2014年2月16日日曜日

OM-2/OPUS No.8

今日は劇団『OM-2』を観にいった。



今回は新作『OPUS No.8』
http://om-2.com/works2013-/opus8/index.html

思えば15年前に劇団唐組に所属していながら今、観にいっている劇団って『野戦の月(ex風の旅団)』と『OM-2』だけだなぁ、と思う。

会場で久し振りに育児休暇中の劇団員であるHさんと会う。Hさんは『OM-2』で唯一の


『巨乳』


だった女性である。私を含めた巨乳マニアの間では有名な人だったのだが、震災を切欠に事もあろうか、私以外の男性と性行為を行い、其の男性の子供を産む、と言う神をも恐れぬ所業を行った。
で、以前は『大巨乳』『爆乳』とさえ言われていたHさんだが、お子さんに全部、吸い取られているらしく、スッカリ痩せ衰えた。

「子は栄え、母は衰え」

と言うか。親っつーのは辛いもんだ。

久し振りに会って彼是と話す。暫くすると開演。



開演したは良いが斜め横に座っていた老婆がお喋りを止めてくれない。老い先短い人種なので、彼是と『現世』で話したいんだろうが、

「あの、お喋りの続きは来世か、あの世でやって貰えませんか?」

と思った。



芝居・・・と言うか今回はパフォーマンス色が嘗てない程、強かった。ダンス・パフォーマンスや身体的シーケンスも見事、としか言いようがない。

舞台の使い方も文句無し。

役者も育ってきていて、良い塩梅。

最後まで集中して観劇出来た。途中で客席に座っている人達全員を舞台に上げて、映像と役者。

で、係員の案内で劇場を一周したのだが、此れは舞台転換の為で、一周して戻ったら席が替わっていて

『第二部』

が始まる。この劇団の看板である『佐々木敦』のモノローグ兼パフォーマンスが淡々と言うか狂ったように続き、シットリと終わった。

演劇って総合芸術だけども照明や舞台衣装もホンッとシットリとした感じで観ていて心地よい。


終わってから「うん・・・素晴らしい・・・」と思わず呟く。

雪のような舞台だった。今年の雪は豪雪だけども、豪雪だろうと霙だろうと雪は美しい。そう言う舞台だった。
(隠し撮り。良い子は真似しちゃ駄目)




こう言う芝居と言うかパフォーマンスって、どうしても内容を書くのが難しい。之が前衛~実験演劇か?と問われれば確かに前衛演劇の部類の入るのだろうが、そもそも『演劇』の部類に入るのか、どうもかも怪しい。

只、個人的には『実験~前衛劇団』とは思わない。『観客を舞台に上げてしまう』とかは70年代に世界的潮流だったようだが、行われていた。当時は「観客参加型の演劇は成立するか?」と言うニュアンスだったらしいが大半が失敗に終わっていたようだが。

 とは言え、そう言ったモノが前衛的とか新しいってワケじゃない。多分、今、最も実験的で前衛的な演劇って『チェルフィッチュ』とか『青年団』だろうし。社会性や作品としても。

台詞らしきものはあるが、大半が絶叫に近く聞き取れない。絶叫じゃなかったとしても呟く程度だったりするので同じである。


『批評』を拒絶する身体、と言うか。


一度、Hさんが『巨乳劇団員』として君臨していた頃に台本を見せて貰った事があったが、台本と言うか『大雑把な流れ』しか書いてなくて「え?!此れで舞台、作ってんの?!」と驚いた事がある。

台本と言うか現代音楽の図形楽譜とか妙な指示だけ、みたいな感じで、とても

『演劇の台本です』

とは思えなかった。




暗黒舞踏にも批評家ってのが糞に沸いた蛆虫の如く居るから『OM-2』を批評するオッサンとか非リア充ってのがいるんだろうけども(暗黒舞踏の自称批評家達は皆、『オッサン』と『非リア充』だった)、難しい。


