまでのアングラ演劇直系である。
同時に鴻上尚史もテントで演劇をやっていた位だし、鴻上尚史が手本にしたのは、恐らく唐十郎。

ただ、その泥臭さが嫌だった、と言うのが小劇場ブームである。

不条理演劇は鴻上尚史のモノではないし、チェーホフなんて死ぬほどブラックだし、不条理。

で、時代考察が大好きな別役実が95年以前と、以降で作風が変わったか?って言えば全く変わってない。
唐十郎も変わってない(細かい部分での変化はあるが)。


何をヌカしとんねん、って思う。


だが。


鴻上尚史ってのは其れまでの演劇以降を作った部分は大きいんだよな。

「どうすれば演劇で食えるか?」

と言うのを、本質的に考え始めた最初の人なんじゃないか、と思う。

其れまでのアングラ演劇だと座長や劇作家だけが食えて、あとは乞食。
座長や劇作家と言うBOSSがいて、役者と言う下僕がいる、と言うのがアングラ演劇である。

そう言う意味で学生運動と言うか赤軍的なニュアンスがある。

唐組に在籍していた頃に、当時の劇団の主な思案は

「新興宗教と劇団、何の違いがあるんだろう?」

だった。

南河内万歳一座の座長が唐十郎に

「何の違いがあるんですかねぇ」

と尋ねた事があったが唐さんは「いやぁ~」と苦笑いで答えなかった。

新興宗教団体と劇団の違いって、『主な目的を演劇とするか、否か』だけなんだよな。

少なくとも『アングラ演劇』『小劇場』と呼ばれる劇団にとっては其のくらいの違いしか無かった。

教祖が教団の美女を喰うのと同じで、劇団の座長も女優を喰うし。

非常に閉鎖的でトップダウン式。

其れに対してアンチを唱えるって、相当な事なんだけども(新劇にアンチを言ったアングラよりも激しい)。



80年代から90年代中頃までの小劇場ブームは未だ研究しなければならないテーマで、つまりは

『サブカルチャー』

と言うモンが初めて『カネになる』『経済』『資本』になった瞬間だったんだよな。

其れまでにグループ・サウンズとかヒッピーだとか、みゆき族だとか、学生運動だとかあったが、其れが『経済効果』を産んだか?って言う。

もっと言えば『フォーク』『ジャズ』『フリー・ジャズ』『ロック』ですら経済効果は薄かった。
伝説だった『はっぴいえんど』や『村八分』ですら食えなかった(『はっぴいえんど』はスタジオ・バンドの側面が強かったと思う。『村八分』はディスコで演奏)。

初めて食えたのが『キャロル』だった。

キャロルがサブカルチャーとして数億円が動いたか?って言うとビミョーな処。

個人的に日本の『サブカルチャー』『メインストリームではないカルチャー』と言うのは小劇場ブームの頃からだったと思う。


「ワケが判らない事が金になる」

と言うか。もっと言えば

「若い人達が好む、ワケが判らない事が、大人にとっては金になる」

と言うか。

其れが駄目だと言うワケではない。

凶暴で泥臭い団塊世代が終わり、団塊Jrの世代になって、最初の弾数が多いから、人数も多く、戦中派から団塊世代にかけての努力と、光り輝く忍耐により多少の裕福さ。
通信回線の革新(電話ファックス登場と、チケットぴあ、電話レンタル開始)。
コンピュータの一般化。

其れを背景にした小劇場ブームが残した物は数え切れない程の遺産と、負の遺産がある。


鴻上尚史が言うように95年頃から変わったのだと思う。其れは観客が変わったワケではなくて、『小劇場ブームor鴻上尚史』が終わったんだよな。

其れが次に何処に行ったか?って言えばCDバブルがあり、ギャルやファッション、音楽が漸く金になる、と言うか(渋谷系やユーロビート、J-pop)。


『若者文化』


というモノは其れこそ明治時代にも江戸時代にも平安時代にもあったワケだが(平安時代の若者文化の金字塔が『源氏物語』と『蹴鞠』)、其れが巨大資本を纏って・・・ってのは小劇場ブームの頃からだった、と断言しても良いと思う。

