2016年4月14日木曜日

Naked Force

先日は高円寺4thでLIVEだった。



最近、『ソロ演奏』と言うモニに対してモチベーションが下がっている。ヤバいな、と思い一旦、原点回帰じゃないんだけどもエフェクターを多用するのではなく、TP一本だけ、って言うスタイルにした。

処が行く前に気が変わってリバーブとオクターバーだけ繋ぐと事に。


高円寺4thは初めての場所なので若干、戸惑った。高円寺の外れにあり、高円寺と言えば今ではオシャレな街であり、

『ジョルジオ・アルマーニ高円寺店』

『アディダス高円寺北口店』

『ルイ・ヴィトン高円寺南店』

『エルメス高円寺』

『クリスチャン・ディオール高円寺パル店』

『ドルチェ&ガッバーナ高円寺純情商店街店』

と言った高級ブランドが並ぶ。

今では椎名林檎や、野宮真貴、秋元康がベンツで走り回っている。
ちょっと前まで薄汚いパンクスやヒッピー達の最高級な乗り物は『自転車(盗品)』だったのに、だよ!

今ではカロリーメイトと、エヴィアンの水、そしてジョギングをするセレブの街だ。
チョット前まで薄汚いパンクスやヒッピーがウロウロと密造酒とシンナー片手に歩いていた街がだ、よ!

全く居心地が悪い。


高円寺4thは高円寺の外れにあり、まだ風鈴売りや、金魚売りがいる。
駄菓子屋に子供達が集まり、野良猫がウロウロとし、家電屋には誰が買うのかPC-9800本体やフロッピーディスクが売られている。

そんな雑居ビルの中にあるんだが場所が分からず呆然としていたら、ヒッピーな風貌な人が出てきた。

「高円寺4thは何処ですか?」

「此処です」

と『この風貌を見りゃ分かるだろ』的なニュアンスで店は見つかった。


石井ヒロオ氏からは「4時頃に来てください」と言われていたのだが、到着は16時15分頃になった。

ドアを開けると石井ヒロオ氏が激怒していた。

「ごるぁぁ!何時だと思っんだ!」

「あ、16時15分・・・あ、今、17分ですね」

「4時って言っただろ!」

「4時ごろ、でしたよね」

「口答えするな!」

「いや、あの・・・」

「ズボンとパンツ、脱げー!」

「え?え?え?」

「良いから脱げぇ!」

「な?なななな?なんで?」


と言ったが最後、思いっきり殴られて床に倒された。慣れた手つきでズボンとパンツを脱がされた。
石井ヒロオ氏は素早く自らの半裸となり、自身の欲望の塊を私の身体にズブリと捩じ込んできた。