雪を批評するようなもんで、言葉に出来ないモノってのはあるもんだ。


之が逆に先に書いた『青年団』や『チェルフィッチュ』なら言葉に出来るんだが。不思議なもんだ。



そう言えば最近、出演しているOM-2の役者に『凄く薄幸そうな女優』がいて私は個人的には気に入っている。名前が判らないのだが一目で

「嗚呼、薄幸そう」
とか
「ちゃんと食事はしているんだろうか?」
とか
「変な男に貢いじゃったりしているんじゃないだろうか?」

と思わせる『薄幸っぷり』なんである。之が『アングラ感』があって良い。大体、『幸せそうな役者』がアングラやってんじゃないよ、と思う。

結構前に『チェルフィッチュ』を観にいった時に女優が結構、『リア充』な感じがして「何だかなぁ」と思ったモンである。

 そんな事を思うのは私がアングラ出身だからなんだろうが。私が所属した劇団は唐組も含めて過去に3つだが、3劇団とも皆、薄幸そうな人ばかりだった。

で、劇団内恋愛とかしちゃうんだが『薄幸カップル』なので『薄幸』が『醗酵』して、最後はグチャグチャになる。
私も劇団内恋愛でグチャグチャに終わった事が過去にある。

しかし、其れぞアングラ演劇である。何しろ早稲田小劇場の『白石かずこ』も今は結婚して大女優だが、『劇団内恋愛禁止』と言う意味不明な条例を全国に流布させた程、劇団内での男癖が悪かったんだから。


平澤さんに聞くと「良く知らない」との事。育児休暇に入る頃に入った人らしく擦れ違いだったんだとか。





終わって、神田の『アートバー』みたいな処に同席した友人に連れて行かれた。

普段はダラダラと『アーティスト様』が呑んでいる店らしいのだが、運悪く胡散臭い会社を経営している43歳の女性の誕生日会をやっていた。


所謂

『女子会』


である。ってか、20~40代女性が集まって『女子会』って言うネーミングが凄い。

「女子じゃなくて『女性』だろ!」

と言いたくなる。例えば30代男性が集まって

「最近、勃起力が衰えちゃって」

「俺も妻が出て行っちゃってなぁ」

「最近、タバコを止めたんだよ」

「ウォーキングしよう、と思ってスニーカーを買ったんだが一回やっただけで疲れちゃってさぁ。全然、やってないよ」

「今年はボーナス、どうなるのかなあ」


などの、どうでも良い呑み会を

『男子会』

と言い始めたら世間様は黙ってないだろう。


「お前等、『男子』じゃねーだろ!」


と。


で、隅っこで呑むのだが誕生日を祝われている43歳女性は、まだ43歳だと言うのに色気も糞もない。前歯を剥き出しにして楽しんでいる。
まぁ、大抵のパワフルな40代女性って10代の頃に遊び倒した人が多いから良いのだろうが。

自己紹介が始まるのだが「スピリチュアル・カウンセラー」とか「女子力アップ」とか言う人が多い。


「女子力って、あんた、どう見ても30代半ばから後半だろ?!『女子力アップ』って男性で言えば『中二病力アップ』とか『童貞っぷりをUP』じゃねぇかよ。ってか『女子』じゃねーだろ!」