歴史的には明治~大正~昭和初期の『モボ・モガ』とかあるんだけども、経済史で言えば小劇場ブームだろうなぁと。

鴻上尚史の芝居が当初は難解だったか?って言えば非常に分かり易い。
夢の遊眠社も分かり易い。

ただ、役者が今のレベルとは違うので可也、荒削りではあるが。

あと、不条理演劇をやっていたが夢の遊眠社も劇団第三舞台も数万人の動員があった。
一回の公演で数千人相手に不条理演劇が通じるわけがない。


ベケットの『ゴドーを待ちながら』の初演で観客動員数が何人だったよ?って言う。ってかベケットを数千人の前で上演された、という話は聞いたことがない。

鴻上尚史の言う95年は『小劇場をルーツとする劇団の規模が大きくなりすぎて、結果的に通じなくなった』と言うか。

岡林信康が規模が大きくなり過ぎて一旦、引退したのを思い出す。


で、此れは小劇場について、とか不条理演劇について、とか「ワケが判らないモノ」について書いているのではなく、音楽について書いているつもりである。


今はAKBを筆頭にアイドルが『サブカルチャー資本』の最前衛かも知れない。

其れと同時にNOISEも大友良英や灰野敬二、非常階段の努力により『サブカルチャー資本』の最前衛ではないかもしれないが、少なくとも

HIP

COOL

と言う事になっている。

だから心配なのは、小劇場ブームが突然、終わったようにNOISEなども突然、終わるんではないか?と思う。

大友良英や灰野敬二、非常階段が後任の為に・・・とは考え難い。
そう言うミュージシャンで後任の育成をしたのは、私が知る限り向井千恵さんだけである。


で、だ。


小劇場ブームの成果は言ってしまえば『夢の遊眠社、第三舞台、東京サンシャインボーイズ、劇団300』の独占だった。

話によると当時、映画だと『安い』。ホテルやリゾートは高すぎる。其処で小劇場と言うのが大体、デートで1万円前後。

そんなニュアンスで皆、観ていた。つまりデートスポットだ。


「ワケが判らないモノ」


を求める人は一定数いると思う。ただ、その一定数が(NOISEに限って言えば)大友良英や灰野敬二、非常階段の御三家だけ。
全体としてボトムアップがあったワケではない。

其れは紹介するメディアにもよるが、やはり『ゲージツ家』というニュアンスなんだよな。

ゲージュツ家=HIPでCOOL

と言うか。

そう言う人のライブで女を口説けるか?って言う。

『あまちゃんバンド』

とかなら行けるかもしれないが。



小劇場はバブル経済も相まって1公演に一千万円と言われていた。

95年に平田オリザがデビューする。

つまり、不条理演劇がハードコア化した、と言う事なワケで。

一千万円に対して150万円と言う制作費と、其れでもギャラを出す、とか『劇団員(座長、制作フタッフも含めて)が演劇で食う』と言うのを初めて実現したワケで。


観客は変わらない。


どうやって、其れを見せるか?と言う処だと思う。
また、人と人が出会う切欠に、と言うか。


鳥の会議#7
~riunione dell'uccello#7~
2016/06/02(THU)
場所:西麻布BULLET`S
開場 19:00/開演 19:30

