2016年7月10日日曜日

スターフライヤー‎

北九州に帰る飛行機。





この飛行機に搭乗するのは北九州市の人だけだ。如何にも九州、と言った西のツラであり、大陸の風、モンゴルはチンギス・ハーンの末裔。

機内には何故か山羊がいる。


スターフライヤーの機内食は何時も


「客席通路で山羊をシメる」


である。新鮮さと腕の見せ所だ。



客室乗務員はナイフ一本だけで、まるで彫刻を作るかのように見事な手捌きで山羊の皮を剥ぐ。

剥いだばかりの山羊の皮は機内で売られる。
若干、高いが機内でしか買えない。

少子高齢化により山羊をナイフ一本だけで解体出来る北九州市民は年々、減っている。
一番、美味しい内臓類はビジネス・クラス。
残りがエコノミーだ。
シメたての山羊は北九州市民にとっては家庭の味であり、オフクロの味である。

しかし、山羊をシメるのは良いとしても機内は密封されている。
血の臭いが臭くて仕方がない。
機内ではお茶、ジュース、オニオンスープが配られるが、オプションで

「キンギョ入りミネラルウォーター」

もある。キンギョとは90年代にクラブ界隈で流行った覚醒剤である。
覚醒剤は北九州市の名産品であり空の上は治外法権。

皆、郷里の味を体験出来る。

暫くすると必ず「酒ぇ〜はぁー呑めぇぇ〜呑めぇぇぇ」と

『黒田節』を歌い始める人が出て来る。

日中の便はしらないが、私が搭乗する最終便だと必ずいる。

で、大抵、機長もそう言うのが好きな人なので、何処から持ってきたのか『槍』をもって踊っているのである。

飛行機は自動操縦だから良いのだろうが、観ている此方は不安になる。

預かり荷物として『水牛』を預ける人が一人や二人ではないので、山羊の血が流れる前に


『牛の臭い』である。

羽田空港で牛や山羊の鳴き声を聴いた事がある人は多いと思う。
あれは全てスターフライヤー北九州市行きの便である。
以前はJALが北九州市行きがあった。1日2便だけだが高かったし、人気が無かった。

スターフライヤーが画期的だったのは機内で新鮮な山羊を食べる事ができる事、
覚醒剤が市内よりも安い事、
ペットを預けるのに牛や豚、馬などもOKした事である。
水牛は北九州市民にとっては最高の御土産だ。

思えば私も高校に進学が決まった時は親戚から水牛3頭を贈られた。
モーモーと五月蝿いので、食べずに市街に捨てたが。
一週間程度の滞在だが、気が重たい。

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