と内心、突っ込む。

ってか『女性ビジネス』『ビジネス系女性』の集まりなんだが、何故か女性がビジネスを始めると




スピリチュアルな方向




に走るのは何故なんだろうか。私の母親(年齢的にビジネス系女性の元祖だろう)も寝室に妙な祭壇があったりするし。

大抵の会社には『神棚』があったりするが、アレは『慣例』に近い。しかし、女性の場合は

『スピ』

と言うか。宴会の途中で

「満月の日ですから、満月に向かって財布をフリフリしましょー!」

と近所の公園に行って財布やキャッシュカードをフリフリしに行っていた。会費は5000円らしい。

私と友人は、こっそりと料理を勝手に食ったりしていたが。


と言うか43歳女性の誕生日会、とか『女子会』でもあるのだが、ビジネス的なニュアンスが強く集まっている女性も『人脈を広げたい』とか、そんな感じだった。



ウンザリである。



『OM-2』の感動を綺麗サッパリに消し飛ばしてくれるような糞感。酒は美味しいのだが、周囲がウザい。

途中で一人の女性がアロマテラピー&マッサージのフライヤーを渡してきた。

「アロマで女子力UP!」

とか。で、活花もやっているらしく『オープニングで即興活花パフォーマンス!』と書いている。しかし、活花と言う行為自体が『即興』なワケで、

『即興フリージャズ!』

のような胡散臭さが漂う。



で、終電を逃がし高円寺駅から雪道をトボトボと歩く。


どうも、此処3日間、辛い。

2014年2月6日木曜日

KO.DO.NAの気持ち: 佐野元春

KO.DO.NAの気持ち: 佐野元春: 『TMレボリューションのオールナイトニッポン』に 『Berryz工房 』 と言うアイドルが出演したらしい。 『Berryz工房』はハロプロのアイドルで、嘗ては『モーニング娘』で日本歌謡曲界を決定的に終わらせた偉大なるプロダクションなのだが、今では 「え?モー娘ってま...

佐野元春

『TMレボリューションのオールナイトニッポン』に『Berryz工房と言うアイドルが出演したらしい。




『Berryz工房』はハロプロのアイドルで、嘗ては『モーニング娘』で日本歌謡曲界を決定的に終わらせた偉大なるプロダクションなのだが、今では

「え?モー娘ってまだ活動していたの?」

となる程の収束っぷり。一部のヲタ達が熱心に支えているがヲタの数も多くない為、知名度がない。で、『Berryz工房』も同じような感じ。
友人女性が何故かハロプロのファンなので、曲を聞かせてもらったが昔の『モー娘』みたいな「田舎臭さ」と言うよりは「DQN臭さ」に満ちていて、反吐が出る。

特に「此れは幾らなんでも酷すぎるな」と思ったのは同じプロダクションの『スマイレージ』と言うユニットの『チョトマテクダサイ!』である。PVが凄すぎる。



2012年の曲だと言うのに、この安っぽいPV。曲も「つんく」辺りになると色々な作曲家に作曲させて、本人は其れを選ぶだけ(テを加える事もあるが)なんだが、何でこんなダサい曲を選んだのかも不思議だ。
後半のDUB処理が無駄過ぎて泣ける。コメントも

『 後ろの電飾がテキトーに垂らしときましたみたいな配置
安っぽさが際立ってる
床もすげー汚いし掃除しろ』

である。


スマイレージはさて置き、上記のラジオである。その中で視聴者からの質問コーナーでTMRが選んだ質問が


Berryz工房の皆様、こんにちは。Berryz工房の皆様は『佐野元春』が枕元にたって『サァムデェイ!(SOMEDAY)』と叫ばれた事はありますか?」


だった。此れを聴いて私は死ぬほど笑ったのだが、笑いながら思ったのだが


『佐野元春をネタにしても良い時代が来た』


だった。何と言うか『佐野元春』って『不可侵領域』と言うか「ネタにしてはならない」「汝、MOTOライオンを犯すべからず」的な何かがあった。

何故なんだろう?と思うのだが私も佐野元春をネタにした事はないし、佐野元春を馬鹿に出来ないムードのようなモノがある気がする。


『ポエトリーディング』と言う行為を知ったのは実は佐野元春だった。勿論、田舎なので雑誌で知ったのだが、其れが妙にカッコ良く観えたのである。
で、インタビューとか見ても何だかカッコいいのである。