料金 エントランスフリー(要ワンドリンクオーダー)
http://torinokaigi.web.fc2.com/

------------------------------
出演
【米本 実】
1969年東京生まれ。
1996年日本大学芸術学部大学院芸術学研究科音楽芸術専攻修士課程修了。
音楽とテクノロジーの関わりをテーマに、自作の電気楽器を用いた電子音楽の作曲、パフォーマンスを行なっている。
2008年オーム社より「楽しい電子楽器 自作のススメ」を出版。
自他ともに認める、東東京が生んだハンダ付けのうまい音楽家。
http://homepage3.nifty.com/yonemino/
【池田 拓実】
コンピュータ音楽家。音楽用または汎用プログラム言語を用いた作品制作とライブ活動。「方法マシン」に参加(04-06年)。第4回AACサウンドパフォーマンス道場優秀賞。「Music as film」他、七里圭監督作品の音楽制作。多井智紀・木下正道と共に「電力音楽演奏会」を不定期に挙行。作曲家としても活動、主な作品はPOING(ノルウェー)、大井浩明、実験音楽とシアターのためのアンサンブル、タンブッコ・パーカッション・アンサンブル(メキシコ)、東京現音計画によって委嘱初演された。近作に弦楽四重奏曲「step into the same river」(2016年3月初演)。7月に女木島にてピアノのための小品、8月に日本エレクトリック大正琴連合(JETA)のための新作をそれぞれ初演予定。現在、Ruby+LilyPondのための作曲支援プログラムLotusRootを開発中。
http://de-dicto.net/wp
http://i9ed.blogspot.jp/
【James Hadfield】
イギリシ出身のライター、素人ミュージシャン。2002年に日本上陸して、2006年から東京に住んでいる。管楽器を中心にして、Jahiliyyah、Human Wife、SHIT!、エッチ焼身、The HNK Experienceなど、様々なバンドに巻き込まれてきた。今回は数年ぶりにソロ演奏として出演する。
【KO.DO.NA】
クラブDJ・即興演奏・現代音楽を経て、劇団唐組に入団。退団後は劇中音楽の作曲や、Improvisation主体のバンドにて活動。
2006年 Musical For Kitchen Records より『小人の化学』をリリース。 2010年 ルクセンブルグの soundzfromnowhere より「riunione dell'uccello」をリリース。 現在は主に、西麻布「BULLET'S」六本木「SuperDeluxe」に出演。 2013年、NY、韓国、デンマークにてツアーを行う。 また、舞台音楽・即興演奏・楽曲演奏と幅広く活動中。2014年、デンマークツアーを行う。
2015年、コペンハーゲンのレーベル『HIPSTER record』より「Riunione Dell’uccello」リリース
また、舞台音楽・即興演奏・楽曲演奏と幅広く活動中。
http://kodona.web.fc2.com/
【DJ Youzy】
北九州生まれの津田沼育ち。悪そうな奴らは全然友達じゃなかった青春時代を過ごす。日本のアングラから、なぜかワールドミュージックを経て、数年前より西アフリカファンクにどっぷりとつかる。
2015年、音楽探訪旅行でマリからナイジェリアまで陸路で行き、マリではSuper Djata Bandのギタリストにアフリカンスタイルのギターを師事。各地でマンディングポップからハイライフ、アフロビートなどのライヴに通い、レコードを探す。
70年代のアフロファンクを中心に、スピリチュアルジャズ、レアグルーヴまでブラックミュージック中心に回します。
totoro.toro.toro、アクセル長尾と焚き火楽団にギターで参加。高円寺なんとかBARの毎月第4土曜日当番。