ろくな前戯もなく解されぬ肛門に重たく突き入れられた熱量を、私の肉体は受容できず、のたうち、悲鳴をあげ、涙を流す。

「嫌だ・・・っ。っ・・・嫌・・・っ」

石井ヒロオ氏の腕の下でもがき、暴れ、抵抗した。

無論、敵わなかった。

石井ヒロオ氏の熱い躰にのしかかられ、後ろから犯された。

手荒な暴行だった。

石井ヒロオ氏の欲望の形が突き入れられ、痛切に内壁を抉るたびに、泣き叫ばずにいられない。

なのに同時に、いっそう石井ヒロオ氏を求める極端な衝動が育つ。


「い・・・・・・や、ぁっ・・・・・・んぅ・・・・・・・ン・・アァ・・・・・・!」


痛みを超越した隠微な感覚が、本能の奥底から引き出され、私は慄然とした。

苦悶に見せかけた悦びの扉を開いたのは、誰だ。

15分遅刻して、この強姦を招いたのは、誰だ。

私の耳朶を、石井ヒロオ氏が一度噛んだ。背筋を走る魔的な電流に、私は身をこわばらせた。

石井ヒロオ氏の舌先が私の耳朶の表面をねぶり、やがて唾液と共に、ぬるりと耳孔に潜り込んだ。ひっ、と思わず悲鳴を発した。

「あっぁ・・・・・・・ぁぁ・・・・・・・ん、ン・・・・・・ん・・・・・・・、ぁ・・・・・・・!」


巧みな唇と舌で性感の存処を煽られた。

自らの皮膚の濡らされる音が、いやらしく大きく聴覚に響き、熱病のように全身がヒクヒクと反応した。

「はぁっ・・・・・・・・ぁぁ・・・・・・っ」


抗う余力が四肢から消え去った。もう、石井ヒロオ氏の思い通りになるだけだった。


「ぅ・・・・・んぅ・・・・ぅ、ぅ・・・・・・」


嗚咽が止まらない。

耐え難い敗北であり、羞恥だ。

この店内の前で泣き続けるなんて。啼き続けるなんて。

死ぬほどの屈辱であり、同時に逆転した、暗い歓喜だ。

ずるっと石井氏は男根を躰の奥から引き抜かれた。

石井ヒロオ氏は瞬きをした。

肉体に与えられた衝撃と虚脱感で、少し呆然とした。



疲れながらもサウンド・チェック。



と言うか演奏しながら気がついたのだが喉が腫れていた。若干、熱っぽい。こう言う時って楽器の調子も悪い。

エフェクターのチェック・・・・当日は『買ったけど使ってない』と言うエフェクターを使ってみた。

悪くない。ちょっと音の立ち上がりに不満はあれども悪くはない。


因みに私が石井ヒロオ氏に蹂躙されている横で長谷川洋さん(アストロ)さんがリハをやっていた。


吉祥寺フォースフロアの頃はビルの最上階って事もあり余り音量を気にすることはなかったが、高円寺4thはビルの地下であり、恐らく元々は飲み屋と言うかスナックである。

その為、騒音問題で苦情が頻繁に来るらしく、「もうちょっと音を下げてください」と頼まれていた。

店長曰く

「苦情?そんなもん、毎日来るでぇ。謝るんやけど、この歳になって謝りたかぁないやんけ。なぁ?」

と屈辱と苦渋の日々らしい。


で、石井ヒロオさんがリハをやって、ReizenがDJでやってきた。


其処へ阿佐ヶ谷YellowVisionでLIVEだった皆のアイドル『小川京子』さんが来てくれた。



(阿佐ヶ谷YellowVisionで演奏する小川京子さん)


(普段着。この格好で来たのでドキドキした)





で、開演。


石井ヒロオさん、REIZEN君、長谷川さんで「ノイズ話」で盛り上がっている。私は実はノイズ畑でもインプロ畑でもない(インプロ畑には一時期、いた事はあるが)。

なので話がサッパリ判らない。

「昨日のライブは可也、練り物だったよねー」

「練ってたねよね。もう、竹輪か?って位に」

「水飴感すごかったよね」

「あ、そうそう。下井草のもっちゃんとか鯨だったよ」

「え?前は木工じゃん」

「だから、鯨だったからビビった。だって、鯨だよ?」

「鯨かぁ。白楽の店で観た時は鮭だったんだけどね。産卵したりして」

「鮭だった時期があったんですねー」

「うん。俺も前は羅生門だったからね。もー、そりゃナスとかキュウリとか漬まくりよ」

「で、最初にあっちゃんが出たじゃん。で、すげぇ肉汁だったでしょ」

「うん。果汁1%だったし」

「しかも七輪じゃん。すげぇ!って思ってさー」

「噛むと口のの中でシュワー!みたいな」

「そーそー!で、正月に盆踊りじゃん。死霊っていうか空海っていうか」


そんな『ノイズ夜話』に全く付いて行けず孤独感。


で、時間になったので最初に石井ヒロオさんが演奏。


圧巻。


後日、録画した映像を2日間かけて編集しちゃうくらい圧巻だった。
「永遠にこの音が続いて欲しいなぁ」と思ったほど。


まさに『電気音楽』と言うか、電気の音がした。床とか壁が揺れてたもんな。最高だった。




で、REIZEN君のDJ。


ハーバード大学で鳥の糞の分析による株価予想と言う画期的な研究をし、プリンストン高等研究所で河原の石を漬物石へ変化させる、と言う途方も無い研究を行いながらも、エルヴィス・プレスリーが大好きで、日本に帰国後、エルヴィス・プレスリーのコピーバンドを作ったら、ミニマル~ドローン・サウンドになり、東京オリンピックのエンブレムを作ったり、きゃりーぱみゅぱみゅにトラックを提供したり(勿論、ドローンだ)、超売れっ子なのだが、DJでは延々と