つまり、纏めてみると

「誰しもが理想とする『大人の男性像』」

こそが佐野元春なんだと思う。例えば大滝詠一とか長渕剛とかは散々、ネタに出来ると思うんだよな。ってかネタにすらならないほどネタになっているのだが、其れは

「青臭さ」
「矛盾」
「ダサさ」

とかあると思う。大滝詠一なんて「薄くきったレモンティーを輪切りにして浮かべて」と意味不明な歌詞だったりするし。

で、佐野元春と言えば、矢張り


「サァムデェイ!」」


なんである。思えば暑苦しい。


で、友人女性が調べてみた処、佐野元春は「結構、変な人」らしく



『佐野語』


なるものもあるらしい。主にレコーディング中に発せられるらしいのだが

「もうちょっと『リバービー』に」

が代表である。リバーブ(エコー)の事をMOTOライオンは『リバービー』なんだとか。

だが私もディレイや深いリバーブの事を「DUBっぽい」と言わず『ダビー』と言うのでアリなのかも(ダビーは音楽系の人は結構、言う)。

他にはスタジオのギターの人に「ニール・ヤングみたいに弾いてくれ」と言う指示が


「あのさ、S君。もっと『ニール・ヤンギッシュ』に」

と言うのだとか。



ニール・ヤンギッシュ!



渋谷系全盛期、最も『ダサい』とされたアメリカン・ロックの大御所が『ニール・ヤング』だった世代の私には衝撃の発言である。「ダサい」の代名詞だったもんなぁ。ニール・ヤングって。

「ネルシャツ?ニール・ヤングかよwwww!」

とか。しかし、ニール・ヤングの日本最大のフォロワー・バンドだった『はっぴいえんど』については触れない、と言う矛盾したものだったが。


で、そのギタリストが『ニール・ヤングッシュ』にギターを弾いたら、次は

「S君、ちょっと『トゥー・マッチ・ニール』」

と言われたらしい。意味は「ニール・ヤング過ぎる」。他にも

『トゥー・ニール』

等の言い方があるらしい。



世代的に『ニール・ヤング』なんだろう。しかし、例えばホーン・セクションの人に「マイルス・デイビスみたいに吹いてくれ」と依頼する時は矢張り

「KO.DO.NA君、ちょっとマイリッシュに」

とか言うのだろうか。ってかマイルス・デイビスを依頼する事は皆無だと思うが。

にしても『ニール・ヤングッシュ』って暑苦しいな、と思いYOUTUBEで『ニール・ヤング』を聴いてみた。『バファロー・スプリングフィールド』は上京当時、気に入っていて聴いていたのだがソロは聴いてない。




あれ?暑苦しくない・・・。
寧ろ、透明感があるUKロックのようでもある。ギターは相当に上手い。
確かにネルシャツだが暑苦しくはない。

じゃあ、ギターはどうなんだろう?と思いYOUTUBEで「ニール・ヤング ギター」と入れてみると出たのが此れである。



あれ?暑苦しくない・・・。ディレイの使い方も上手いし、何より地味だが絶対的なテクニックと言うか、シンガーソングライターにしては上手過ぎる程である。


で、佐野元春って日本HIPHOP史を語る際に意外と外せない人物なのである。

『日本語ラップ』

ってヤン富田と、いとうせいこうの『タイニーパンクス:建設的』が初、とされているが諸説あってYMOだったり、佐野元春だったり。佐野元春曰くヒップホップに衝撃を受けて「日本語で黒人を躍らせたい」と思いNYに渡って彼是と勉強して作ったのが此れ。





これ、未だとダサいが当時のレベルを考えると相当に高度である。84年だし。



しかし、佐野元春は実は「ダサい」のではないか?と言う疑惑が私の中で沸き起こっている。

東京育ちの坊ちゃん育ち、と言う感じで、私は

①ヤクザに命を狙われていた父

②ヤクザのような母

に育てられて、激しいんだか内向的なんだか分からない屈折した坊ちゃん育ち、と言う『カウンターへの憧れ』もあるのかもしれないが、疑惑は抑えられない。

「佐野元春と一緒に『さむでぇい!』と叫んでろ!カス!」

とか罵倒に使えるんだろうか。

「オマエの歌、佐野元春じゃんwww!」

とか。



佐野元春への疑惑に悩まされている此処2日間である。