2016年5月11日水曜日

Celine Bacque

서울의 밤.
한 명의 프랑스 인과 수다.
서로 엉망 영어.
그녀는 불어.
저는 일본어.
영어는 모국어가 아니다.
하지만 수다.
그녀는 자신의 일을 말하고, 나는 그녀의 이야기를 듣는다.
북위 38도 너머에서 미사일 실험을하고있다.
나는 프랑스 인 여성과 이야기하고있다.
때때로 서로의 말을 모르겠어요.
"아무튼, 좋은?"라고 대화를 진행한다.
미사일은 아무런 진전이 없었지만, 그녀와 나의 대화는 진전한다.
댄스를하고 있다고 말한다.
모던 댄스 같은 춤이었다.
불교에 관심이 있다고 말한다.
나는 무용하지 않으며 기독교인이다.
"아무튼, 좋을까"
와 대화가 진행된다.
와인 한 손에.
나는 연일 LIVE 및 감기에 지쳐 있었다 니다만
그녀와의 대화는 즐거웠다.
다음날 아침, 그녀가 커피를 끓여 주었다.
놀랍게도 맛있는 커피, 그녀가 끓여 준 커피만큼 맛있는 커피는 예나 지금이나 마신 적이 없다.
커피의 쓴맛과 함께 그녀에게 연정을 품었다.
다음날 그녀는 부산에 출발했다.
내 여행의 도중의 연정은 끝났다.
이상한 감정이었다.
서른 후반에도 아이 같은 기분이된다.
그녀는 어른을 아이로 바꿔 버리는 매력이 있었다.
'서울 뮤직 "
제임스 브라운은 "서울은 살 것"이라고 말한다.
서울시의 사건은 '서울 뮤직'이었다.
그녀는 불교를 공부했다.
환생이 있다면 그녀에게 긴 시간을주고 싶어요.
오늘은 너를 위해 와인을 열자.
Night of Seoul.
One French and chattering.
English unreasonable each other.
She is French.
I am Japanese.
English is not a native language.
But talkative.

She talks about oneself, and I hear her story.
A missile was fired from the north latitude 38th parallel.

I talk with a Frenchwoman.
Neither I nor she sometimes understands words.
"that' s life" and the conversation advance.

The missile had no progress. However, her and my conversation progresses.
I say that she dances.
It was a dance such as the modern dance.
I say that she is interested in Buddhism .
I do not dance and am a Christian.
"that' s life" and the conversation advance.
To wine one hand.
I was tired from LIVE and a cold of the day after day, but the conversation with her was fun.
On the next morning, she served coffee.
It was surprisingly delicious coffee. The delicious coffee did not still swallow up the coffee which she served in old days either.
With bitterness of the coffee, I had love feeling towards her.
She left the next day in Pusan.
The love feeling on the way of my trip was over.
It was a mysterious feeling.
I of the thirty years old latter half become the feelings like the child.
She had charms that changed an adult into a child.
"Soul music"
James Brown says that "I live with Seoul".
The event in Seoul City was "soul music".
She learned Buddhism.
If there is transmigration, I want her to give long time.
Let's open wine for you tonight.
ソウルの夜。
一人のフランス人とお喋り。
お互い滅茶苦茶な英語。
彼女はフランス語。
私は日本語。
英語は母国語ではない。
だが、お喋り。
彼女は自分の事を話し、私は彼女の話を聞く。
北緯38度線の向こうではミサイル実験をしてる。
私はフランス人女性とお喋りしている。
時々、お互いの言葉が判らない。
「まぁ、良いか」と会話は進む。
ミサイルは何の進展もなかったが、彼女と私の会話は進展する。
ダンスをやっている、と言う。
モダン・ダンスのような踊りだった。
仏教に興味があると言う。
私は踊らないし、キリスト教徒だ。
「まぁ、良いか」
と会話は進む。
ワイン片手に。
私は連日のLIVEと風邪で疲れていたけども
彼女との会話は楽しかった。
翌朝、彼女がコーヒーを淹れてくれた。
驚くほど美味しいコーヒーで、彼女が淹れてくれたコーヒーほど美味しいコーヒーは今も昔も飲んだことがない。
コーヒーの苦味と共に、彼女に恋心を抱いた。
翌日、彼女は釜山に出発した。
私の旅の途中の恋心は終わった。
不思議な感情だった。
三十路後半でも、子供のような気持ちになる。
彼女には、大人を子供に変えてしまう魅力があった。
『ソウル・ミュージック』
ジェームス・ブラウンは「ソウルとは生きる事」と言う。
ソウル市での出来事は『ソウル・ミュージック』だった。
彼女は仏教を学んでいた。
輪廻転生があるならば、彼女に長い時間を与えて欲しい。
今夜は君のためにワインを開けよう。


