カスタマーセンターに電話をするとフィリピン人がカタコトの日本語でアレコレと言う。
「ふぅ・・・。ったく・・・」
と溜息をつきながら設定。
外に出てみると、とても賑やかだ。何かの行事があるわけでもなく単に普段の渋谷だとか新宿である。
「これから、どうしよう・・・」
と何故か思った。
すると5mほど横に劇団唐組時代の同期だった女性がいた。
その同期の女性も1年か2年で退団しているのだが、会うのは10数年ぶり。
かつては可愛らしい女性だったがスッカリ、老けこみ、白髪が目立つ。ほっそりとした身体だったが象のように太っていた。
「やあ。久し振り」
と声をかけると何故か警戒される。
「これから、どうするの?」
と聴くと
「これから大学に行こうと思うの。大学で勉強したい」
と言う。お互い、40路の声を聞いているのに大学かぁと思った。
それだけ言うと彼女は、人混みに消えていった。
暫くすると、矢張り同期に近いミュージシャンがいた。
「これから実家に帰るんですわ」
と言う。そう言えば彼の実家はお金持ちで、彼は一人っ子と言う事もあり実家によく帰る。
それだけ言うと彼は人混みに消えていった。
これから、どうしようかなぁと思う。
この人混みの中で何かできるとは思えない。
「もう一回、ニューヨークに行ってみようか・・・」
とか考えたり。
実家の近所に行く。
私の実家は田舎なので高齢化が激しい。そして貧乏だ。
近隣の住民は皆、車椅子に乗っていたり、身体がガタピシだ。
血行が悪すぎるのか顔がペンキでも塗ったかのように真っ青な人もいる。
そんな状態なのに町に一つだけのバーに集まる。
その日は雪が降っていた。
「今日は凄く寒い」
と青い顔の老人が言う。
「いつも寒いって言っているじゃないですか」
と言うと
「それも、そうだな」
とクシャクシャになりながら笑う。
「さて」
と私は
「子供の頃の私に会ってみるか」
と席を経つ。
道路に父親と遊んでいる4歳の私がいた。
「こんにちは。どんな感じかな?。30年後の自分に会うのは?」
と言いながら抱き上げるが、警戒した目で私をジーっと見つめる。
父親も傍らにいるのだが、多分、同い年、または私のほうが年上で、驚いている。
4歳の私は、笑いもせず、私を観察している。
外は雪だ。
幼い私はジャンバー。私はコート。
「この頃と余り変わらないな」
と思った。
久し振りに会った唐組の同期の女性だが、当時、仄かな恋心を抱いていた。私の長電話に付き合ってくれていた。
夢で久し振りの再会だと言うのに名前すら思い出せない。
今月の光熱費の為に皆様の購入をお待ちしております。
0 件のコメント:
コメントを投稿