『牧場』と言っても山羊なんて
- 食う
- ヤギ乳と乳加工品
- 革製品
- 悪魔を呼ぶ際の儀式用生贄
位しか用途がない。
だが、この山羊牧場の山羊は
『単に飼われているだけ』
で、何の生産性もない。『阿蘇クマ牧場』ですら『入場料を取る』と言う経済があるのだが、近所の山羊牧場は全く生産性も経済性もない。
元々、建築会社の社長が『大の山羊好き』で、いつも「嗚呼、山羊を飼いたい!山羊が欲しい!」と悶々としていた。
夢を叶える為にせっせと県から慰めのような公共事業等の仕事をして、仕事が軌道に乗り、会長職となり、時間と金が出来て漸く念願だった
『山羊を飼う』
が出来た。
最初は一匹だったのだが
「一匹じゃ寂しやろうねぇ」
と言う事で2匹となり、
「2匹じゃ寂しいやろうねぇ」
と3匹となり、
「こうなりゃ多けりゃ多い方が良いだろう」
となり、ガンガンと増やした。
時折、幼稚園や保育園、小学校から「山羊を譲ってくれませんか?」と言われる事があるので、そう言う場合は無料で山羊を譲渡する。
実家の介護事業所も山羊を譲って貰ったが
「世話が大変で、しかもメーメーと五月蠅い」
と言う理由で返却された。
単に山羊を飼っているだけでは『アレ』なんじゃないか?と建設会社の会長も思うのか、
『雑草駆除』
に山羊を駆り出してみる。
しかし、山羊にも山羊なりの『旨い/不味い』があるわけで、雑草なら何でも食べるわけではない。
しかも草の上と言うか柔らかい部分しか食べないので全く効果が上がらない。
「へー」と思い(山羊を近くで見る機会なんて余りないもんだし)、山羊を見ていたら山羊が近づいてきたので撫でた。
撫でられて山羊も御満悦な表情。
すると、雄の山羊が突然、私の腕目がけて頭突きをしてきた。
何とか腕を外すと今度は手目がけて頭突き。
此れが可也、強烈である。
金網がクッションとなったから良かったが、何もなかったらヒビ位は入ったかも?って位。
聴くと山羊と言う生き物は意外と
『嫉妬深い』
『凶暴』
らしい。
「めぇぇぇぇぇー!」
と中々、五月蠅い。
こんな生き物を統率出来るのは矢張り建設会社の社長しかいないんだろうなぁ。
山羊を撮影していると日傘を指した女性から
「凄いですね~」
と話しかけられる。
「凄いですよね」
「飼われてんです」
なんで俺が山羊を飼わなあかんねねん!
「いや、僕じゃなくて、あそこに山羊牧場があるんですよ」
「あ、そーなんですかぁ!」
と会話終了。
『山羊を勝手そうな顔』
なんだろうか。
山羊が必死にバトルをしている。山羊の頭突きは体感したが、可也の力。
①走って頭突き
②横から頭突き
③飛び上がって『ジャンピング頭突き』
等をやっている。
-
そう言えば人間社会に嫌気がさして、山羊として生きようと思った男性がいた。
何とかして山羊社会に入ることが出来たが
「人間も大変だけど、山羊も大変だ」
と言う事を実感して人間社会に戻ってきたのを思い出した。
しかし、『非営利/非生産的山羊牧場』ねぇ。
九州地方と言うのは時折、こう言う『異端』が居たりする。奇妙な土地だ。
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