2016年5月3日火曜日

ヤクザとサンジェルマン・デ・プレ

【四代目工藤會 継承式】










何でこんな映像がYOUTUBEにUPされているんだ。

九州地方では(私が知らないだけで)TSUTAYA等で、此のビデオがレンタル出来るんだろうか。

または『みかじめ料』と称して手売りとか。
で、意外と九州人はヤクザが嫌いじゃないから、喜んでいる・・・とか。


「工藤さん!工藤さん!」

「なんね!」

「継承式のビデオば売ってくれんね」

「そんなビデオば売れるワケないやろ!」

「そんな言わんとってっちゃ~。持っとるんやろ?」

「そら、持っとるけど、お前が見てもしゃーないやろ」

「んなぁ事、言わんとってっちゃー。皆、楽しみにしとるんやから」

「もー、お前みたいな奴が多くてうち(組)も在庫不足なんよ。俺の分まで無かけんのぉ」

「来月、継承式のビデオば見て皆で呑むんよ。頼むけんさぁー」

「しゃーないのぉ。もう、此れで俺の分はあと1本やけんのぉ。困るのぉ・・・」

「あんたん処で裏ビデオばいっぱい、買うたやないね」

「ほらぁ、お前が好きなもんやんか」

「あと、みかじめ料も正月ば、多ぉーく払ったでぇ?息子が見たい、見たいっちウルサイんよ~」

「息子は幾つになったんか?」

「来年、高校生よ。もー、親分さんに憧れて、もーピストルば練習しよるけんのぉ。嫁も、寝言でも親分さんの名前言うけん、困っとるとですよ」

「ったく。しゃーないのぉ」

とか。



ビデオを観ると厳格な美意識と言うか美学が徹底されている。とてもスナックに手榴弾を投げ込むとか、警察を殺すとか、カタギを殺すとか、漁業組合のボスと、息子と、孫まで殺すような、アルジャジーラがドキュメンタリー作ってしまうような日本最大の

『テロ組織』

とは思えないが、思えばイラクのテロ組織も美学がある。



このビデオを観ながら連中が抗争をしたり(工藤会が抗争をするのは『手段としての闘争ではなく闘争行動それ自体に価値を見出す』らしい。全く男らしい)、殺したりする最大の理由は実は


「美しくない」


と言う、ボリス・ヴィアン~サンジェルマン・デ・プレ的な理由だったりするんだろうか。

「兄貴!アイツ、俺の顔をギター・エフェクターの『FUZZ FACEそっくり』っち言うんですよ!殺してもエエですか!」

(FUZZ FACE)

「そら、お前が実際にファズフェイスそっくりなんやけん、しゃーないやろ。俺も前から思っとったで」

なんだが、


「兄貴!アイツ、モネとマネの違いも分からんし、家にクリスチャン・ラッセンば飾っとるとですよ!」

「ほうか。ほんやったら此れ(手榴弾)使うて、クリスチャン・ラッセン燃やせや。殺やったれ!」


とか


「漁業組合の連中、『劇団☆新感線』ば見て喜んどるらしいんですわ」

「なんでか!演劇言うたらチェーホフやろ!何でベケットも分からん連中を・・・!殺ったれ!」


とかだったりして・・・と思った。


北九州県立美術館のキュレーターは、毎回、次の展示を工藤会にアドバイスを求めるとか。

「親分さん!親分さん!次の展示、どうしよーか困っとるとですよ」

「ワシが言うた印象派展はどうやったんや?」

「そーら、もう、大好評でしたわ」

「そーやろうなぁ!印象派はワシも好きやけんのぉ」

「で、次なんやけど印象派やなくて、もうチョット、インパクトが欲しいんよ」

「前が印象派やろ?・・・『ダダ』とか『未来派』はどうや」

「何ですか?それ」

「ダダとか未来派は面白いでぇ?やってみぃ。責任はワシがもったる!」

とかで、県立美術館の運営は行われているとか。

想像が膨らむ。



で、組員の日常会話が

「ええか?サトシ(子分)。義理と人情の世界で大切な事は二つだけや。何があっても、ええ女との恋愛。それとニューオリンズの音楽。つまりはデューク・エリントンの音楽や。他のモンは消えてエエ。なんでかっち醜いけんのぉ」