『徴兵後のエルヴィス・プレスリー』

だけを繋けていた。

「徴兵前ではなく、徴兵後のプレスリーこそがプレスリーだ」

と言う。


で、私。熱があったのか、演奏しながら「あ、喉が腫れている」と気がつく。Trumpetと言う楽器は体調不良が露骨に出やすい。

風邪の自覚症状がなくても、練習中に気がつくことが多い。

とは言え演奏。

演奏中に何故か

『ギター流しの演歌歌手』

が来て「一曲、如何ですか?」と言う。ステージでは私が演奏しているのである。

だが、間髪入れずに長谷川洋さんが

「ラブ・イズ・オーヴァー!」

と言ったので一曲500円でギターの流しは『ラヴ・イズ・オーヴァー』を熱唱し始めた。

『Love is over 悲しいけれど
終りにしよう きりがないから
Love is over ワケなどないよ
ただひとつだけ あなたのため

Love is over 若いあやまちと
笑って言える 時が来るから
Love is over 泣くな男だろう
私の事は早く忘れて』





私の演奏と同時進行でラブ・イズ・オーヴァーが流れる。しかもフルコーラスだ!
可也、シュールな光景だった。


実はテーマは『ショート・グラインド』だったので、曲名があり、ちゃんとアナウンスしながら演奏しようと思ったのだが曲名を書いた紙を忘れてしまった。

此処に記載しておこうと思う。

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①俺は田舎のロックフェラー

②親の飯が不味い

③祖母の腰が曲がり過ぎてガラケーみたいになった

④セーラー服と期間工

⑤比較的、フラットな胸が好き

⑥高円寺には灰野敬二のモノマネが出来る奴が10人いる

(カバー曲)

⑦見るまえに跳べ(岡林信康)

⑧好きすぎて馬鹿みたい(石川梨華)

⑨風害ロマン(はっぴいえんど)

⑩イン・ア・サイレント・ウェイ(マイルス・デイビス)

⑪大阪恋物語(やしきたかじん)

⑫雨の日はバラードで(やしきたかじん)

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開演してから只管、プレスリーの『ビバ・ラスベガス』などを繋けているREIZEN君から終わってから

「ミュージシャンとしよりも、人間として失格」

とdisられた。


続いて長谷川洋さん。ソロは珍しいらしい。アストロは聴いたことがあるし、長谷川さん自身は何度かライブハウスやSDLXで見かけた事があったが演奏は初めて。

綺麗な、職人的な演奏。

美しい・・・と言うか。最初は頭でゴチャゴチャと何か考えていたのだが、しばらくすると脳味噌が空っぽになる。

切ない音だった。

「嗚呼・・・」と思っていると演奏終了。

100年位、聴いていたかった。


終わってから打ち上げ。


高円寺にこんな店があったのかよ?って言うメキシコ料理店。

「何か食べれないモノとかありますか?」

と聴かれたので

「エビとタコとイカ」

と言うと店員から

「前世でエビに悪い事をしたんでしょうね」

と言われた。

で、矢張りノイズ夜話が始まる。

「でさぁ、たっちゃんがファズとかギターを盛るワケよ」

「二郎ラーメンみたいな」

「そーそー!もう、肉増しって感じで」

「でも、あの時、ふーさんも練り物多かったじゃん」

「コンビーフだったね」

「うん。凄いコンビーフだった。もう、肉!って感じで」

「イルカだったよねー。超、川イルカ」

「イルカってより、紙ベースじゃない?」

「だね。紙だったね。パルプだった」

「そう言えばプールでやった時にさ、光が丘幼稚園の鯖が鯵ときんぴら牛蒡なのよ」

「え?マジで?アソコで光が丘幼稚園?」

「でしょ?自由が丘保育園だと思ったら、鯖ときんぴら牛蒡なのよ」

「俺が行った時は白ワインのムニエルだったけどなぁ」

「いや、普通に尾頭付きだったね。」

「イカのフェロモンがさ、たもっちゃんの電波を刺激しちゃってさぁ」

「上流から流れる初恋ポエムね」

「南部の労働階級がさぁ、タコとポン酢で酢漬けなのよ」

「酢漬けじゃなくて、ニシンだったら良かったのに」

「でも、森重さんが結構、ルンバだったから」

「森重さん、ルンパってたよね」

「ソープのミーコがPAやってたんだけど、土俵入りの際に砂利巻くのよ」

「岩じゃなくて砂利?」

「砂利、砂利。で、砂利だと滑るじゃん。だから三回転半の人間ピラミッドですよ」


ノイズ界隈の会話は難しいなぁと思いながらビールを飲んだ。

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