2016年4月10日日曜日

トニー・コンラッド死亡。








もう、凄く影響を受けた。

影響を受けたなんてもんじゃなくて、「この人がいるならば大丈夫」と思える唯一の存在だった。
ドローン・ミュージックとは、トニー・コンラッドの事であり、残りは全て『亜流』だと思っている。スティーヴィ・ライヒもフィリップ・グラスも彼の前では『カントリー&ウエスタン』でしかない。


00年頃に強迫神経症になった事がある。
精神科に行くのが嫌で何とか治せないか?と試行錯誤していた。
で、部屋で音楽が流れていれば気が休まるのに気がついた。
もっと言えば音楽じゃなくても良いのではないか?と思った。
それで蛇口から出る水の音にディレイをかけて、それを120分テープに録音して延々と再生していた。
後にトニー・コンラッドやドローン・ミュージックを知った時に
「俺が作業療法としてやっていた事を、もっと前にやっていた人がいたのか!」
と思った。
水の音にディレイって作品じゃないけども、思えば『聴きたい音楽がないから、自分で作ろう』って言う動機の最初の作品だった。
『商業音楽』・・・インディーズだろうとノイズだろうとフリージャズだろうと・・・が持つ『主張』『人格』が邪魔だった。
だから自分で作った。


トニー・コンラッドの作品は自己主張がない。人格すらないんじゃないか?って位に。
強いて言えば『音を伸ばし続ける』と言う強烈な自己主張と人格があったが、其れが何故か心地良かった。
とても大好きだった。
『だった』って言うより『好きです』だな。

3枚組だったか、4枚組だったか。そんなCDを入手したらバイオリンの「ツー」という音が延々と入っているだけで、最高だった。
14枚組ってのもあるらしい。
癌で76歳か。


明日のLIVEはトニー・コンラッドの為に演奏しようと思った・・・と書きたいが、其処まで私は偉くないので、やはり当初、予定している通り
『テーマ:グラインドコア』
で行こうと思う。
彼の魂が来世では、もっと正当な評価を受けられるように祈って寝ようと思う。
正直、ショックでうまく書けない。


http://blog.goo.ne.jp/googoogoo2005_01/e/3b6d0a04bad5f9ea2363ddc873aebc48
以下、引用。

A Challenge To Fate
Tony Conrad—the composer, musician, video artist, teacher, and writer—has died, The Buffalo News reports. Conrad is considered a pioneer of minimalism, drone, and noise music. He had been battling prostate cancer and was recently hospitalized with pneumonia. He was 76.

作曲家・音楽家・映像アーティスト・教師・作家であるトニー・コンラッドが死去したと『バッファロー・ニュース』が伝えた。コンラッドはミニマリズム、ドローン、ノイズミュージックの先駆者と言われている。彼は前立腺がんと闘病しており、最近肺炎のため入院した。享年76歳。
Conrad was born in Baltimore in 1940. After he graduated from Harvard in 1962, he moved to New York, where he became an integral member of the city's underground music scene. He collaborated with La Monte Young and was an early member of the collective Theater of Eternal Music (aka the Dream Syndicate). He was in a short-lived pre-Velvet Underground band called the Primitives with John Cale and Lou Reed. Conrad reportedly introduced Cale and Reed to a book called The Velvet Underground, which is how they got the band's name. 

コンラッドは1940年ボルティモア生まれ。1962年にハーヴァード大学を卒業後ニューヨークへ移り、NYアンダーグラウンド音楽シーンに不可欠なメンバーとなる。ラ・モンテ・ヤングとコラボレートし、"ドリーム・シンジケート"として知られる"シアター・オブ・エターナル・ミュージック(永遠音楽劇場)"の初期メンバーとなる。ジョン・ケイルとルー・リードとともにヴェルヴェット・アンダーグラウンドの前進バンド"プリミティヴス"に短期間在籍した。ケイルとリードにバンド名の元になった『ヴェルヴェット・アンダーグラウンド』という書籍を紹介したのはコンラッドだと言われている。Conrad taught at the University of Buffalo's Media Department starting in 1976. About a week ago, he was scheduled to perform Outside the Dream Syndicate with Faust at Big Ears Festival, but was forced to cancel because of his health. Laurie Anderson performed with Faust in his place. In an interview with Pitchfork contributor Marc Masters, Conrad said, "I still have a lot of music that hasn't found its way to daylight yet."

1976年に設立されたバッファロー大学のメディア学部で教鞭をとった。1週間前ビッグ・イアーズ・フェスティバルでファウストと共演で『アウトサイド・ザ・ドリーム・シンジケート』を演奏する予定だったが、健康上の理由でキャンセルせざるを得なかった。コンラッドの代役でローリー・アンダーソンがファウストと共演した。『ピッチフォーク』のマーク・マスターズとのインタビューで、コンラッドは「私にはまだ陽の光を見せられていない音楽がたくさんある」と語っていた。
--------ピッチフォーク』サイトより




1 件のコメント:

畠山順 さんのコメント...

2018年4月28日に映画『トニー・コンラッド:完全なる今』を逗子海岸映画祭2018で初めて見て感動しています。『フリッカー』などの実験映画は繰り返し見ていたのですが、今回そのアーティストとしての全貌を見ることができとても感動しています。KO.DO.NA.さんの投稿から時間がかなり立っていますが、一言コメントさせていただきました。