とボリス・ヴィアン的なモノだったり。



因みに日本のフリー・ジャズ~バップ史で北九州市は意外と大きい。

昔、北九州市に『クロンボ』と言うジャズ喫茶と言うかバーがあり、キャバレーが多かった時代のジャズマン達が仕事が終わってから、夜な夜な集まり、新しいモノが大好きな民族なのでムード・ジャズではなく『バップ』『ハードバップ』『フリー・ジャズ』等のセッションを繰り広げていた。
ヤクザはジャズが大好きなので、バップもスウィングも大歓迎だったんだとか。

2016年5月2日月曜日

ドムパ

昨日は呑み過ぎた。明らかに呑み過ぎた。

幕内氏が久し振りに上京してLIVEをやると言うので深夜の高円寺DOMスタジオへ。
で、『ドムパ』と言うイベント。https://www.facebook.com/events/794812737316562/

幕内氏の演奏は田舎暮らしのブランクを感じさせない良い音だった。

何しろ住処が長野の貧民村


最寄りのコンビニまで徒歩1日半。

携帯電話は電波が通じないので、固定電話だけ。
インターネットはなんだっぺ?。
村の男女は13歳で結婚(法的に婚姻届は16歳と18歳で入れるが)。
主な産業は
『割り箸を入れる袋』
だけ


平均年収は90万円である。

だから村民達の高卒率は1割程度だ。
「あー、今日は疲れたあっちょんぶりけ」と言った謎の方言がある。

村内のコミュニケーションは回覧板。
メインの回覧板とは別に村の青年団が出している回覧板もあり、其れを皆、『2ちゃんねる』と呼んでいる。
そんな僻地に住んでいる幕内氏は久し振りの東京を
「夜なのに明るい!空気が不味い!女が美人!」
と喜んでいた。



で、私は呑みながら会場に行き、会場で更に呑み、久し振りに踊り狂い。手当たり次第、女性を口説き、


「其れ、美味しいですか?」

「美味しいー」
「貴女と其れ、どっちが美味しいですか?」
と史上最低のセクハラを行い、
片野君の腹をボムボムと叩き(良い音がする)、
ゲロを吐く人の介護を行い、
眠っている男性の口にライターを突っ込み、
頼まれてもないのにトランペットを吹き、
JAMセッションでもトランペットを吹き、また踊り狂い・・・

と一事が万事、最低だった。



幕内氏が計画性のない性行為により出来てしまった子供に対してプレゼントと言う事で3週間かけて


『羊毛フェルト猫』


をプレゼントした。KO.DO.NA制作史上、最強の硬度と大きさである。


処が子供は何かを見ると『取り敢えず噛んでみる』と言うモノである。
子供ってのは取り敢えず何でも噛んでしまう。

其れを見越して大きさと、硬さを実現したのだが、首が若干、脆かったらしく、首がもげた状態で修理に出された。
で、修理しようと思いながらも首を紛失してしまい、当日に少し部屋を掃除していたら首が出てきたので急いで修理。

修理期間が一年間と言う最低っぷり。

まぁ、渡せたので良かった。



帰宅後、ヘベレケになっていたので風呂も入らず、そのまま眠ってしまい起きたら夜中の3時だった。24時間以上、寝ていた計算になる。
起きたら筋肉痛。
三十路後半なので、一晩中踊るのは辛い物である。
















(嘗てはカモシカのような美青年だった片野君だが、豊満になった)











(嘗てはカモシカのような美青年だった片野君だが、豊満になった)